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春休みと新学期
お母さんとお父さんの過去 26.5話
フウの本当のお母さんとお父さんと、カエデのお父さんとお母さんは、幼い頃からの大親友だった。
仲の良い4人組で、よくダブルデートもした。なんなら結婚式だって同じ月に挙げた。
結婚式ではお互いスピーチもやった。
そして、神のイタズラか、子供も同じ年に産まれた。
また、仕事も、カエデの両親は薬の研究、フウの両親は、ガス等、気体の研究、と、同じ「研究者」だった。
お互い仕事の関係上、家に帰れないことが多く、どちらかの家が空いてた場合は子供を預け合っていた。
本当に、仲が良かった。
しかし…別れは突然だった。
§
子供を迎えに来るはずの約束の日になっても、フウの両親は家に来ない。電話も繋がらない。家も閉まっていて、帰ってきた形跡もない。
そんな時に来た、一本の電話。
「不慮の事故によりガスが漏れ、研究者は皆死んだ」
二人が働いていたチームのチーフからの、直接の連絡だ。
「遺書と遺言がある。…遺言はボイスレコーダーに録音してある。…二つとも、彼女の家へ送っておいた。」
遺書には、ここまで育ててくれた両親への感謝や、子供のこと、私たちへのお別れの言葉が書かれていた。
ちょっとフランクな遺書。きっと、本当に死ぬとは…思っていなかったのだと思う。
ボイスレコーダーは2個入っており、私用と、パパ用で別れていた。ので、お互い別室に行き、ボイスレコーダーを再生することにした。
そして、深呼吸をし、覚悟を決め、遺言、ボイスレコーダーを再生した。
「遺書は書いたけど、感謝とかだけで、これからの事とか書けてなかったし、この部屋に万が一の時のボイスレコーダーがあって良かった。
お願いしたい事が、一つだけあるの。
もう私の両親も、夫の両親も歳で、子育てするには厳しい年齢。だから、私たちの子には二人に、元から二人の子だったように育てて欲しい。双子でも同い年の姉妹でも、何でもいいから……そして、二つ目のお願いになっちゃうけど…名前も…私たちが付けた名前ではなく、新たに二人に付けて欲しい。
…危険なのは分かってて選んだ仕事。だから、今日まで取っておいておいたんだ。
「一生のお願い」私たちの子を…幸せにしてあげて欲しい。そして、それと同じくらい…二人も幸せになってね。
…って、もう幸せか。…そんな幸せな二人に…………私たちのせいで暗い気持ちにさせちゃってごめん。私たちのせいで、人生を大きく変えちゃってごめん。
だから、難しいとは思うけど…本当に、私たちの事は考えず、元から双子、姉妹を産んだ。そんな人生で、そんな感じで…幸せを、掴んで欲しい。
最後に、本当に、色々とごめん。こんな事、言うべきじゃ、伝えるべきじゃなかったと思う。だけど…私の一生のお願い。
絶対に、幸せになってね。天国から、二人が…子供が。幸せになることを祈ってます。」
…っ………最後まで、自分のことでなく私たちのことや、子供のことを心配する所。本当にあの子らしい。
パパと合流し、それでもまだ混乱、絶望、ネガティブな感情や負の感情が私を渦巻いている、そんな所に、また一つ電話が来た。
それは、二人の研究チームのチーフからの連絡だった。
「………彼女らは、最後まで君たちの事を、子供のことを心配していた。そして…君たちへの謝罪の言葉を、最後まで……… 全ては、危険な事に早急に気づけなかった私の責任だ。……だから、……っ…どうか、どうか…彼女らの生きた証を…彼女らの子供を、彼女達に変わって…幸せに…してくれ。」
チーフは、泣きながら、言葉に詰まりながら、慣れない日本語で話してくれた。
§
それから、1週間が経った。
二人が亡くなったという事実を受け入れられたわけでは無い。悲しみも消えたわけではない。…ただ、悲しむ暇もないほど、子供達の事でいっぱいいっぱいだった。
あいにく、子供達はまだ一歳未満。記憶構成もまだこれからだろうということで、二人は双子だという事にした。
そして、新しく付けた名前は…フウ。カエデとの双子だから、モミジにしようかと思ったけど、血は繋がってない。それに、カエデとモミジではほとんど同じ。…だから、フウ。
「母さん、二人の両親から電話があったよ。…葬式を、来週行うらしい。あの子の為にも、僕たちにも来て欲しい、とのこと。」
「死亡が認められたのね………チーフにも連絡しなきゃだね。」
海外の研究所での死亡だったので、死亡が認められずにいたが…ついに、検証が終わり死亡が認められたらしい。
…これで、きちんと。二人とお別れ出来る。
§
「…いいのかい?フウに、両親の事を話さなくて。」
「……いいのよ。…きっと、あの子も…」
それに、二人はまだ高校生。この話は…ちょっと重すぎる。
