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認められる者。
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『剣改め』については、剣そのものが持ち主以外を拒否するといういわゆる『聖剣』や『魔剣』と呼ばれる類いであることを証明したに過ぎない。
『聖剣』と『魔剣』の違いは何かといえば、人間として格が上がるか、悪影響を及ぼすかという違いに過ぎないが、あのように持ち主が意図しないのに攻撃的魔法式を展開する剣が存在するなど初耳である。
だがバルトロメイがグッと握ると不安定に発せられていた魔力は霧のように消え失せ、冷気とはまた違う冷たい空気がふわりと薄衣のように拙い主を包んだ。
「……アレはちょっと見ではわからんな」
「何がですか?」
「あ…いや……」
石に関してはエキスパートであるが、属性魔力がない受付嬢がキョトンとギルドマスターを振り返った。
冒険者ギルドではしばしば冒険者たちのランクアップ試験や経験値確認のために魔力検査を行う必要があるため、彼女のように魔力の適性がないか、魔力を封じ込めるアクセサリーを身に着けて業務に当たる。
そのせいかバルトロメイの外側に微かな痕跡としかわからない防御膜を感知できなかった。
しかし今その過程をたまたま目撃したからこそエピルスにもわかったが、あの状態が常なのか、剣を手にした時だけに発生するのかまではわからない。
「……しかしやはり『聖剣』を手にできるというだけでも、あいつは『勇者』候補だな」
「本当ですね!魔力がほとんどない勇者なんて前代未聞ですけど……」
「ふーん…魔力がほとんどない……魔力がほとんどない?」
「はい」
「魔力がほとんどない?!」
「えっ、ええ…今、そう言いましたけど……はい?」
「魔力がほとんどない………」
一体何がそんなに気にかかるのか何度も同じ言葉を繰り返すギルドマスターと、とりあえずは様になっている剣構えのバルトロメイとを交互に見るが、やはりどう見ても普通の少年が普通の剣を握っているようにしか見えない。
「……そこまで」
ギルドマスターがようやく絞り出した声は微かに震えていた。
土魔法で練り上げたゴーレム2体で運び込んだ大岩3つが、鏡のような綺麗な断面を晒して大きめの建築材になり果てている。
生きているエピルスに対しては無力だったが、バルトロメイと聖剣のペアは岩を易々と切り裂いてみせた。
あれは神業としか思えない。
そう口々に言っていたと調査に向かったギルド職員や冒険者たちから受けた報告が虚偽ではなかったと確認できたのは良かったが、それでもやはり目の前に転がる『現実』を受け入れることを脳みそが拒否をする。
受付嬢から受け取ったバルトロメイの基本的な身体能力と魔法系能力に関する書類を何度も読み返したが、やはり目の前にあるような技を繰り出せるとは思えない。
本人に魔力がないのだとすれば、やはりあの聖剣が自ら魔力や魔法式を発揮して岩を石材に変えてしまったとしか思えないが、それにしては使い手の意識が剣に乗っ取られていないのが不思議である。
もっともそんな兆候が目に見えたとしたら、聖剣や勇者認定はおろか、魔剣として取り上げ封印せねばならないがまるで肉や野菜を切るかの如く、バルトロメイはすいすいと岩を解体していった。
こうしてめったに発現することのない特定の職業名がない『勇者見習い』が誕生したのである。
『聖剣』と『魔剣』の違いは何かといえば、人間として格が上がるか、悪影響を及ぼすかという違いに過ぎないが、あのように持ち主が意図しないのに攻撃的魔法式を展開する剣が存在するなど初耳である。
だがバルトロメイがグッと握ると不安定に発せられていた魔力は霧のように消え失せ、冷気とはまた違う冷たい空気がふわりと薄衣のように拙い主を包んだ。
「……アレはちょっと見ではわからんな」
「何がですか?」
「あ…いや……」
石に関してはエキスパートであるが、属性魔力がない受付嬢がキョトンとギルドマスターを振り返った。
冒険者ギルドではしばしば冒険者たちのランクアップ試験や経験値確認のために魔力検査を行う必要があるため、彼女のように魔力の適性がないか、魔力を封じ込めるアクセサリーを身に着けて業務に当たる。
そのせいかバルトロメイの外側に微かな痕跡としかわからない防御膜を感知できなかった。
しかし今その過程をたまたま目撃したからこそエピルスにもわかったが、あの状態が常なのか、剣を手にした時だけに発生するのかまではわからない。
「……しかしやはり『聖剣』を手にできるというだけでも、あいつは『勇者』候補だな」
「本当ですね!魔力がほとんどない勇者なんて前代未聞ですけど……」
「ふーん…魔力がほとんどない……魔力がほとんどない?」
「はい」
「魔力がほとんどない?!」
「えっ、ええ…今、そう言いましたけど……はい?」
「魔力がほとんどない………」
一体何がそんなに気にかかるのか何度も同じ言葉を繰り返すギルドマスターと、とりあえずは様になっている剣構えのバルトロメイとを交互に見るが、やはりどう見ても普通の少年が普通の剣を握っているようにしか見えない。
「……そこまで」
ギルドマスターがようやく絞り出した声は微かに震えていた。
土魔法で練り上げたゴーレム2体で運び込んだ大岩3つが、鏡のような綺麗な断面を晒して大きめの建築材になり果てている。
生きているエピルスに対しては無力だったが、バルトロメイと聖剣のペアは岩を易々と切り裂いてみせた。
あれは神業としか思えない。
そう口々に言っていたと調査に向かったギルド職員や冒険者たちから受けた報告が虚偽ではなかったと確認できたのは良かったが、それでもやはり目の前に転がる『現実』を受け入れることを脳みそが拒否をする。
受付嬢から受け取ったバルトロメイの基本的な身体能力と魔法系能力に関する書類を何度も読み返したが、やはり目の前にあるような技を繰り出せるとは思えない。
本人に魔力がないのだとすれば、やはりあの聖剣が自ら魔力や魔法式を発揮して岩を石材に変えてしまったとしか思えないが、それにしては使い手の意識が剣に乗っ取られていないのが不思議である。
もっともそんな兆候が目に見えたとしたら、聖剣や勇者認定はおろか、魔剣として取り上げ封印せねばならないがまるで肉や野菜を切るかの如く、バルトロメイはすいすいと岩を解体していった。
こうしてめったに発現することのない特定の職業名がない『勇者見習い』が誕生したのである。
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