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びおら

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第二章【変わり征く日常編】

第五話『ストーキング・ブルー』

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 最寄りの駅で降り、そこから徒歩7分のところに良助の住むマンションはある。大学のすぐ近くには空き部屋がないため、やむなく電車通学をしている。しかし駅を降りてからの帰り道にスーパーやコンビニがあるのは利点と言えた。だがマンションから一番近いコンビニにチーズケーキを置いていないことだけは非常に遺憾としていた。
 今日も帰りにコンビニに寄って夕食を適当に選び、そういえば今日は、読んでいる漫画雑誌の発売日だと思い出して雑誌コーナーに立つ。すぐ隣に立つのは、先ほどからずっと良助をつけている人物。
「…で、なんだよ? なんでさっきから俺のことつけてんだよ?」
 そう言われたストーカーもとい、セルリアンブルーの鮮やかな髪の、スーツに身を包んだ痩せ型の青年は嘘みたいに狼狽えた。
「え、ちょ、バレてたんスかっ!? オレ、泳がされてたんスかっ!?」
「バレバレだろ。自分がどんだけ目立ってんのか自覚しろよ…」
「ヤバいっすね、名探偵ッスね。流石、白金さんが心の友と認めた男ッスね」
「色々なんなんだよ…。なんだよ、お前んとこの組織はアレか、そうやって一人ずつ俺に顔合わせしていくスタイルなのか? あと何人いんだよ…」
「あとニイサンが会ってないのはひとりだけッスよ。あとそれと、オレは別に白金さんに言われて来たんじゃないッスよ」
「ニイサンってなんなんだよ、お前何歳なんだよ、っていうかじゃあ何しに来たんだよ」
「質問が多いッスねぇ…。年は19ッス。目的は単なる興味ッス。あの小百合嬢が心を開いたヤツがどんなヤツか見てやろうと思いましてネ」
「ギリ年下かよ…いやまて、なんかチラッとサイコを感じたんだが」
「サイコぉ? なにが最高なんスかぁ?」
「なんか怖ぇよおまえ…で、どうすんだよ」
「別にどうもしないッスよ? 見た感じ悪い人でもなさそーだし。大歓迎~って感じッスね、うん」
「なんか…みんなそれぞれやりにくいなぁ…おまえら…」
「オレらでやりにくい~って言ってたら、桃チャンとは初対面で殴り合いの大喧嘩になるじゃないスかねぇ…あぁ心配だなぁ~」
「怖いこと言うなよ…。遅かれ早かれソイツとも会うことになりそうなんだから…」
「今から楽しみッスね」
「だから怖ぇんだって」
「あ、そろそろ店行く時間なんで。んじゃ、まぁ、今日はこんくらいで。また仕事でご一緒するかもなんで、そん時はよろでーす」
 それだけ言って青髪の青年は飄々とした足取りでコンビニを出ていった。
「店ってなんなんだよ…。っていうか…あいつ…自分の名前や能力の事は、一言も言わなかったな…やっぱ怖いわ」
 良助は身震いをしながら手前の雑誌を一冊手に取って、レジに向かった。

 コンビニから少し離れたところの建物の陰から、青髪の青年がコンビニから出てくる良助をじっと眺めていた。その傍らには、地味目な灰色のパーカーを着てフードを目深に被った小柄なピンク色の髪の少女が座り込んでいた。
「どうしてワタシのこと危険人物みたいに言うのよ、もう」
「いやぁ、悪い悪い。別にマウント取ってみたとかそういうわけじゃないんだけどね~」
「どうだか、さゆりが初対面で自分出して喋ったっていうのが気に入らないんでしょ?」
「さぁねぇ~。でもまぁ、それは置いといて。彼がどんな能力を持ってるのか、オレはそれがやっぱ気になる訳で。もちっと調べさせてもらいますかネ」
「なんかワタシたち、悪者みたいじゃない? コソコソとさぁ」
「だってさ、ホントは能力隠してる可能性あるじゃん? もしそうだったら、それを密かに掴んでやりたいってワケ」
「さゆりやアンナちゃんはそう言うの苦手だもんね、性格良いし」
「それって、オレが性格悪いみたいじゃん…」
「とにかく、ほら、見失っちゃうわよ。ワタシが行くわっ」
 身を乗り出すピンク髪の少女を制した青髪の青年は首を横に振った。
「桃チャンはダメ。警戒されるっしょ?」
「なんでー? ライト君の方が目立つじゃん」
「桃チャンの顔を見たら彼、固まっちゃうでしょ?」
「…え? それってどういう…」
 惚けているピンク髪の少女を置いて、青髪の青年は再び、良助の尾行を開始した。たまたまそこを通りかかった小学生がピンク髪の少女の顔を見て固まっていた。青ざめて。

つづく
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