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第1章 学園編〜天然王子とその護衛(クラスメイト)たち
学園ルール、ご説明します②
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【今回の学習】
Queens
————————————————————
「この学園は基本、男の方が地位が高い。だが、そんな男と唯一対等な関係……いや。この学園の権利を握る集団がいる」
「ということは一番偉いのか」
「そうだ。その名も生徒会こと【Queens】だ」
Queens。いかがにも女性集団って感じだな。
「【Queens】は女子生徒、5人構成でできている。そして今年は全員白き腕輪だ」
ほうほう。つまりクラスに入れたいなら白き腕輪じゃないとダメと。
「Queensのメンバーは胸元に王冠のブローチを付けている」
王冠のブローチを付けている人には要注意だな。
「Queensはあらゆる取り締まりをしていてな。例えば不純異性行為、イジメ、校則違反などだ」
仕事自体は学園の秩序を守る的活動なのか。割といい組織か?
「それと、Queensはこの学園の学生を自由に操作することができる」
「どういうこと?」
操作とは随分と物騒な表現だ。
「例えば、八神坊を学園から退学させたり、このクラスの替えをできたりする」
「クラス替えが一番恐ろしいことだよね」
隣にいる翠がそう呟くと、みんなウンウンと頷いている。
「全てはQueens次第ってこと?」
「そういうことだ。だからQueensの一員の中に身内や友達がいると有利と言われている」
こういう言い方をするのは悪いが、Queensに親しい人がいることによって少しでも優遇されたりする可能性だっってあるからな。
「そのため、学園での地位をさらに上げようとする一部の男どもは関係を持とうと迫ってきたり、頻繁に指名をしているが、Queensは全部断っている」
その言葉を聞きホッとする。
もし、指名が通ったら、この学園は男のやりたい放題になってしまうからな。それだけはタマちゃんとQueensもこの学園の女子生徒だって防ぎたいはず。
「以上が大まかなQueensの説明だ。わかったか?」
「おうよ。バッチリだ」
とりあえず簡単にまとめると、
Queens=最強
Queen=権力者
Queens=味方につけたい
だ。
「しかし、八神坊が花咲妹と知り合いなのは意外だったな」
「えっ?」
急に桜果さんの話になりビックリする。
そんなに桜果さんと知り合いなのが珍しいのかな?
すると、タマちゃんは「ふふふー」とニヤつき始めた。
「驚くがいい、八神坊。花咲姉は実はな———」
「私のことをお呼びですか?」
タマちゃんが何かを言いかけた時、誰かの声が遮った。
「お、桜果さん!」
それは教室の入り口付近に立っている桜果さんの声だった。
そして俺はあるところに視線を向けた。それは桜果さんの胸元に付いている王冠のブローチ。
「桜果さんってQueensなんですね……」
その王冠のブローチはQueensであることの証だ。ということは桜果さんはこの学園での権力者。
「その様子ですとQueensの説明は受けたようですね。はい、Queensの一員の花咲桜果です」
軽くお辞儀をしてくれる。
さっき知り合いにQueensがいたら有利とか他人のように思っていたが、まさかここまで身近にいたとは。
「ところで花咲姉よ、今は授業中なのだが?」
確か1時間目だったよな。だったら桜果さんは授業を受けていてここには来れないはず。
「あら理事長先生。Queens特権で旦那様に校内案内をしようと思いまして」
「旦那様とは随分と独占欲があるようだな」
「ふふっ、こうでもしとかないと変な虫が寄りますから」
そう言った桜果さんはクラスを見渡す。心なしか警戒している様子だ。
「それで旦那様に校内案内をしてもよろしいですか?」
「Queensであるお前さんが校内案内を担当するなら安心だな」
「今日は僕が護衛の担当だったけど、Queensさんには勝てないなー」
翠が残念そうな声を上げる。
「ふふっ、すいませんね翠さん」
「いえ、気にしないでください桜果さん」
2人とも笑っているのだが、間にはバチバチっと電気が走っているように見える。仲が悪いのかな?
「では行きましょうか旦那様」
俺は席を立ち桜果さんのところにいく。
ふと、妹である朱莉の方をチラッと見ると悔しそうな、険しいような顔をしていた。
「あっ、それと……」
教室を出ようとしていた桜果さんだだったが、何かを言い忘れたのか、みんなの方をクルリと向いた。
「旦那様の初めてを貰うのは私ですから」
何かと思えばニッコリとした表情でそう言った。
「ちょっ桜果さんっ!?」
何を言い出すんだこの人は!?
