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第二章 アーウェン少年期 領地編
伯爵夫妻は認識を確認する ②
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しかし気になるのはアーウェン自身の魔力の存在である。
おそらくは灰色か黒──水よりも冷魔法か、もっと──
「誤魔化すのはやめよう」
「ええ……そうね……たぶん……きっと……あの子の性質は」
闇
あり得ない、というのが本当の気持ちだ。
ラウドもヴィーシャムも氷に近い水性質の魔力を持ち、気温や温度などを操る。
まだ安定はしていないが、嫡男のリグレ・キュアン・デュ・ターランドもおそらく水の魔力を持っているはずだが、わずかに癒しの力も感じていた。
そして愛娘のエレノア・イェーム・デュ・ターランドに関してはおそらくいつかの隔世遺伝なのか、金色の魔力──完全な癒しと聖の魔力持ちとして顕現した。
ターランド家の始祖は水と聖の力を持ち、女性は特に修道女として研鑽を積むと強大な癒し手として求められることも多かった。
まさかたったひとりの娘を教会などに差し出すつもりはまったくないが、本人が望むなら慰問や何かで人を助けることを制限するつもりはない。
だがそれにしても──
サウラス男爵家の者は枝分かれしてからも特に魔力を持つ者など現れたことはなく、ターランド一族の中でも異端として血の繋がりもゆっくりと抹消されるはずだった。
どこかで闇の魔力を持つ者と婚姻関係を持つことがあったかもしれないが、分家されてから十代以上経っているわけではなく、表立って関わり合いは持っていないとしても、縁戚となった者の家系を把握できないほど疎遠となっているわけではない。
そしてターランド伯爵家の総力を挙げてサウラス男爵家の繋がりを調べたが、そのどこにも闇魔法を持つという記録はなかった。
そんなことがあれば国としては強力な戦力として召し上げ、ターランド伯爵家とはまた別の上位貴族として陞爵することも有り得る。
だが他国貴族との婚姻が成立するほどの財力があるどころか、妻の実家であるキャステ騎士爵家の援助がなければ自力で立っていることすら危ういサウラス男爵家に、そんな異能が顕れることすら疑わしい。
「血が近過ぎるよりも、騎士爵を戴けるほどの武力のある家柄の娘を娶り産ませた子ならばと調べたが……」
「キャステ家にも魔力持ちはいたのでしょう?」
「おそらくは。だが、誰も我がターランド伯爵家の門を叩くほどの才能も見せず、迫害もなかったようだ」
魔力持ちは、周囲から何故か浮く。
そのことを吹聴しないにもかかわらず、何か不気味に思われて疎外感を味わうことが多い。
兵として身を立てるならば必ず魔力検査を経て、その能力に応じた貴族家へ預けられるし、そうでない者はいつの間にかそういった家の門を叩いて使用人となることがほとんどである。
だが、その中にキャステ家ゆかりの者がいないのも事実であった。
おそらくは灰色か黒──水よりも冷魔法か、もっと──
「誤魔化すのはやめよう」
「ええ……そうね……たぶん……きっと……あの子の性質は」
闇
あり得ない、というのが本当の気持ちだ。
ラウドもヴィーシャムも氷に近い水性質の魔力を持ち、気温や温度などを操る。
まだ安定はしていないが、嫡男のリグレ・キュアン・デュ・ターランドもおそらく水の魔力を持っているはずだが、わずかに癒しの力も感じていた。
そして愛娘のエレノア・イェーム・デュ・ターランドに関してはおそらくいつかの隔世遺伝なのか、金色の魔力──完全な癒しと聖の魔力持ちとして顕現した。
ターランド家の始祖は水と聖の力を持ち、女性は特に修道女として研鑽を積むと強大な癒し手として求められることも多かった。
まさかたったひとりの娘を教会などに差し出すつもりはまったくないが、本人が望むなら慰問や何かで人を助けることを制限するつもりはない。
だがそれにしても──
サウラス男爵家の者は枝分かれしてからも特に魔力を持つ者など現れたことはなく、ターランド一族の中でも異端として血の繋がりもゆっくりと抹消されるはずだった。
どこかで闇の魔力を持つ者と婚姻関係を持つことがあったかもしれないが、分家されてから十代以上経っているわけではなく、表立って関わり合いは持っていないとしても、縁戚となった者の家系を把握できないほど疎遠となっているわけではない。
そしてターランド伯爵家の総力を挙げてサウラス男爵家の繋がりを調べたが、そのどこにも闇魔法を持つという記録はなかった。
そんなことがあれば国としては強力な戦力として召し上げ、ターランド伯爵家とはまた別の上位貴族として陞爵することも有り得る。
だが他国貴族との婚姻が成立するほどの財力があるどころか、妻の実家であるキャステ騎士爵家の援助がなければ自力で立っていることすら危ういサウラス男爵家に、そんな異能が顕れることすら疑わしい。
「血が近過ぎるよりも、騎士爵を戴けるほどの武力のある家柄の娘を娶り産ませた子ならばと調べたが……」
「キャステ家にも魔力持ちはいたのでしょう?」
「おそらくは。だが、誰も我がターランド伯爵家の門を叩くほどの才能も見せず、迫害もなかったようだ」
魔力持ちは、周囲から何故か浮く。
そのことを吹聴しないにもかかわらず、何か不気味に思われて疎外感を味わうことが多い。
兵として身を立てるならば必ず魔力検査を経て、その能力に応じた貴族家へ預けられるし、そうでない者はいつの間にかそういった家の門を叩いて使用人となることがほとんどである。
だが、その中にキャステ家ゆかりの者がいないのも事実であった。
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