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子狼レンさん藪の中♪
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「ねぇねぇレン様。こんなちまちまとさぁ小銭稼いで何に使うのぉ~。皇子様方から貰った小遣いたっぷりあるでしょぉ?」
このイラつく間伸びた喋り方で聞いてくるのは、俺の専属護衛騎士のラプトルだ。
このラプトル、シュテよりも小さいが、歴とした成人男性。
ふんわりとした薄桃色の髪に、琥珀色の瞳、常に笑みを浮かべた人形じみた整った顔は、そこいらの令嬢より美しい。
一応騎士服を着用してはいるが、レースやリボンにカスタマイズされ、元の面影何ぞありゃしない。
いいのかそれ?
俺もたいがい着崩して、副団長の堅物コネリーから散々注意されてたが、ここまで酷くはなかったぞ。
こいつは、ピクシーと呼ばれる最小型ドラゴン種で、華奢な体と愛らしい見目で人気があるが・・。
見た目とは裏腹に、かなり獰猛な上、一族の結束が異様に強く集団で戦う為、『レギオン』(軍隊)と言う通り名の方が有名らしい。
「どいつもこいつも、見てくれに騙させてくれるから、他国で仕事しやすいんですよ~。だからうちの一族って、諜報とか暗部とかの仕事が多くてぇ、表の仕事なんて初めてだし~専属護衛騎士なんて感激ですぅ~。レン様末永く、よろしくねぇ~。」
初対面の挨拶がこれ。
明け透けにぶっちゃけられて、大丈夫なのかと逆にこっちが心配になった。
喋り方がおかしいのは僕だけですぅ。
と本人談・・自覚はあるのか・・。
ひんらひらなカスタマイズ騎士服を着たご令嬢(見た目詐欺)と、シンプルなシャツとズボンながら、高貴さが隠せない愛くるしい幼女(これまた見た目詐欺)の2人連れが何処にいるかというと、鬱蒼とした森の奥深く。
違和感しかない光景だ。
とはいえ、ここも歴とした城内。
高貴な方は勿論ながら、警備兵さえ巡回しないだろう場所ではあるけどな。
俺は、自作の罠にかかった兎や蛇とかを狩っては、ちょいちょい城を抜け出して、肉屋に持ち込んでは小銭を稼いでいる。
まぁ護衛騎士なんざ付けられて、罠を仕込み始めた当初からあっさりバレたんだが。
身体強化でまいてやろうとした事もあったが、流石暗部の出。
息も切らさず、しっかり付いて来やがった。
しかもこいつの靴ピンヒールなんだぜ。
そのかかと、鉄芯仕込みの暗器じゃね?
でも何故かこいつは、お馬鹿皇子達に報告を上げる事も無く、ひょうひょうと後ろを付いてくるだけだった。
「うわぁ、解体上手だねぇレン様ぁ。」
しゃがみ込み、両手で顔を挟みニコニコ見てるだけだった。
お前はどこのアイドルだ。
あざといポーズはやめろ、うぜぇ。
てめぇが成人済みの子持ちで、いい歳したおっさんだって知ってるんぞ(侍女情報)
サブいぼたつわ。
「・・・じぶんで、かせいだかねで、しゅてにおくりものしたいから。」
まぁ理由位は教えとくか・・。
なんで罠や解体の技術があるのか、なんで身体強化が使えるのかなど、数え切れない胡散臭い事案が目の前にあるのに、何一つ
詮索しないでくれるのは、正直ありがたいからな。
もくもくと川辺で解体をすませ、広い葉で
くるんでいく。
当然の事ながら、こいつは見ているだけで、止める事も咎める事も、もちろん手伝う事もしない。
「おやまぁ。そんな理由なんですか?微笑ましいですねぇ。これは応援しなくては、頑張れ♪頑張れ♪レェン様♪」
だから、それ止めろや。
このイラつく間伸びた喋り方で聞いてくるのは、俺の専属護衛騎士のラプトルだ。
このラプトル、シュテよりも小さいが、歴とした成人男性。
ふんわりとした薄桃色の髪に、琥珀色の瞳、常に笑みを浮かべた人形じみた整った顔は、そこいらの令嬢より美しい。
一応騎士服を着用してはいるが、レースやリボンにカスタマイズされ、元の面影何ぞありゃしない。
いいのかそれ?
俺もたいがい着崩して、副団長の堅物コネリーから散々注意されてたが、ここまで酷くはなかったぞ。
こいつは、ピクシーと呼ばれる最小型ドラゴン種で、華奢な体と愛らしい見目で人気があるが・・。
見た目とは裏腹に、かなり獰猛な上、一族の結束が異様に強く集団で戦う為、『レギオン』(軍隊)と言う通り名の方が有名らしい。
「どいつもこいつも、見てくれに騙させてくれるから、他国で仕事しやすいんですよ~。だからうちの一族って、諜報とか暗部とかの仕事が多くてぇ、表の仕事なんて初めてだし~専属護衛騎士なんて感激ですぅ~。レン様末永く、よろしくねぇ~。」
初対面の挨拶がこれ。
明け透けにぶっちゃけられて、大丈夫なのかと逆にこっちが心配になった。
喋り方がおかしいのは僕だけですぅ。
と本人談・・自覚はあるのか・・。
ひんらひらなカスタマイズ騎士服を着たご令嬢(見た目詐欺)と、シンプルなシャツとズボンながら、高貴さが隠せない愛くるしい幼女(これまた見た目詐欺)の2人連れが何処にいるかというと、鬱蒼とした森の奥深く。
違和感しかない光景だ。
とはいえ、ここも歴とした城内。
高貴な方は勿論ながら、警備兵さえ巡回しないだろう場所ではあるけどな。
俺は、自作の罠にかかった兎や蛇とかを狩っては、ちょいちょい城を抜け出して、肉屋に持ち込んでは小銭を稼いでいる。
まぁ護衛騎士なんざ付けられて、罠を仕込み始めた当初からあっさりバレたんだが。
身体強化でまいてやろうとした事もあったが、流石暗部の出。
息も切らさず、しっかり付いて来やがった。
しかもこいつの靴ピンヒールなんだぜ。
そのかかと、鉄芯仕込みの暗器じゃね?
でも何故かこいつは、お馬鹿皇子達に報告を上げる事も無く、ひょうひょうと後ろを付いてくるだけだった。
「うわぁ、解体上手だねぇレン様ぁ。」
しゃがみ込み、両手で顔を挟みニコニコ見てるだけだった。
お前はどこのアイドルだ。
あざといポーズはやめろ、うぜぇ。
てめぇが成人済みの子持ちで、いい歳したおっさんだって知ってるんぞ(侍女情報)
サブいぼたつわ。
「・・・じぶんで、かせいだかねで、しゅてにおくりものしたいから。」
まぁ理由位は教えとくか・・。
なんで罠や解体の技術があるのか、なんで身体強化が使えるのかなど、数え切れない胡散臭い事案が目の前にあるのに、何一つ
詮索しないでくれるのは、正直ありがたいからな。
もくもくと川辺で解体をすませ、広い葉で
くるんでいく。
当然の事ながら、こいつは見ているだけで、止める事も咎める事も、もちろん手伝う事もしない。
「おやまぁ。そんな理由なんですか?微笑ましいですねぇ。これは応援しなくては、頑張れ♪頑張れ♪レェン様♪」
だから、それ止めろや。
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