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第七章 再出発
一周忌
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舞華が亡くなって丸一年の時が流れた…
皆それぞれが、日常を取り戻しつつあったが、まぁやんだけは未だに心の溝は塞がっていなかった。
そんな折、まぁやんの飲食店の客で仲良くしていた人物から[転職]の打診があった。
元々お客様に触れる仕事が好きだったまぁやんであったが、最近はマネジメント業務がメインとなり、現場から遠のいていた。
まぁやんは真剣に考えていた。
そんな時、まぁやんの相談相手は舞華であった。
「舞華、ただいま。いよいよ来週だな。一周忌法要。なんだかあっという間というか…」
まぁやんの話を笑顔で遺影の舞華は聞いてくれている。
「あのな…俺、転職しようとおもう。なんの仕事だと思う?不動産屋さんだ!びっくりしたろ?」
まぁやんはビールを片手に、そして舞華の遺影の前にもビールを置いて…
「舞華、カンパイ!舞華は転職どう思う?俺はやってみたいと思ってるんだ。前向きに考えてみていいか?」
舞華に相談して、まぁやんは前向きに考えることにした。
そして…舞華の一周忌法要の日
この日は家族以外にも、舞華の友人たちも駆けつけてくれた。
まぁやんもよく会っている友人達の中に、沙也加という、舞華の小学校からの幼馴染も出席してくれた。
「沙也加ちゃんも、来てくれてありがとう」
「…まぁやんさん、実は相談したいことがありまして」
「ん?どうしたの?」
「今日の夜に、お宅にお邪魔してもいいですか?」
「うん…いいけど…」
「ありがとうございます。では後ほど」
沙也加は会場に入っていった。
「聞こえたぞ~」
龍弥と雷斗が到着した。
「なんだよ…」
龍弥がまぁやんに
「沙也加ちゃん、可愛いよなー。もしかして…『わたし…実は…まぁやんのことが…前から…』とか?」
「ばーか!あるわけねぇだろ!」
続けて雷斗も
「そしてまぁやんが『ダメだよ!沙也加ちゃん。舞華が見てるだろ?』とか言っちゃって?」
「テメェら…殴られてぇみたいだな…」
まぁやんが拳を握って、ふたりに見せた。
「よーし!いつものまぁやんだ!逃げろー」
そう言ってふたりは会場に入って行った。
「ったく!あいつらは…ガキかよ」
まぁやんはフッと笑った。
法要も無事終わり、会食の時間となった。
会場を移動して、お寿司屋さんで行った。
「あれからもう一年経つんだね~」
「早いものだねぇ。雅志さん、大丈夫かい?」
まぁやんは色んな人から声をかけられていた。
「お義父さん、お身体大丈夫ですか?」
舞華の父は、舞華が亡くなった直後から体調を崩し、入退院を繰り返していた。
「ごめんね。雅志くん。色々面倒掛けちゃって」
「なんもです。家族なんですから。思いっきり甘えてくださいよ。黙ってるよりよっぽどいいですよ」
「ありがとう。ほんと…」
「まぁ兄!」
「おう!恋か!寿司食ってっか?」
「うん!食べた!ねぇ、今夜行ってもいい?」
「あー悪い!今夜お客さんが来るんだよね」
「そっか…女の…人?」
「あぁ、舞華の幼馴染で沙也加ちゃんっていうんだ。なんか相談があるみたい」
「そ…そっか…うん…わかった。じゃあまたにするね」
「悪いな」
恋は胸がもやもやしていた。
(何も!一周忌の夜に、友達の旦那が一人の家に行くかな?なんか信じられない!)
