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異種族間の適切な男女交際とは?
満たして
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口数少なく私達は帰宅した。
その夜、由希人くんは私と一緒に寝ようとしなかった。
「ぼくは隣の部屋で布団で寝るからね。結界はキチンとかけてあるから何も心配しないで下さいね」
彼は私の頭を、そっと撫ででから部屋を出て行った。
久しぶりに………と言っても、ほんの半月ほど前なのだけれど………1人きりのベッドは、いやにひんやりしている。
あんなに私から離れなかった彼が、今夜、離れているのは、由希人くんなりの思いやりだ。
彼は証明したい。彼に力を与える事実の為に、私と一緒にいるんじゃないと。
私は………どっちでもいいんだけどな。彼がそばにいてくれるなら。でも、きっと彼に言ったら傷つけてしまうだろう。
私は、しばらく1人のベッドで何度も寝返りをうっていたけれど、とうとう、そこから抜け出した。
由希人くんが張った結界は私には反応しないみたいだった。私は苦も無く隣の部屋にたどり着くと扉を、そうっと開けた。
「由希人くん」
彼は、私が部屋を抜け出した事だって、この部屋の前に来た事だってきっとわかっている。
「なあに。ゆうきさん」
「そっちに行っていい?」
「…………駄目です。触れたら、君の「熟成」進めてしまう。先に「究極熟成」の方法を見つけてからにしないと君を苦しめる。ぼくは、これ以上、力は要らない。ゆうきさんを守るくらいの力なら、もう手に入れたから」
「1人は寒いの。私を暖めて欲しいの。………好きなようにしていいから。お願い」
ここまで私が来れた事が由希人くんの返事。本気で拒否しようと思えば、私は部屋から出られないし、おそらく扉は開かない。
私は部屋の中に飛び込んで、いつもの部屋着姿で立ち上がった彼に、しがみついた。
「ゆうきさんは、ぼくの理性を壊してしまいたいんですね。我を忘れるくらい貴方に溺れたら、それが、ゆうきさんにとって、ぼくの想いの深さだと………そう、思うのですか?」
彼は私を受け止めて、私の腰に緩く腕をまわした。
ただ、軽く抱き合っているだけなのに、わたしの身体は徐々に熱くなってゆく。………やっぱり身体がおかしくなっているんだ。得体の知れない飢餓感が私を苛む。快楽を求めて身の内が滴を流す。
彼には何も隠せない。私は私すら裏切って暴走してゆく身体を震わせる。
「ごめんね。ぼくのせいだ。………」
2人の服が一瞬で消え去って、私達は高い所に放り出された。驚いて見上げると由希人くんの背中から蝙蝠のような翼が広がっていた。抱き合って飛んでる!
空は虹色、下には白いベッドが地平線まで広がっている。ここは…………。
「………夢の………中?」
「いいえ。ぼくが作った結界の中。ぼくの世界です。いつも君に何もかも曝け出させているのだもの。ぼくもぼくの全てを見せるよ。ぼくを見て。人間ではない醜い姿を。君だけを乞い願う醜悪な生き物」
由希人くんの瞳は光彩が縦に黄色く染まっていた。でも翼があっても、瞳の形が変わっても、由希人くんは由希人くんだ。何も変わらない。醜くなんて少しもなっていない。恐ろしい程、美しい。むしろ、好ましい。私にしか見せないだろう姿。そう言いたいのに身体が熱くて声が出ない。
彼は、ユックリと下降して一面のベッドに降ろされる。
「ぼくの好きなようにする。君はぼくのものだ」
立ったまま触れるだけの口付けをして腕で私を抱き締めたまま、ビロードのような感触の大きな翼が身体を包む様に巻き付いてくる。足で膝を割られて開かされると、固い熱い指先なんかより、ずっと太いモノが、疼き続けている私の中心を探る様に何度もなぞる。そして、それは確かめるように、少しづつ少しづつ分け入ってくる。
ああ、満たされる。処女って、最初は痛いんじゃないのか。私を引き裂くような痛みはなく、ただただ気持ちがいい。
それは、奥まで、私を確かめるように慎重に押し入ってきて、誰も触れたことの無い私の突き当たりまで届いた。奥を、そっと混ぜる。そして、内側を擦りながら出て行く、先端に段差があるのか、それがあたって中が痺れるように感じる。
