文は揺蕩う

四季の二乗

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 底炎(ていえん)祭まで、一か月をきりました。
 例年多くの参加者で賑わうこの祭りですが、皆様のご愛好も相まって毎年ますます活気に満ちるばかりです。
 さて、底炎祭は古くは江戸の中期から続く由緒正しい祭事です。
 我が町の中でも、伝統的で尊い祭りの一つであります。
 人の思いを、我々は古くから湖の底へ沈めていきました。それは独白であったり。感謝であったり。懺悔であったり。その数は、人が思いを流した数程多岐にわたります。
 私達は、抱えきれなかった実に多くの思いとわだかまりを沈めていきました。

 本日より、第十八代目”灯”による”文船”の制作受付が開始されます。
 毎年数十を超える火を灯した船が、飯田川より湖へと下ります。月明りと小さな灯だけが映える幻想的な光景は、息をのむ事間違いなしです。
 祭事には、この祭りの源流となる飯田神社周辺で様々な露店が出回ります。 
 文舟を事前予約されたお客様は、飯田神社に奉納されておりますので、お手数ですがそちらの方までお越しください。
 
 __文は、貴方を離れ。
 揺蕩いながら、思いを沈めるでしょう。








 宛先は底まで。

 
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