ダンジョンマスター

じゅういちわ

「ゴギャ！」

吹き飛ばされてゴブリンだがすぐに体制を立て直し僕たちを追いかけてダンジョンの中へと向かって来たのだ。

ただ僕はゴブリンにビビってダンジョンにもどったのではない。

僕に気を取られてモチからダイレクトに体当たりをくらい体制を崩していたゴブリンに追撃を仕掛けずダンジョンの中に戻ったのには理由があった。

「よし！中にまで来たな！」

これは一か八かの賭けではあったがどうやらこの賭けは僕の勝ちらしい。もしゴブリンに逃げられ仲間を引き連れてこのダンジョンにやって来られたら危ないところだった。まぁ逆上しているのがわかっていたしそこまで危ない賭けではなかったが絶対はないからな。

「仲間を呼ばれるわけには行かないからな！」

ダンジョンは外の空間とは違う空間にある。つまり中で起こっていることは外からでは分からないということだ。なのでダンジョンの中でこのゴブリンが悲鳴を上げようが仲間を呼ぶために叫ぼうが外には聞こえないと言うことだ。

（中のことが外に分からないと言うことは逆も然りで、ゴブリンが洞窟の前 ダンジョンの入り口前に立っていようとダンジョンの外であるからどれだけ近くにいても中にいた僕たちは気が付かなくてさっきみたいな状況になったんだけどな。）

「よし！それじゃ『ルトン』はゴブリンに逃げられないように出口の前に立っていてくれ！」

ゴブリンが中に入ったのを確認すると『ルトン』にはゴブリンに逃げられないようにするためにダンジョンの出入り口を防ぐように立ってもらった。