オペレーション✖️シールド〜周りのエロい声が凄すぎて僕の防御(理性)を貫通してきます。スキルの裏効果と派生で最強の盾使いを目指すッ!〜

トロ

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44話

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 私はシャーリー様の命令により、全速力で救援を呼ぶ為に駆け出した。

 途中、強い魔物にも遭遇したけど難なく倒す。

 しばらくすると──たまたま近くにいたこの国の騎士団と合流する事が出来た。どうやら遠征に出ていたようだった。

 私は『聖天』の称号であるエンブレムを見せて、指揮官に救援を頼むとすんなり受け入れてもらえた。

 遠征に出ていた理由は私が向かっていた街はここ10年程魔物が急激に増えている為、定期的に間引いていると聞いた。

 今回の件と関係しているかはわからない。だけど、街に到着するまでに救援が間に合った事に安心した。通常であれば兵士を集めたりで時間がかかり過ぎてしまうので助かった。

 後は早く戻るだけ──

 そう思って、現在進軍中なのだけど……遅い。

 大人数の進軍は時間がかかる。

 わかっていた事だけど、時間の経過と共に焦りが出始める。

 このままでは後数時間はかかってしまう……。

 先に1人で進もうかと思っていると──

『索敵』スキルが反応する。

 そして慌ただしく駆け寄る団員が口を開く。

「団長ッ! この先に魔物の軍勢が迫っていますッ!」

「何!? 数は!?」

「およそ──1000──そして少年が追いかけられておりますッ! いかがしますか!?」

 少年?

「──直ぐに迎撃体制を取れッ!」

「はッ!」

 団長の命令を聞き、直ぐに行動に移す団員達──

「エレン殿の言っていた事が真実味を帯びましたな……助力を願っても?」

「……本当は先に進みたかったのですが──仕方ありません。さっさと突破して向かいましょう。このままではシャーリー様の救援が遅れてしまいます。私が先に殲滅出来るだけしてきます──」

「──!? お一人では無茶ですッ! お待ち下さい──」

 騎士団長が止めてきたが、私は無視して駆け抜ける──

 魔物に追いかけられているのはロイ?

 それしか考えられない。

 微精霊を大量に惹きつける事が出来るなら──その逆も可能のはず。

 あの子のスキルはそれが調整出来るスキルだと母さんから聞いている。きっと囮になって惹きつけているに違いない──

 早く助けないと──



 ◇◇◇



 魔物の近くにまで到着すると、1人の男の子が走っている姿が見えた。

 あれは間違いなくロイだ。

 二度と目の前で家族は死なせない──

 槍を手に持ち──駆け寄ろうと足に力を込めると、ロイはお父さんのように魔力盾を出して魔物を一網打尽にする。

 その姿を見て一瞬呆然とする。

 お父さんも確かに盾を出していた。だけど、魔力の消費が激しくて常に魔力回復ポーションを飲んでいた記憶がある。それにここまでの規模では出せなかったはず。

 更にロイは空中にいくつあるのか数えるのが馬鹿らしいぐらいの盾を出していた。

 末恐ろしいぐらいの魔力量……。

 しばらく立ち止まった後──

「──行くぞッ! ──【盾の雨シールドレイン】ッ!」

 その言葉と共にそれらをロイは空中から落とす──

 すると、けたたましい音と共にゴブリン、オーク、オーガ、ウルフ系の魔物はどんどん切断され絶命していく。


 私はその光景に動けずにいた。

 なんなのこの戦い方は……盾使いは仲間を守る役割のはず……確かに盾を使ってブーメランのように扱う攻撃方法を知ってはいるけど、こんなのは見た事がない。

 お父さんでさえ──魔力盾を動かすなんて事はしていなかった。


 凄い──その一言に尽きる。


 きっと、ロイは将来──


 歴史に名を残すかもしれない。


 そんな事を考えているとロイは急に耳や目から血を出して倒れ、魔力盾は霧散していく。

「ロイッ!?」

 拙い──ロイは凄いと言っても、まだ子供だわ。

 魔物の大半は絶命しているけど、ぼろぼろになったサイクロプスがまだ生きている。

 なんとか助け出さなければ──

 私は駆け出す──

 近寄る複数のサイクロプス。

 まだ遠い──


「──【盾の舞シールドダンス】ッ! ちっ……──【盾刃転 シールドリボリューション】ッ!」

 ロイは立ち上がり、盾を1枚出して回転させていく。

 その様は見るに耐えない──皮膚は裂け──所々から血が噴き出している。

 でも……ロイは

 どんな苦境であっても決して諦めない──

 その心の強さに感心する。


 ロイはサイクロプスが殴ると同時に盾を飛ばすとサイクロプスの拳が裂けていき、そのまま首を切断する。そして次々と斬り刻んでいく。

 けど──まだ敵は多いッ!