慌てふためいているのは俺だけみたいで、みんなは表情が険しいものになった。
「では失礼します」
こうして俺は桜果さんに手を引かれ教室を出た。
Queens
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「この学園は基本、男の方が地位が高い。だが、そんな男と唯一対等な関係……いや。この学園の権利を握る集団がいる」
「ということは一番偉いのか」
「そうだ。その名も生徒会こと【Queens】だ」
Queens。いかがにも女性集団って感じだな。
「【Queens】は女子生徒、5人構成でできている。そして今年は全員白き腕輪だ」
ほうほう。つまりクラスに入れたいなら白き腕輪じゃないとダメと。
「Queensのメンバーは胸元に王冠のブローチを付けている」
王冠のブローチを付けている人には要注意だな。
「Queensはあらゆる取り締まりをしていてな。例えば不純異性行為、イジメ、校則違反などだ」
仕事自体は学園の秩序を守る的活動なのか。割といい組織か?
「それと、Queensはこの学園の学生を自由に操作することができる」
「どういうこと?」
操作とは随分と物騒な表現だ。
「例えば、八神坊を学園から退学させたり、このクラスの替えをできたりする」
「クラス替えが一番恐ろしいことだよね」
隣にいる翠がそう呟くと、みんなウンウンと頷いている。
「全てはQueens次第ってこと?」
「そういうことだ。だからQueensの一員の中に身内や友達がいると有利と言われている」
こういう言い方をするのは悪いが、Queensに親しい人がいることによって少しでも優遇されたりする可能性だっってあるからな。
「そのため、学園での地位をさらに上げようとする一部の男どもは関係を持とうと迫ってきたり、頻繁に指名をしているが、Queensは全部断っている」
その言葉を聞きホッとする。
もし、指名が通ったら、この学園は男のやりたい放題になってしまうからな。それだけはタマちゃんとQueensもこの学園の女子生徒だって防ぎたいはず。
「以上が大まかなQueensの説明だ。わかったか?」
「おうよ。バッチリだ」
とりあえず簡単にまとめると、
Queens=最強
Queen=権力者
Queens=味方につけたい
だ。
「しかし、八神坊が花咲妹と知り合いなのは意外だったな」
「えっ?」
急に桜果さんの話になりビックリする。
そんなに桜果さんと知り合いなのが珍しいのかな?
すると、タマちゃんは「ふふふー」とニヤつき始めた。
「驚くがいい、八神坊。花咲姉は実はな———」
「私のことをお呼びですか?」
タマちゃんが何かを言いかけた時、誰かの声が遮った。
「お、桜果さん!」
それは教室の入り口付近に立っている桜果さんの声だった。
そして俺はあるところに視線を向けた。それは桜果さんの胸元に付いている王冠のブローチ。
「桜果さんってQueensなんですね……」
その王冠のブローチはQueensであることの証だ。ということは桜果さんはこの学園での権力者。
「その様子ですとQueensの説明は受けたようですね。はい、Queensの一員の花咲桜果です」
軽くお辞儀をしてくれる。
さっき知り合いにQueensがいたら有利とか他人のように思っていたが、まさかここまで身近にいたとは。
「ところで花咲姉よ、今は授業中なのだが?」
確か1時間目だったよな。だったら桜果さんは授業を受けていてここには来れないはず。
「あら理事長先生。Queens特権で旦那様に校内案内をしようと思いまして」
「旦那様とは随分と独占欲があるようだな」
「ふふっ、こうでもしとかないと変な虫が寄りますから」
そう言った桜果さんはクラスを見渡す。心なしか警戒している様子だ。
「それで旦那様に校内案内をしてもよろしいですか?」
「Queensであるお前さんが校内案内を担当するなら安心だな」
「今日は僕が護衛の担当だったけど、Queensさんには勝てないなー」
翠が残念そうな声を上げる。
「ふふっ、すいませんね翠さん」
「いえ、気にしないでください桜果さん」
2人とも笑っているのだが、間にはバチバチっと電気が走っているように見える。仲が悪いのかな?
「では行きましょうか旦那様」
俺は席を立ち桜果さんのところにいく。
ふと、妹である朱莉の方をチラッと見ると悔しそうな、険しいような顔をしていた。
「あっ、それと……」
教室を出ようとしていた桜果さんだだったが、何かを言い忘れたのか、みんなの方をクルリと向いた。
「旦那様の初めてを貰うのは私ですから」
何かと思えばニッコリとした表情でそう言った。
「ちょっ桜果さんっ!?」
何を言い出すんだこの人は!?
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「では失礼します」
こうして俺は桜果さんに手を引かれ教室を出た。
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