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28 朝食の二幕
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この国の12歳以上の子供は晩餐にも参加できる。
6歳以下の子は基本的に子供部屋だけで生活し、食事も子供部屋で取る。
7歳以上の子は、未熟な時代を過ぎ大人と大体同じ扱いをされ始めるが、成人ともまた違うため、客を招待する食事である晩餐には出られないが、基本的に客がいない場合、朝食は成人との食事の仕方も学ぶため、家族と共にしだすのである。
成人になれば、食事をとるのはダイニングでのみの食事であり、寝室で食事というのはベッドを離れられないような病人だけである。
基本的に子供は未熟な大人扱いであり、宮廷での道化師と同じカラフルな色柄の衣服を着せられるのは、理性の無い物の象徴だ。
衣服に置いて色や柄は重要な意味を持つ。縞模様や左右非対称、水玉などは理性のなさの象徴であり、色にも様々な象徴がある。群青~青は清純、緑は自然の驚異で春の祭り1日しか身に着けず、自然の妖精が身に着けるもの、紫は高貴である。
ゆえにそのような理性のない未熟な者は理性のある大人の監督を受けねばならず、逆らえば罰を受けるのがこの国だけでなくこの国と同じ一神教を奉じる国々においては、常識である。
つまり子の事情など一切考えず高圧な監督官である大人たちからによる、このささくれた雰囲気の食卓は居づらかろうと、マリアンヌは子供達の食事をさっさと終わらせるように促し、早めに退出させた。
その後、内心うんざりしながらもそつなく義母と義祖母への対応を続けたマリアンヌ。
そこに、召使が食後のハーブティーに蜂蜜の小ツボを添えてテーブルにやってきた。
現在の女主人はマリアンヌである。食事の主菜~まあ肉が基本~を取り分けるのは主人、ポットから茶器に茶を注ぎ分けたりするのはその家の女主人がするものなのである。マリアンヌはホステスの役割として、義母と義祖母に茶をサーブした。
「さあ、お義母様方、食後のお茶をどうぞ。蜂蜜も垂らすとおいしゅうございますよ」
「ありがとう、いただくわ、この蜂蜜は美味しいわね!あまり濁っていないのね!ああそう、特産のおかげでこの領は潤っているんですって?少し年金が心もとなくてねぇ」
「まあ、注いだばかりでは熱すぎるわね。私はもっと冷めてからもらいましょう。蜂蜜は確かに透き通ってるけれど、濁って結晶のあるものの方が濃厚な気がしますね」
義母は食べ物には口煩くないのだが、なにかと金せびりに結び付ける。
義祖母は食事のあれこれになにか必ず文句を付け加える。
普段なら特に悪気もなく、そういうものなのだと流すが、イラっとしてしまった。
(私の子供達が漏らす言葉よりも駄々洩れの内心を喋りまくってるくせに、自分達はどんなにお荷物になってるか自覚がないんでしょうね。)
二人は蜂蜜を直接舐めたりして味の感想を言っているが、これは特別不作法というわけでもない。指でなく匙で舐めている分、大分上品な振る舞いである。
近頃は指でつまんで食事するより、カトラリー類を使う方が上品であるとされているのだから。
その様子を見ながら話すタイミングを見計らって声を出した。
「お母様方、本日は弔問の方々のお相手をお願いしたいのです。」
「あら、女主人が居るのになぜかしら?」
「そうですよ、あなたが対応するべきでは?」
「それもそうなのですが、特別に対応しなければいけないお客が来る予定があるのです。」
「弔問客の中でも、ですか?」
「はい、夫が特に世話になっていたお相手方ですので、どうにも手が離せなくなりそうで。どうぞお願いしたします。」
「なるほど、わかりました」
「仕方ないですわね、そうそう、屋敷のカーテンが古くなっててね」
「そちらは寸法を取らせにそのうち伺わせますわ」
「そう、お願いね」
(そのうち、ですけどね)
心の内で舌を突き出し、必要な事を依頼するとなるべく早く席を立ち、これから来る客を迎える心づもりをする。
債権者らが屋敷にやってくるのである。
****
長く投稿してなかったのに舞台設定説明のみで、すみません。
上記は時代も場所もつぎはぎなので雑学とはいいがたいですね。