そしてムカムカしてきた。
「恋…」
恋の背後から悲しげな呼ぶ声が聞こえた。
「え!は!」
振り向くと、そこには美紀が立っていた。
「なんだ…美紀かぁ。びっくりさせないでよ」
いつもの美紀なら、恋の背中をバシッと叩いて声をかけるのだが、今日は違った。
「どした?今日はなんか元気ないね?」
「恋…今夜…恋んちにお泊まりしていい?」
「いいけど…マジでどした?」
「夜…話す」
そう言って美紀はどこかへ行ってしまった。
「ちょっと!美紀ぃ?んもう!なんなのよー」
会食が終わり、解散となった。
そして、まぁやん、龍弥、恋、康二の4人は舞華のお墓を訪れた。
「やっと家族水入らずだ。みんな、舞華に色々報告してくれ」
「報告…かぁ」
「じゃあまず俺から」
まぁやんが墓標の前に跪いた。
「俺、転職しようと思う」
『えぇ~!何に?』
一同が驚いた。
「不動産屋。営業ってやってみたかったんだ。単純に。それに忙しいんだって?その分稼いでよ!立派な仏壇を舞華に作ってやる!」
『わははははは』
「いいね!それ」
「まぁ兄らしい」
康二と恋は大笑いした。
龍弥は涙を流していた。
「おまえ…そこ泣くとこか?」
「う…うるへー」
「じゃあ次!恋だ!」
「わたし?そうだなぁ。うん!」
恋も舞華の墓標の前に跪いた。
「わたしね、デジタルアートの専門学校に行く」
「デジタルアート?」
「うん、そこで勉強して…まい姉がやってたような仕事に就いて、まい姉の跡を継ぐ!」
「マジか!それはすげー」
龍弥が拍手をしながら喜んだ。
「恋…ありがとうな…」
まぁやんは少し涙ぐんでいた。
「次!康二!」
「俺か…俺は…いや、俺も仕事辞める!」
「はぁ?なんで?弁護士事務所辞めてどうすんだ?」
「…独立する!」
「おにぃちゃん!本気?」
「あぁ!本気だ」
「…よし!俺と舞華は応援する」
「俺も!」
「じゃあ、わたしも…」
『どうぞ!』
「んもう!ちょっと!」
『わははははは!』
「最後は龍弥だ!」
「わかった!まいまい!例の件、近々決行するぞ」
「例の件って?」
「ぷ…プロポーズ…」
「おお!来たか!」
「お前らのことがあったから、ちょっと控えてたんだけどな…」
「ばーか!何カッコつけてるんだよ!」
まぁやんは龍弥の肩を叩いて言った。
「これ…誰にも言うなよ!マジで頼むな!」
「大丈夫だ!家族を信じろ!」
康二も龍弥の肩を叩いた。
「サンキュー!」
「よし!これで全員報告したな!」
まぁやんが舞華の墓標に手を置いて
「舞華、また来るからな!」
そう言って皆揃ってその場を離れた。
その時フワーっと風が吹いて、桜の花びらが舞った。
恋は一番後ろから見ていた。
まぁやんの肩に、桜の花びらが一枚、くっついた。
恋は思った。
(なんだかあの桜の花びら、まい姉みたい)
いつもまぁやんの後ろをくっついて歩く舞華がダブって見えた。
皆それぞれが、日常を取り戻しつつあったが、まぁやんだけは未だに心の溝は塞がっていなかった。
そんな折、まぁやんの飲食店の客で仲良くしていた人物から[転職]の打診があった。
元々お客様に触れる仕事が好きだったまぁやんであったが、最近はマネジメント業務がメインとなり、現場から遠のいていた。
まぁやんは真剣に考えていた。
そんな時、まぁやんの相談相手は舞華であった。
「舞華、ただいま。いよいよ来週だな。一周忌法要。なんだかあっという間というか…」
まぁやんの話を笑顔で遺影の舞華は聞いてくれている。
「あのな…俺、転職しようとおもう。なんの仕事だと思う?不動産屋さんだ!びっくりしたろ?」
まぁやんはビールを片手に、そして舞華の遺影の前にもビールを置いて…
「舞華、カンパイ!舞華は転職どう思う?俺はやってみたいと思ってるんだ。前向きに考えてみていいか?」
舞華に相談して、まぁやんは前向きに考えることにした。
そして…舞華の一周忌法要の日
この日は家族以外にも、舞華の友人たちも駆けつけてくれた。
まぁやんもよく会っている友人達の中に、沙也加という、舞華の小学校からの幼馴染も出席してくれた。
「沙也加ちゃんも、来てくれてありがとう」
「…まぁやんさん、実は相談したいことがありまして」
「ん?どうしたの?」
「今日の夜に、お宅にお邪魔してもいいですか?」
「うん…いいけど…」
「ありがとうございます。では後ほど」
沙也加は会場に入っていった。
「聞こえたぞ~」
龍弥と雷斗が到着した。
「なんだよ…」
龍弥がまぁやんに
「沙也加ちゃん、可愛いよなー。もしかして…『わたし…実は…まぁやんのことが…前から…』とか?」
「ばーか!あるわけねぇだろ!」
続けて雷斗も
「そしてまぁやんが『ダメだよ!沙也加ちゃん。舞華が見てるだろ?』とか言っちゃって?」
「テメェら…殴られてぇみたいだな…」
まぁやんが拳を握って、ふたりに見せた。
「よーし!いつものまぁやんだ!逃げろー」
そう言ってふたりは会場に入って行った。
「ったく!あいつらは…ガキかよ」
まぁやんはフッと笑った。
法要も無事終わり、会食の時間となった。
会場を移動して、お寿司屋さんで行った。
「あれからもう一年経つんだね~」
「早いものだねぇ。雅志さん、大丈夫かい?」
まぁやんは色んな人から声をかけられていた。
「お義父さん、お身体大丈夫ですか?」
舞華の父は、舞華が亡くなった直後から体調を崩し、入退院を繰り返していた。
「ごめんね。雅志くん。色々面倒掛けちゃって」
「なんもです。家族なんですから。思いっきり甘えてくださいよ。黙ってるよりよっぽどいいですよ」
「ありがとう。ほんと…」
「まぁ兄!」
「おう!恋か!寿司食ってっか?」
「うん!食べた!ねぇ、今夜行ってもいい?」
「あー悪い!今夜お客さんが来るんだよね」
「そっか…女の…人?」
「あぁ、舞華の幼馴染で沙也加ちゃんっていうんだ。なんか相談があるみたい」
「そ…そっか…うん…わかった。じゃあまたにするね」
「悪いな」
恋は胸がもやもやしていた。
(何も!一周忌の夜に、友達の旦那が一人の家に行くかな?なんか信じられない!)
