平成30年北海道胆振東部地震実況・電気がない!食べ物がない!

沢麻

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 午後は検索しすぎて充電がなくなってきたので車にエンジンをかけ、私のスマホ、旦那のスマホ、アイコス、プルームテックを順番に充電しながらラジオを聞いた。なんだよ、ラジオのほうが情報が豊富ではないか。室内にないから気づかなかった。最近すごく寒かったのに、今日はすごくいい天気だ。本当なら長男は学校が終わって公文を済ませたら友達と公園で楽しく駆け回っていただろう。長女や次女は運動会の練習を、外でたくさん出来ただろうに。いや、地震がきてしまったものは仕方ない。考えまい、考えまい。エンジンをかけっぱなしで室内へ戻った。
 とりあえず札幌全域断水の噂はデマだとわかったが、余震がきて水道が駄目になるかもしれないのでためた水はそのままにしよう。次男がだっこされたまま昼寝したので私は身動きが取れなくなり、ソファーに座り込んでまた自ら進んで色々不安になった。上三人は暇で暇でストレスがたまってきていたので、旦那に公園に行ってもらった。そして、薄暗くなってきた。
 ところで私は毎日シャワーに入らないと、みたいな融通がきかない性格で、こんな水しか出ない日すらそう思っていた。万が一水さえ出なくなったら髪や体を洗える日はいつになるかもわからない。
 「暖かいうちにみんな髪の毛洗おう!」
 私は公園から帰宅し汗ばんだ子供達を洗面台に連れていき、順次髪の毛を洗った。ギャー冷たい! だのなんだの叫んでいたが、なんだかんだで奴らは楽しそうにしていた。一番長髪の長女の髪の毛も無事クリア。
 「体はお湯を鍋で沸かしてあげるから、それで拭こうね」
 そうだ、それがいい。
 しかし、停電が恐ろしいのはこれからだった。
 旦那が物置の整理でものすごく小さなライトと、手巻き充電式ライトを見つけてきた。あとはさっきアルミ缶で作成していたランタンと、アロマキャンドル用の蝋燭。明かりはこれしかない。夕飯は鳥ももを塩コショウで焼いたものと、レタス。庭のトマトが二つだけあり、それは長男と次女に。冷蔵庫に茹でたブロッコリーが少しあり、それは長女、次女、次男に分けた。もう夕食時の食卓はお誕生日ケーキの蝋燭を消す直前よりも暗く、外の方がまだ明るかったのでカーテンを開けていた。キャンプとかが趣味の家庭だったらそーゆーの所持しているから強いんだろうな、とか、防災のことを考えて懐中電灯買っておけばよかったとか、色々頭を巡る。
 またスマホを見ると、同じ区内で電気が復旧したところがあるとのこと。やった! 一週間と思っていたから、目の前が明るくなった。しかしすぐに「なんであそこだけ」と嫉妬心が生まれて嫌になった。
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