けど、大体ヨーロッパの習俗です。時代やら国やらの習俗はごちゃまぜです。
6歳以下の子は基本的に子供部屋だけで生活し、食事も子供部屋で取る。
7歳以上の子は、未熟な時代を過ぎ大人と大体同じ扱いをされ始めるが、成人ともまた違うため、客を招待する食事である晩餐には出られないが、基本的に客がいない場合、朝食は成人との食事の仕方も学ぶため、家族と共にしだすのである。
成人になれば、食事をとるのはダイニングでのみの食事であり、寝室で食事というのはベッドを離れられないような病人だけである。
基本的に子供は未熟な大人扱いであり、宮廷での道化師と同じカラフルな色柄の衣服を着せられるのは、理性の無い物の象徴だ。
衣服に置いて色や柄は重要な意味を持つ。縞模様や左右非対称、水玉などは理性のなさの象徴であり、色にも様々な象徴がある。群青~青は清純、緑は自然の驚異で春の祭り1日しか身に着けず、自然の妖精が身に着けるもの、紫は高貴である。
ゆえにそのような理性のない未熟な者は理性のある大人の監督を受けねばならず、逆らえば罰を受けるのがこの国だけでなくこの国と同じ一神教を奉じる国々においては、常識である。
つまり子の事情など一切考えず高圧な監督官である大人たちからによる、このささくれた雰囲気の食卓は居づらかろうと、マリアンヌは子供達の食事をさっさと終わらせるように促し、早めに退出させた。
その後、内心うんざりしながらもそつなく義母と義祖母への対応を続けたマリアンヌ。
そこに、召使が食後のハーブティーに蜂蜜の小ツボを添えてテーブルにやってきた。
現在の女主人はマリアンヌである。食事の主菜~まあ肉が基本~を取り分けるのは主人、ポットから茶器に茶を注ぎ分けたりするのはその家の女主人がするものなのである。マリアンヌはホステスの役割として、義母と義祖母に茶をサーブした。
「さあ、お義母様方、食後のお茶をどうぞ。蜂蜜も垂らすとおいしゅうございますよ」
「ありがとう、いただくわ、この蜂蜜は美味しいわね!あまり濁っていないのね!ああそう、特産のおかげでこの領は潤っているんですって?少し年金が心もとなくてねぇ」
「まあ、注いだばかりでは熱すぎるわね。私はもっと冷めてからもらいましょう。蜂蜜は確かに透き通ってるけれど、濁って結晶のあるものの方が濃厚な気がしますね」
義母は食べ物には口煩くないのだが、なにかと金せびりに結び付ける。
義祖母は食事のあれこれになにか必ず文句を付け加える。
普段なら特に悪気もなく、そういうものなのだと流すが、イラっとしてしまった。
(私の子供達が漏らす言葉よりも駄々洩れの内心を喋りまくってるくせに、自分達はどんなにお荷物になってるか自覚がないんでしょうね。)
二人は蜂蜜を直接舐めたりして味の感想を言っているが、これは特別不作法というわけでもない。指でなく匙で舐めている分、大分上品な振る舞いである。
近頃は指でつまんで食事するより、カトラリー類を使う方が上品であるとされているのだから。
その様子を見ながら話すタイミングを見計らって声を出した。
「お母様方、本日は弔問の方々のお相手をお願いしたいのです。」
「あら、女主人が居るのになぜかしら?」
「そうですよ、あなたが対応するべきでは?」
「それもそうなのですが、特別に対応しなければいけないお客が来る予定があるのです。」
「弔問客の中でも、ですか?」
「はい、夫が特に世話になっていたお相手方ですので、どうにも手が離せなくなりそうで。どうぞお願いしたします。」
「なるほど、わかりました」
「仕方ないですわね、そうそう、屋敷のカーテンが古くなっててね」
「そちらは寸法を取らせにそのうち伺わせますわ」
「そう、お願いね」
(そのうち、ですけどね)
心の内で舌を突き出し、必要な事を依頼するとなるべく早く席を立ち、これから来る客を迎える心づもりをする。
債権者らが屋敷にやってくるのである。
****
長く投稿してなかったのに舞台設定説明のみで、すみません。
上記は時代も場所もつぎはぎなので雑学とはいいがたいですね。
けど、大体ヨーロッパの習俗です。時代やら国やらの習俗はごちゃまぜです。
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