 もう少しで到着する──

「弟に──ロイに触れるなぁぁぁッ!!!!」

 他のサイクロプスが次々と襲って来るが、私は風魔法を付与したスキル『魔槍』で肉片に変える。

 なんとかロイの前に立つ事が出来た。

「ロイッ! 大丈夫!?」

 私が振り向くとロイは盾を飛ばした状態でぶつぶつと何かを言っていた。

「……ま……も……るんだ……帰って……皆……を……僕が……」

 ロイは私に気がつかない。

 目も虚だ……まさか──意識が無い?

 しばらくすると飛ばしていた盾は霧散する。

 私は直ぐに抱きかかえて魔物のいない場所まで移動する──

 その間もずっと『帰って皆を守るんだ』──そう繰り返し言っていた。

 こんな小さな体で囮になり、被害が出ないように囲いながら殲滅し、最後まで諦めずに戦い抜いた弟の立派な姿に思わず私は涙を流す。

「立派だよ……ロイは自慢の弟だよ……後は──お姉ちゃんに任せなさい」

 ロイを地面に寝かせた私は残りの魔物を殲滅する為に槍を構えて『限界突破』を使う──


 その後──全て私が駆逐した。

 今はロイに膝枕しながら『回復魔法』を使っている。


 しばらくすると、私を見つけた騎士団長が慌ただしく駆け寄って来る。

「……さすが『聖天』の副隊長ですな……こんな短時間で魔物を殲滅するとは……」

 私を称賛してくるけど──

「……私じゃないわ。私が倒したのはこのサイクロプスだけよ……」

「──!? では誰がこれだけの魔物を!?」

「──私の弟よ」

「その子が?」

 騎士団長はまじまじとロイを見つめた後、信じられないと驚く。

「えぇ、この子は養子の私とは違い──『双聖壁』の実の息子よ」

「な、なるほど……それなら納得です。……実に末恐ろしい才能ですな……」

 あぁ、この人は勘違いしているのね……。

「この子には盾の才能しかないわよ」

「では、どうやってこれだけの魔物を倒すのですか? ──なるほど魔法ですな! はっはっは、宮廷魔術師顔負けですな!」

「ロイは──魔法はまだ使えないわ。盾の練習も……最近始めたばかり。だけど父さんの才能は受け継いでいる……しかも父さん以上かもしれない」

「──まことですか?」

 私の真剣な表情に嘘偽りが無いと悟ったようで声音が少し低くなる。

「えぇ……」

「弟殿は将来を決められておられるのですかな?」

 これは──国に取り込もうと思っているわね。

「冒険者になるって言っていたわ。──国に取り込もうとしたら私も母さんも敵対するわよ?」

 私は殺気を出して『威圧』する──

「ま、まさか、『双聖』様と敵対なんて恐れ多い……ですから殺気を抑えて下さい……」

「──なら良いです」

「しかし、『双聖』様がいるなら救援など必要無いのでは? 昔に一度戦っている所を見た事がありますが──彼女に勝てる者はそうそういないと思いましたが……」

「ロイは囮になって惹きつけていたはずです。おそらくそうしないとダメなぐらい危機が訪れているのかもしれません……それに母さんはブランクが長いです……」

「……急ぎましょう」

 騎士団長は理由を聞き、事態を把握したのか直ぐに出発してくれる──



 ◇◇◇



 街に到着すると──

「こ、これはなんとも……」

 騎士団長の声が木霊する。

 森は焼け、地面は陥没し──レッドドラゴンの亡骸が4匹と数えきれない魔物の死体が散乱していた。だけど、街に被害は無い。

 まさか、ここまでの事態になってたなんて……。

 母さん達はどこに──


 いたッ!


 母さんはゾルさんを足蹴にしており、それをシャーリー様、ユラさん、リリアが必死に止めていた──その顔は明らかに怒っている。

 ゾルさんがまた何かやらかしたのかもしれない。

 でも、今はそんな事よりどうなったのか確認しないと!

「母さんッ! 無事!?」

「──エレン! 今さっき終わったところよッ! ロイが囮になってどこかへ行ったらしいのッ! こんの馬鹿が1人で行かせたから探してちょうだいッ!」

 なるほど……ロイの心配をしているのか。ゾルさんは八つ当たりを受けているに違いない。

「母さん、ロイは助けたわッ! ちゃんと無事よッ!」

「──!? さすが私の娘ッ! よくやったわッ!」

 ホッと一安心する母さん。

 救援は間に合わなかったけど、皆無事で良かった。

 その後、騎士団長が「出番はありませんでしたが、後処理ぐらいはしましょう」と言ってくれたので任せた後──私達は無事に生還出来た喜びを分かち合い、シャーリー様にロイの傷を治してもらう──

 でも──

 ロイは直ぐに目覚める事はなかった──
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