彼の指先と同じように私のイイ場所を知り尽くしてる、そんな動き。それが出たり入ったりする度に背中が反り返る。翼に絡め取られて激しい身動きも快感から逃れる事も出来ない。軽く触れあっていただけの唇は、いつの間にか貪るように絡み合っている。もはや足先は抱き上げられていてベッドには付いていない。爪先まで力が入る。ああ……達してしまう。とても遠くまでいく。彼も一緒だとよい。
由希人サイド
意識を手放した、ゆうきさんを抱き締めたまま、ぼくは彼女の中から濡れそぼった尻尾を引き出した。彼女の飢えを満たしてあげたくて、それでも臨戦態勢の自分自身を突き込む事は出来なかった。自身の身勝手な浅ましい希望を捨てる事は出来なかったのだ。
それでも、決して他の人間、いや同族でさえ見せるのを厭う急所を彼女の中に埋め込むのは、背徳的で、元々、敏感な部分だし、痺れるような感じた事のない感覚だった。
彼女から先程までの飢餓感は消え去っていた。ここまで、やってしまっても「熟成」も壊れていないようだ。賭けみたいなものだったけれど成功したみたいだ。けれど、コレは、ほとんどセックスしているのと変わらないような気がするのだが。
軽く自分の尻尾を揺らす。万が一にも無いと信じたいが、ぼくがフラれて、仕方なく他の女性と食事したとして絶対、尻尾など使わない。まず、人間の前に出せないし、急所だから恐くて彼女以外の人間の前で具現化など出来ない。ある意味、人間と淫魔の間では、本来の性行為より、よほど親密な行為なんじゃないだろうか。
「究極熟成」って何なんだろう。本当にあるんだろうか?
自分の姿と巨大な結界を具現化して膨大な魔力を使ったおかげで、幸い彼女の身体に魔力も流れ込まずにすんだ。
彼女は尻尾を突っ込まれたと聞いたら、驚くだろうな。呆れるかな。怒るかな。
ちょっと心配になりながら、恋人の頬に口付けた。
その夜、由希人くんは私と一緒に寝ようとしなかった。
「ぼくは隣の部屋で布団で寝るからね。結界はキチンとかけてあるから何も心配しないで下さいね」
彼は私の頭を、そっと撫ででから部屋を出て行った。
久しぶりに………と言っても、ほんの半月ほど前なのだけれど………1人きりのベッドは、いやにひんやりしている。
あんなに私から離れなかった彼が、今夜、離れているのは、由希人くんなりの思いやりだ。
彼は証明したい。彼に力を与える事実の為に、私と一緒にいるんじゃないと。
私は………どっちでもいいんだけどな。彼がそばにいてくれるなら。でも、きっと彼に言ったら傷つけてしまうだろう。
私は、しばらく1人のベッドで何度も寝返りをうっていたけれど、とうとう、そこから抜け出した。
由希人くんが張った結界は私には反応しないみたいだった。私は苦も無く隣の部屋にたどり着くと扉を、そうっと開けた。
「由希人くん」
彼は、私が部屋を抜け出した事だって、この部屋の前に来た事だってきっとわかっている。
「なあに。ゆうきさん」
「そっちに行っていい?」
「…………駄目です。触れたら、君の「熟成」進めてしまう。先に「究極熟成」の方法を見つけてからにしないと君を苦しめる。ぼくは、これ以上、力は要らない。ゆうきさんを守るくらいの力なら、もう手に入れたから」
「1人は寒いの。私を暖めて欲しいの。………好きなようにしていいから。お願い」
ここまで私が来れた事が由希人くんの返事。本気で拒否しようと思えば、私は部屋から出られないし、おそらく扉は開かない。
私は部屋の中に飛び込んで、いつもの部屋着姿で立ち上がった彼に、しがみついた。
「ゆうきさんは、ぼくの理性を壊してしまいたいんですね。我を忘れるくらい貴方に溺れたら、それが、ゆうきさんにとって、ぼくの想いの深さだと………そう、思うのですか?」
彼は私を受け止めて、私の腰に緩く腕をまわした。
ただ、軽く抱き合っているだけなのに、わたしの身体は徐々に熱くなってゆく。………やっぱり身体がおかしくなっているんだ。得体の知れない飢餓感が私を苛む。快楽を求めて身の内が滴を流す。
彼には何も隠せない。私は私すら裏切って暴走してゆく身体を震わせる。
「ごめんね。ぼくのせいだ。………」
2人の服が一瞬で消え去って、私達は高い所に放り出された。驚いて見上げると由希人くんの背中から蝙蝠のような翼が広がっていた。抱き合って飛んでる!
