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教える者。
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「問題は……この石だ」
「石?」
「お父さんが……『家宝だ』と言っていた、この石にどんな……?」
バルトロメイが預かった時も濃い色だったが、ドウシュの胸の中にあった魔石から魔物の力を吸い尽くしたこの石は、今はドロリと黒い光沢を放っている。
「たぶんコイツが掘り出された時にはもっと透明に近い色だったんだと思うが……だからこそただの宝石と間違われて『家宝』なんて伝わったんだろうな。魔石ってぇのはこうやって武器や防具に組み込むと、元々持っていた性質を発揮できる。こいつは『吸収』ってやつだな。特に魔物の魔素と相性がいいみたいだ」
「まそ……」
「魔素ってぇのは、魔術を発動する時に必要な栄養…みたいなもんか?空気にも土の中にも水ン中でもある。それが過ぎると魔物になっちまう……そしてそれが塊になったのが魔石で、それを使えば魔力が無くても魔術が発動して……」
「ハーン様、ハーン様…初心者に講義したい気持ちはわかりますが、今はそういう時ではないですよ」
「おっ?おぉ…そうだったな。まあ、コイツは魔物から魔力を吸い出すのが得意らしい。それであのドウシュっていう奴の身体に巣くっていた蔦魔物の根っこの魔石からぜ~んぶ吸い切って、自分の中に貯め込んでるってわけだ」
「え?そんなことして、どうなるんですか?」
どうやら人に教えるのが好きらしいアギディハーンが調子に乗って語りだすと、一緒に付いてきていた冒険者ギルドの職員が苦笑いをして注意した。
だがそれを無にするかのようにバルトロメイが身を乗り出し、キラキラと目を輝かせると、アギディハーンは水を得たようにパンッと手を打ち鳴らす。
「良い奴だ!おいっ!こういう向上心のある奴が最近は少ねえんだ!ちっとはお前も教えを請えよ!」
「嫌ですよ。もう何年あなたの下にいると思っているんですか?新人が登録するたびに講釈するギルドマスターがうるさいって、うちのギルドで登録する人たち減ってるんだって、この間も言いましたよね?」
はぁ~…とギルド職員が溜息をついたが、反応の良い新人冒険者が嬉しいらしいアギディハーンはますます調子づいた。
「石?」
「お父さんが……『家宝だ』と言っていた、この石にどんな……?」
バルトロメイが預かった時も濃い色だったが、ドウシュの胸の中にあった魔石から魔物の力を吸い尽くしたこの石は、今はドロリと黒い光沢を放っている。
「たぶんコイツが掘り出された時にはもっと透明に近い色だったんだと思うが……だからこそただの宝石と間違われて『家宝』なんて伝わったんだろうな。魔石ってぇのはこうやって武器や防具に組み込むと、元々持っていた性質を発揮できる。こいつは『吸収』ってやつだな。特に魔物の魔素と相性がいいみたいだ」
「まそ……」
「魔素ってぇのは、魔術を発動する時に必要な栄養…みたいなもんか?空気にも土の中にも水ン中でもある。それが過ぎると魔物になっちまう……そしてそれが塊になったのが魔石で、それを使えば魔力が無くても魔術が発動して……」
「ハーン様、ハーン様…初心者に講義したい気持ちはわかりますが、今はそういう時ではないですよ」
「おっ?おぉ…そうだったな。まあ、コイツは魔物から魔力を吸い出すのが得意らしい。それであのドウシュっていう奴の身体に巣くっていた蔦魔物の根っこの魔石からぜ~んぶ吸い切って、自分の中に貯め込んでるってわけだ」
「え?そんなことして、どうなるんですか?」
どうやら人に教えるのが好きらしいアギディハーンが調子に乗って語りだすと、一緒に付いてきていた冒険者ギルドの職員が苦笑いをして注意した。
だがそれを無にするかのようにバルトロメイが身を乗り出し、キラキラと目を輝かせると、アギディハーンは水を得たようにパンッと手を打ち鳴らす。
「良い奴だ!おいっ!こういう向上心のある奴が最近は少ねえんだ!ちっとはお前も教えを請えよ!」
「嫌ですよ。もう何年あなたの下にいると思っているんですか?新人が登録するたびに講釈するギルドマスターがうるさいって、うちのギルドで登録する人たち減ってるんだって、この間も言いましたよね?」
はぁ~…とギルド職員が溜息をついたが、反応の良い新人冒険者が嬉しいらしいアギディハーンはますます調子づいた。
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