「話すにしても、大人になってからね。酒が絡まないとやってられないわ。」
「……それもそうだね。」
仲の良い4人組で、よくダブルデートもした。なんなら結婚式だって同じ月に挙げた。
結婚式ではお互いスピーチもやった。
そして、神のイタズラか、子供も同じ年に産まれた。
また、仕事も、カエデの両親は薬の研究、フウの両親は、ガス等、気体の研究、と、同じ「研究者」だった。
お互い仕事の関係上、家に帰れないことが多く、どちらかの家が空いてた場合は子供を預け合っていた。
本当に、仲が良かった。
しかし…別れは突然だった。
§
子供を迎えに来るはずの約束の日になっても、フウの両親は家に来ない。電話も繋がらない。家も閉まっていて、帰ってきた形跡もない。
そんな時に来た、一本の電話。
「不慮の事故によりガスが漏れ、研究者は皆死んだ」
二人が働いていたチームのチーフからの、直接の連絡だ。
「遺書と遺言がある。…遺言はボイスレコーダーに録音してある。…二つとも、彼女の家へ送っておいた。」
遺書には、ここまで育ててくれた両親への感謝や、子供のこと、私たちへのお別れの言葉が書かれていた。
ちょっとフランクな遺書。きっと、本当に死ぬとは…思っていなかったのだと思う。
ボイスレコーダーは2個入っており、私用と、パパ用で別れていた。ので、お互い別室に行き、ボイスレコーダーを再生することにした。
そして、深呼吸をし、覚悟を決め、遺言、ボイスレコーダーを再生した。
「遺書は書いたけど、感謝とかだけで、これからの事とか書けてなかったし、この部屋に万が一の時のボイスレコーダーがあって良かった。
お願いしたい事が、一つだけあるの。
もう私の両親も、夫の両親も歳で、子育てするには厳しい年齢。だから、私たちの子には二人に、元から二人の子だったように育てて欲しい。双子でも同い年の姉妹でも、何でもいいから……そして、二つ目のお願いになっちゃうけど…名前も…私たちが付けた名前ではなく、新たに二人に付けて欲しい。
…危険なのは分かってて選んだ仕事。だから、今日まで取っておいておいたんだ。
「一生のお願い」私たちの子を…幸せにしてあげて欲しい。そして、それと同じくらい…二人も幸せになってね。
…って、もう幸せか。…そんな幸せな二人に…………私たちのせいで暗い気持ちにさせちゃってごめん。私たちのせいで、人生を大きく変えちゃってごめん。
だから、難しいとは思うけど…本当に、私たちの事は考えず、元から双子、姉妹を産んだ。そんな人生で、そんな感じで…幸せを、掴んで欲しい。
最後に、本当に、色々とごめん。こんな事、言うべきじゃ、伝えるべきじゃなかったと思う。だけど…私の一生のお願い。
絶対に、幸せになってね。天国から、二人が…子供が。幸せになることを祈ってます。」
…っ………最後まで、自分のことでなく私たちのことや、子供のことを心配する所。本当にあの子らしい。
パパと合流し、それでもまだ混乱、絶望、ネガティブな感情や負の感情が私を渦巻いている、そんな所に、また一つ電話が来た。
それは、二人の研究チームのチーフからの連絡だった。
「………彼女らは、最後まで君たちの事を、子供のことを心配していた。そして…君たちへの謝罪の言葉を、最後まで……… 全ては、危険な事に早急に気づけなかった私の責任だ。……だから、……っ…どうか、どうか…彼女らの生きた証を…彼女らの子供を、彼女達に変わって…幸せに…してくれ。」
チーフは、泣きながら、言葉に詰まりながら、慣れない日本語で話してくれた。
§
それから、1週間が経った。
二人が亡くなったという事実を受け入れられたわけでは無い。悲しみも消えたわけではない。…ただ、悲しむ暇もないほど、子供達の事でいっぱいいっぱいだった。
あいにく、子供達はまだ一歳未満。記憶構成もまだこれからだろうということで、二人は双子だという事にした。
そして、新しく付けた名前は…フウ。カエデとの双子だから、モミジにしようかと思ったけど、血は繋がってない。それに、カエデとモミジではほとんど同じ。…だから、フウ。
「母さん、二人の両親から電話があったよ。…葬式を、来週行うらしい。あの子の為にも、僕たちにも来て欲しい、とのこと。」
「死亡が認められたのね………チーフにも連絡しなきゃだね。」
海外の研究所での死亡だったので、死亡が認められずにいたが…ついに、検証が終わり死亡が認められたらしい。
…これで、きちんと。二人とお別れ出来る。
§
「…いいのかい?フウに、両親の事を話さなくて。」
「……いいのよ。…きっと、あの子も…」
それに、二人はまだ高校生。この話は…ちょっと重すぎる。
「話すにしても、大人になってからね。酒が絡まないとやってられないわ。」
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