ダンジョン学校〜卒業して授与されたスキルはスライム付与でした！？〜

1話

「今日は卒業式です！」

今日はダンジョン学校最後の登校日であり卒業式の日だ。

ダンジョン学校とは名前の通り…かは分からないがダンジョンを運営・管理するダンジョンマスターを育成するための学校である。

「それでこれから皆さんにはダンジョンコアを授与します」

ダンジョン学校では卒業証書としてダンジョンを運営・管理するために必須となるダンジョンコアが授与されるのだ。

「さぁ、それでは名前を呼んだ人から取りに来てください。」

僕が通っているダンジョン学校は生徒数が少なくそのため先生も1人しかおらず司会進行も卒業証書のダンジョンコアの授与も1人の先生が全てを行なっていた。

そして1人目の生徒が呼ばれた。

呼ばれた生徒は階段を上がって先生の前に立ちダンジョンコアが授与されるのを待つ。

「これからあなたは一人前のダンジョンマスターとして認められることになります。」

僕たちダンジョン学校に通う生徒たちはダンジョンマスターに適性があるという事だけでまだダンジョンマスターではなかった。ダンジョンマスターとは自分のダンジョンコアを持つ事でようやく一人前のダンジョンマスターとして認められるのだ。

「さぁ、それでは始めます」

ダンジョンコアを授与するにあたって先生は生徒と何か話しをし始めた。

ここからは距離があり声が聞こえはしないがかなりの時間が経ち、先生が頷くとようやくダンジョンコアは授与され授与された生徒は溶けるように消えていった。

ダンジョンコアを授与された生徒は自分のダンジョンへと強制転移されるため消えたのだ。

このことはあらかじめ聞かされており驚くことではなかったがこれまで一緒に学んで来た仲間ともう会えないかもしれないと思うと少し寂しい気持ちになる。

ダンジョンコアを授与させると強制転移されることはあらかじめ聞かされていたので今年卒業する仲間たちとはお別れパーティー兼これからの未来に向けて頑張ろうパーティー兼卒業記念パーティーはもう行なっていた。

「僕は最後だからな～」

僕がダンジョンコアを授与されるのは1番最後である。そのため消えていく仲間を見るのが1番多く見送ってくれる仲間が1人もいないことを思うと少し悲しくなる。

「それじゃ次は私ね」

次々とダンジョンコアは授与されていき、1人また1人と消えていく。

「それじゃ先に行くね、また会えたらいいわね」

「うん…」

そして等々僕の前に呼ばれた仲間がダンジョンコアを授与され目の前から消えていった。