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盗む者。
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シン…と辺りは静まり返っている。
エコールはぐっすり寝込んでいるレンザからコップを取り戻し、残った酒を男たちの口に少しずつ注いで回った。
「オエッ。それって、ソイツが口付けたやつでしょ?」
「いいじゃない。仲良くって」
エコールはニヤッと笑って、背後から抱きつく相棒のミルガの頭を撫でる。
柔らかい髪の毛からなめらかな頬に指を滑らせ、女の子特有の甘い香りに笑みが深くなった。
「こんな汚い男たちは、お互いに乳繰り合ってればいいのよ。さっさと荷物いただいてしまいましょ」
「そうね。あー気持ち悪かった!」
「ほんとよねぇ。どうしてアタシたちが手に入ると思ったのかしら?」
「もぉ~!エコールったら、変態な男たちの視線に晒されてー。アタシが消毒してあげたいー」
「ウフフ…もうしてもらってるわ」
豊満で背の高いエコールとスレンダーな肢体でやや小柄のミルガはイチャイチャとしながらも、そこいらで寝そべる男たちの間を器用に移動しながら、魔物除けの焚火の明かりを頼りに物色を続けた。
「……ッチ。シケてるわね~」
「ほんとー。ここまでけっこう移動してきたはずなのに、ロクなモノもってないじゃん!」
「お金も……はぁ……これっぽっち。確かに、あんなトロトロ移動してたら、そりゃ路銀もなくなるわね」
ミルガが可愛らしい顔に似合わず口汚く吐き捨て、エコールも同意する。
チンタラ人助けをしている男たちを見て初心者冒険者かと思ったら、SクラスAクラスレベルのリーダーとサブリーダー格の冒険者が率いる団体様だったのだ。
これならいずれ大物や群れの魔獣を狩ってくれるのかと思いきや──いつまでたってもゆっくりのんびり、しかも街道を外れることなどほとんどなく進んでいく有様。
それもこれも全部、気の抜けたバルトロメイとかいう坊やのせいだ。
どこだかわからないが見知った場所に行くまで、などというとんでもなくあやふやな護衛仕事だと口の軽いドビルが話してくれたが、この旅の間の経費はリーダーだというオジサン冒険者のサイラー持ちで、報酬は坊やの目的地が見つかった後に支払われると言っていた。
そんな期間も目的地もわからないのなら、どこかのダンジョンにでも立ち寄って魔物を斃してお宝や魔石でも手に入れればいいと思うのに、どうやら旅程が楽すぎて皆その意思がないらしい。
「男なんて御免だけど、ここまで腑抜けなのはもっとないわー」
「ふふっ…ミルガったら。あ、そうだ。あの坊やの荷馬車はもらっていきましょ」
「そうね!あの仔馬たち、とっても大人しいもんねぇ。何故だかアタシたちを乗せてくれないけど……」
エコールが目をつけたバルトロメイの荷馬車だが、男だらけの馬車よりもそちらに乗せてほしいとサイラーに言ったのだが、乗った途端に軽々と荷馬車を引っ張っていた馬たち──エンとヤシャは頑として動かなかったため、諦めてむさくるしい男たちの間に座るしかなかったのだ。
それもこれも御していたバルトロメイが、馬たちが動かないようにと何かしたに違いない。
だからあの坊やさえ排除すれば、馬も荷馬車も簡単に手に入る。
あの子の唯一の取り柄は、他の冒険者たちのような肉欲に染まった視線を二人に向けなかったことだけだった。
エコールはぐっすり寝込んでいるレンザからコップを取り戻し、残った酒を男たちの口に少しずつ注いで回った。
「オエッ。それって、ソイツが口付けたやつでしょ?」
「いいじゃない。仲良くって」
エコールはニヤッと笑って、背後から抱きつく相棒のミルガの頭を撫でる。
柔らかい髪の毛からなめらかな頬に指を滑らせ、女の子特有の甘い香りに笑みが深くなった。
「こんな汚い男たちは、お互いに乳繰り合ってればいいのよ。さっさと荷物いただいてしまいましょ」
「そうね。あー気持ち悪かった!」
「ほんとよねぇ。どうしてアタシたちが手に入ると思ったのかしら?」
「もぉ~!エコールったら、変態な男たちの視線に晒されてー。アタシが消毒してあげたいー」
「ウフフ…もうしてもらってるわ」
豊満で背の高いエコールとスレンダーな肢体でやや小柄のミルガはイチャイチャとしながらも、そこいらで寝そべる男たちの間を器用に移動しながら、魔物除けの焚火の明かりを頼りに物色を続けた。
「……ッチ。シケてるわね~」
「ほんとー。ここまでけっこう移動してきたはずなのに、ロクなモノもってないじゃん!」
「お金も……はぁ……これっぽっち。確かに、あんなトロトロ移動してたら、そりゃ路銀もなくなるわね」
ミルガが可愛らしい顔に似合わず口汚く吐き捨て、エコールも同意する。
チンタラ人助けをしている男たちを見て初心者冒険者かと思ったら、SクラスAクラスレベルのリーダーとサブリーダー格の冒険者が率いる団体様だったのだ。
これならいずれ大物や群れの魔獣を狩ってくれるのかと思いきや──いつまでたってもゆっくりのんびり、しかも街道を外れることなどほとんどなく進んでいく有様。
それもこれも全部、気の抜けたバルトロメイとかいう坊やのせいだ。
どこだかわからないが見知った場所に行くまで、などというとんでもなくあやふやな護衛仕事だと口の軽いドビルが話してくれたが、この旅の間の経費はリーダーだというオジサン冒険者のサイラー持ちで、報酬は坊やの目的地が見つかった後に支払われると言っていた。
そんな期間も目的地もわからないのなら、どこかのダンジョンにでも立ち寄って魔物を斃してお宝や魔石でも手に入れればいいと思うのに、どうやら旅程が楽すぎて皆その意思がないらしい。
「男なんて御免だけど、ここまで腑抜けなのはもっとないわー」
「ふふっ…ミルガったら。あ、そうだ。あの坊やの荷馬車はもらっていきましょ」
「そうね!あの仔馬たち、とっても大人しいもんねぇ。何故だかアタシたちを乗せてくれないけど……」
エコールが目をつけたバルトロメイの荷馬車だが、男だらけの馬車よりもそちらに乗せてほしいとサイラーに言ったのだが、乗った途端に軽々と荷馬車を引っ張っていた馬たち──エンとヤシャは頑として動かなかったため、諦めてむさくるしい男たちの間に座るしかなかったのだ。
それもこれも御していたバルトロメイが、馬たちが動かないようにと何かしたに違いない。
だからあの坊やさえ排除すれば、馬も荷馬車も簡単に手に入る。
あの子の唯一の取り柄は、他の冒険者たちのような肉欲に染まった視線を二人に向けなかったことだけだった。
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