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案内される者。
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こうしてロダーは『自由の身』になった。
「いやぁ~!マジで助かったぜ。もうそろそろ手持ちがヤバかったからな。これでようやく飯を食える!」
「え……」
バルトロメイはロダーのセリフにポカンとする。
確かに思ったより遅い時間になってしまったが、冒険者ギルドに来る前に、家で昨日食べた晩ご飯の残りを温めてふたりで分け合ったのだ。
腹は空いたとしてもそんなに時間が空いているわけではない。
「あらあら……そうね、もうそろそろ食堂も開いているでしょ。ギルマス権限で、何でも美味しいもの出してもらいなさいな」
「おいおい……」
勝手にフラーニァが許可を出したが、バンドーラは眉を顰める。
「いいじゃないのぉ、あ・な・た。あの娘たちは現在うちのギルド預りなんだし。お詫びがてら、ロダーさんとバルトロメイさんに今日のスペシャルでも出しておあげなさい?」
「クッ……た、確かにな……」
何故かバンドーラは言いくるめられるとロダーとバルトロメイの方を伺うように見て、わずかに頭を下げた。
「聞いてたとおりだ。俺の権限で許可を出すので、特別室で飯を食ってってくれ。フラーニァが案内する」
「え?ああ?いや、ご馳走になります…?」
「え?いいの?」
「いいんじゃね?」
「そうよ、いいの」
バルトロメイはロダーと顔を見合わせてから、不思議そうな表情で彼に続いて礼を言うが、それを受けたのはギルドマスターではなくフラーニァで、「うふっ」と笑ってから立ち上がる。
「いらっしゃい。カウンターから行くと目立ちすぎるから、職員専用廊下から行きましょ」
そう言ってバルトロメイたちが案内されて入った扉とは別の扉を開けて手招きした。
『特別室』は『特別』だった。
凄かった。
豪華だった。
同じ建物内かと目を疑うほどの、素晴らしいものだった。
「……何だよ……これぇ……」
ロダーが目をまん丸にして室内を見渡す。
バルトロメイは『なんだかすごいな』としか感想を持たず、気後れすることなく勧められるままに椅子に座った。
「……怖いもの知らずだな、お前は」
「怖いんですか?ここ」
「いや、怖いとかなんか……調子狂うな!もう!」
いつもの軽薄さをやや取り戻しつつ、ロダーも席に着いた。
それから冒険者ギルドにつきものの食堂にありがちな、ペラペラな『今日のメニュー』という手書きで所狭しと書かれた紙ではなく、立派に装丁された本のようなものを手渡される。
「え~…えぇとぉ……」
「本来でしたら、こちらのコースのいずれかをお選びいただくのですが、ピエシ子爵夫人より最高のコースをお出しするようにと申しつかっております。まず前菜ですが……」
そう言いながら立派なお仕着せを着た初老のウェイターが軽くお辞儀をし、流れるように説明していく。
しかし聞き手が人間社会全般を知らないバルトロメイと、緊張しまくりのロダーでは理解が追いつかなかった。
だいたい『ピエシ子爵夫人』て誰だ?!
バルトロメイは首を傾げながらニコニコと聞いているだけだったが、ロダーは声に出せない疑問でいっぱいいっぱいだった。
「いやぁ~!マジで助かったぜ。もうそろそろ手持ちがヤバかったからな。これでようやく飯を食える!」
「え……」
バルトロメイはロダーのセリフにポカンとする。
確かに思ったより遅い時間になってしまったが、冒険者ギルドに来る前に、家で昨日食べた晩ご飯の残りを温めてふたりで分け合ったのだ。
腹は空いたとしてもそんなに時間が空いているわけではない。
「あらあら……そうね、もうそろそろ食堂も開いているでしょ。ギルマス権限で、何でも美味しいもの出してもらいなさいな」
「おいおい……」
勝手にフラーニァが許可を出したが、バンドーラは眉を顰める。
「いいじゃないのぉ、あ・な・た。あの娘たちは現在うちのギルド預りなんだし。お詫びがてら、ロダーさんとバルトロメイさんに今日のスペシャルでも出しておあげなさい?」
「クッ……た、確かにな……」
何故かバンドーラは言いくるめられるとロダーとバルトロメイの方を伺うように見て、わずかに頭を下げた。
「聞いてたとおりだ。俺の権限で許可を出すので、特別室で飯を食ってってくれ。フラーニァが案内する」
「え?ああ?いや、ご馳走になります…?」
「え?いいの?」
「いいんじゃね?」
「そうよ、いいの」
バルトロメイはロダーと顔を見合わせてから、不思議そうな表情で彼に続いて礼を言うが、それを受けたのはギルドマスターではなくフラーニァで、「うふっ」と笑ってから立ち上がる。
「いらっしゃい。カウンターから行くと目立ちすぎるから、職員専用廊下から行きましょ」
そう言ってバルトロメイたちが案内されて入った扉とは別の扉を開けて手招きした。
『特別室』は『特別』だった。
凄かった。
豪華だった。
同じ建物内かと目を疑うほどの、素晴らしいものだった。
「……何だよ……これぇ……」
ロダーが目をまん丸にして室内を見渡す。
バルトロメイは『なんだかすごいな』としか感想を持たず、気後れすることなく勧められるままに椅子に座った。
「……怖いもの知らずだな、お前は」
「怖いんですか?ここ」
「いや、怖いとかなんか……調子狂うな!もう!」
いつもの軽薄さをやや取り戻しつつ、ロダーも席に着いた。
それから冒険者ギルドにつきものの食堂にありがちな、ペラペラな『今日のメニュー』という手書きで所狭しと書かれた紙ではなく、立派に装丁された本のようなものを手渡される。
「え~…えぇとぉ……」
「本来でしたら、こちらのコースのいずれかをお選びいただくのですが、ピエシ子爵夫人より最高のコースをお出しするようにと申しつかっております。まず前菜ですが……」
そう言いながら立派なお仕着せを着た初老のウェイターが軽くお辞儀をし、流れるように説明していく。
しかし聞き手が人間社会全般を知らないバルトロメイと、緊張しまくりのロダーでは理解が追いつかなかった。
だいたい『ピエシ子爵夫人』て誰だ?!
バルトロメイは首を傾げながらニコニコと聞いているだけだったが、ロダーは声に出せない疑問でいっぱいいっぱいだった。
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