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三十話 こんな私でも。
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私は全てを打ち明けることにした。
私を心の底から想ってくれるルルくんに。
裏切られたと思われることも、覚悟だった。
不気味だとか狂人とか、あの偽物のフィンを同じだと思われることもあるだろう。
でも、彼の前だからこそ、誠実でいたい。
「フィンって人が言ってた、ドロデスって人の名前、わかる?」
「いいえ。知りません」
いつも通りの顔で彼は言う。
そこに偽りや、嫌悪はない。
私は息を吸い込んだ。
そして遂に誰にも話さなかった真実を告げる。
「あのフィンの言った事、本当なの」
ルルくんは私の言葉を止めなかった。
ただ、私からの言葉を待ってくれている。
「私、こことは違う世界から転生したの。その世界では、この世界と似た世界が小説として有名で、フィンはその物語の主人公だった。『三つ葉』の皆ともちゃんと絆で結ばれて『四つ葉』として、トーカさん達と一緒に」
一瞬、声が詰まった。
唇が乾く。
「……私は、そんな彼らを傷つける、悪役だったの。名前は、ドロデス。フィンの言う通り醜い男で、トーカさん達にひどい事をしようとしていた、最低の人間だった。どうして私が転生したドロデスが女の体で、ドロシーっていう名前になってて、それがこの世界では当り前なのかはわからない。でも、私が知ってる世界ではそうだった」
そこまで言って私は深呼吸をした。
これで自分の伝えたかったことを伝えられたかったのはわからない。もしかしたら理解してないのかもしれない。
それでも私は続けた。
「私も、フィンと同じ。この世界のあるべき姿を壊した存在なの。本当は異物でしかなくて……排除されなきゃいけない」
フィンと出会って思い知らされた。
自分の存在は異常だ。
この世界にとっては異物で、いるべきじゃない。
そうあるべきだと思った。
でも、無理だ。
もうこの世界に対して愛着をもってしまった。
家の人も、領民も、集会所のメンバーも冒険者の人たちも、私にとっては大事な存在だ。
そして、ルルくんも。
孤独の中必死で逃げ延びて、学んで、生きてきた。
私の為に。
そんな彼から離れたくなかった。
私もいつの間にか、ルルくんから離れたくないと思うようになっていたのだ。
「でも……そうしたくないの。ルルくんやみんなとずっと一緒に生きたい。これからも、ずっと」
そこでルルくんは初めて口を開いた。
「それは領主やギルドマスターとしてですか?」
彼が何を聞きたいのか、心で理解出来た。
だから私は答えた。
自分の心、ありのままを。
「違う。一人の女性として、ルルくんと生きたい。あなたと並んで、一緒に」
言葉にして改めて思った。
私はルルくんが好きなんだ。
離れたくないと思うくらいに。
あ、これ、私にとって人生初の告白になるじゃない?
そう自覚すると顔が赤くなる。
ルルくんは、目をいつもより細めて、そっと私に近づいた。
「理解はまだ追いつきませんが、これだけは言えます。ドロシー様、あなたはあの男とは違う。あなたは自分の知恵を皆の為に使った。それによってあなたは慕われ、周囲を助けることで期待に応えてきた。私も、その一人です」
そこまで言うと彼は私の前に跪いた。
まるで、プロポーズかのように。
「もしあなたがいない世界が正しいのであれば、私はそれを絶対に許しません。なんとしてでもそのような運命に抗います。あなたが本来は何者だったかも、関係ありません。ドロシー様が生きてここにいて、私と出会ってくれた。それだけで十分です」
そうして私の手を取る。
そして宝物のように持ったその手の甲に、唇を落とした。
「……ありがと」
ようやくその言葉が絞り出せた、その時だった。
私とルルくんは衛兵に呼ばれた。
現場の状況を説明して欲しいとのことだった。
私は少し気まずそうにしつつ、部屋を出ていった。
私を心の底から想ってくれるルルくんに。
裏切られたと思われることも、覚悟だった。
不気味だとか狂人とか、あの偽物のフィンを同じだと思われることもあるだろう。
でも、彼の前だからこそ、誠実でいたい。
「フィンって人が言ってた、ドロデスって人の名前、わかる?」
「いいえ。知りません」
いつも通りの顔で彼は言う。
そこに偽りや、嫌悪はない。
私は息を吸い込んだ。
そして遂に誰にも話さなかった真実を告げる。
「あのフィンの言った事、本当なの」
ルルくんは私の言葉を止めなかった。
ただ、私からの言葉を待ってくれている。
「私、こことは違う世界から転生したの。その世界では、この世界と似た世界が小説として有名で、フィンはその物語の主人公だった。『三つ葉』の皆ともちゃんと絆で結ばれて『四つ葉』として、トーカさん達と一緒に」
一瞬、声が詰まった。
唇が乾く。
「……私は、そんな彼らを傷つける、悪役だったの。名前は、ドロデス。フィンの言う通り醜い男で、トーカさん達にひどい事をしようとしていた、最低の人間だった。どうして私が転生したドロデスが女の体で、ドロシーっていう名前になってて、それがこの世界では当り前なのかはわからない。でも、私が知ってる世界ではそうだった」
そこまで言って私は深呼吸をした。
これで自分の伝えたかったことを伝えられたかったのはわからない。もしかしたら理解してないのかもしれない。
それでも私は続けた。
「私も、フィンと同じ。この世界のあるべき姿を壊した存在なの。本当は異物でしかなくて……排除されなきゃいけない」
フィンと出会って思い知らされた。
自分の存在は異常だ。
この世界にとっては異物で、いるべきじゃない。
そうあるべきだと思った。
でも、無理だ。
もうこの世界に対して愛着をもってしまった。
家の人も、領民も、集会所のメンバーも冒険者の人たちも、私にとっては大事な存在だ。
そして、ルルくんも。
孤独の中必死で逃げ延びて、学んで、生きてきた。
私の為に。
そんな彼から離れたくなかった。
私もいつの間にか、ルルくんから離れたくないと思うようになっていたのだ。
「でも……そうしたくないの。ルルくんやみんなとずっと一緒に生きたい。これからも、ずっと」
そこでルルくんは初めて口を開いた。
「それは領主やギルドマスターとしてですか?」
彼が何を聞きたいのか、心で理解出来た。
だから私は答えた。
自分の心、ありのままを。
「違う。一人の女性として、ルルくんと生きたい。あなたと並んで、一緒に」
言葉にして改めて思った。
私はルルくんが好きなんだ。
離れたくないと思うくらいに。
あ、これ、私にとって人生初の告白になるじゃない?
そう自覚すると顔が赤くなる。
ルルくんは、目をいつもより細めて、そっと私に近づいた。
「理解はまだ追いつきませんが、これだけは言えます。ドロシー様、あなたはあの男とは違う。あなたは自分の知恵を皆の為に使った。それによってあなたは慕われ、周囲を助けることで期待に応えてきた。私も、その一人です」
そこまで言うと彼は私の前に跪いた。
まるで、プロポーズかのように。
「もしあなたがいない世界が正しいのであれば、私はそれを絶対に許しません。なんとしてでもそのような運命に抗います。あなたが本来は何者だったかも、関係ありません。ドロシー様が生きてここにいて、私と出会ってくれた。それだけで十分です」
そうして私の手を取る。
そして宝物のように持ったその手の甲に、唇を落とした。
「……ありがと」
ようやくその言葉が絞り出せた、その時だった。
私とルルくんは衛兵に呼ばれた。
現場の状況を説明して欲しいとのことだった。
私は少し気まずそうにしつつ、部屋を出ていった。
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