空は虹色、下には白いベッドが地平線まで広がっている。ここは…………。
「………夢の………中?」
「いいえ。ぼくが作った結界の中。ぼくの世界です。いつも君に何もかも曝け出させているのだもの。ぼくもぼくの全てを見せるよ。ぼくを見て。人間ではない醜い姿を。君だけを乞い願う醜悪な生き物」
由希人くんの瞳は光彩が縦に黄色く染まっていた。でも翼があっても、瞳の形が変わっても、由希人くんは由希人くんだ。何も変わらない。醜くなんて少しもなっていない。恐ろしい程、美しい。むしろ、好ましい。私にしか見せないだろう姿。そう言いたいのに身体が熱くて声が出ない。
彼は、ユックリと下降して一面のベッドに降ろされる。
「ぼくの好きなようにする。君はぼくのものだ」
立ったまま触れるだけの口付けをして腕で私を抱き締めたまま、ビロードのような感触の大きな翼が身体を包む様に巻き付いてくる。足で膝を割られて開かされると、固い熱い指先なんかより、ずっと太いモノが、疼き続けている私の中心を探る様に何度もなぞる。そして、それは確かめるように、少しづつ少しづつ分け入ってくる。
ああ、満たされる。処女って、最初は痛いんじゃないのか。私を引き裂くような痛みはなく、ただただ気持ちがいい。
それは、奥まで、私を確かめるように慎重に押し入ってきて、誰も触れたことの無い私の突き当たりまで届いた。奥を、そっと混ぜる。そして、内側を擦りながら出て行く、先端に段差があるのか、それがあたって中が痺れるように感じる。
彼の指先と同じように私のイイ場所を知り尽くしてる、そんな動き。それが出たり入ったりする度に背中が反り返る。翼に絡め取られて激しい身動きも快感から逃れる事も出来ない。軽く触れあっていただけの唇は、いつの間にか貪るように絡み合っている。もはや足先は抱き上げられていてベッドには付いていない。爪先まで力が入る。ああ……達してしまう。とても遠くまでいく。彼も一緒だとよい。
由希人サイド
意識を手放した、ゆうきさんを抱き締めたまま、ぼくは彼女の中から濡れそぼった尻尾を引き出した。彼女の飢えを満たしてあげたくて、それでも臨戦態勢の自分自身を突き込む事は出来なかった。自身の身勝手な浅ましい希望を捨てる事は出来なかったのだ。
それでも、決して他の人間、いや同族でさえ見せるのを厭う急所を彼女の中に埋め込むのは、背徳的で、元々、敏感な部分だし、痺れるような感じた事のない感覚だった。
彼女から先程までの飢餓感は消え去っていた。ここまで、やってしまっても「熟成」も壊れていないようだ。賭けみたいなものだったけれど成功したみたいだ。けれど、コレは、ほとんどセックスしているのと変わらないような気がするのだが。
軽く自分の尻尾を揺らす。万が一にも無いと信じたいが、ぼくがフラれて、仕方なく他の女性と食事したとして絶対、尻尾など使わない。まず、人間の前に出せないし、急所だから恐くて彼女以外の人間の前で具現化など出来ない。ある意味、人間と淫魔の間では、本来の性行為より、よほど親密な行為なんじゃないだろうか。
「究極熟成」って何なんだろう。本当にあるんだろうか?
自分の姿と巨大な結界を具現化して膨大な魔力を使ったおかげで、幸い彼女の身体に魔力も流れ込まずにすんだ。
彼女は尻尾を突っ込まれたと聞いたら、驚くだろうな。呆れるかな。怒るかな。
ちょっと心配になりながら、恋人の頬に口付けた。
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