そしてムカムカしてきた。
「恋…」
恋の背後から悲しげな呼ぶ声が聞こえた。
「え!は!」
振り向くと、そこには美紀が立っていた。
「なんだ…美紀かぁ。びっくりさせないでよ」
いつもの美紀なら、恋の背中をバシッと叩いて声をかけるのだが、今日は違った。
「どした?今日はなんか元気ないね?」
「恋…今夜…恋んちにお泊まりしていい?」
「いいけど…マジでどした?」
「夜…話す」
そう言って美紀はどこかへ行ってしまった。
「ちょっと!美紀ぃ?んもう!なんなのよー」
会食が終わり、解散となった。
そして、まぁやん、龍弥、恋、康二の4人は舞華のお墓を訪れた。
「やっと家族水入らずだ。みんな、舞華に色々報告してくれ」
「報告…かぁ」
「じゃあまず俺から」
まぁやんが墓標の前に跪いた。
「俺、転職しようと思う」
『えぇ~!何に?』
一同が驚いた。
「不動産屋。営業ってやってみたかったんだ。単純に。それに忙しいんだって?その分稼いでよ!立派な仏壇を舞華に作ってやる!」
『わははははは』
「いいね!それ」
「まぁ兄らしい」
康二と恋は大笑いした。
龍弥は涙を流していた。
「おまえ…そこ泣くとこか?」
「う…うるへー」
「じゃあ次!恋だ!」
「わたし?そうだなぁ。うん!」
恋も舞華の墓標の前に跪いた。
「わたしね、デジタルアートの専門学校に行く」
「デジタルアート?」
「うん、そこで勉強して…まい姉がやってたような仕事に就いて、まい姉の跡を継ぐ!」
「マジか!それはすげー」
龍弥が拍手をしながら喜んだ。
「恋…ありがとうな…」
まぁやんは少し涙ぐんでいた。
「次!康二!」
「俺か…俺は…いや、俺も仕事辞める!」
「はぁ?なんで?弁護士事務所辞めてどうすんだ?」
「…独立する!」
「おにぃちゃん!本気?」
「あぁ!本気だ」
「…よし!俺と舞華は応援する」
「俺も!」
「じゃあ、わたしも…」
『どうぞ!』
「んもう!ちょっと!」
『わははははは!』
「最後は龍弥だ!」
「わかった!まいまい!例の件、近々決行するぞ」
「例の件って?」
「ぷ…プロポーズ…」
「おお!来たか!」
「お前らのことがあったから、ちょっと控えてたんだけどな…」
「ばーか!何カッコつけてるんだよ!」
まぁやんは龍弥の肩を叩いて言った。
「これ…誰にも言うなよ!マジで頼むな!」
「大丈夫だ!家族を信じろ!」
康二も龍弥の肩を叩いた。
「サンキュー!」
「よし!これで全員報告したな!」
まぁやんが舞華の墓標に手を置いて
「舞華、また来るからな!」
そう言って皆揃ってその場を離れた。
その時フワーっと風が吹いて、桜の花びらが舞った。
恋は一番後ろから見ていた。
まぁやんの肩に、桜の花びらが一枚、くっついた。
恋は思った。
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