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第5章 新しい風と、ひとつのチーム
第四節 しなやかさは、強さの証
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トレーニングルームの天井には、やわらかな午後の光が差し込んでいた。
筋トレ後のストレッチタイム。四人はマットに並んで座っていた。
「よし、今日も全力出し切ったー!」
「でもさ、いつも思うけど、リンってストレッチのとき動きが“別物”だよね……」
さちが、もも裏を伸ばす前屈の姿勢でつぶやくと、横でハルが笑った。
「そうそう。リンだけすごく自然に足がピタッと開くし、体もスーッと前に倒れるし」
ユキも頷きながら言った。
「私たち、水泳で肩の柔軟性はあるけど……開脚とかI字バランスは全然できないよね」
リンは、足をまっすぐ前後に開いて、片足を高く上げたI字バランスの姿勢のまま、にこっと笑った。
「これ、体操ではふつうだよ。でも、大事なのは“ゆっくり”やること。無理しないで、everyday stretch!」
「ねえリン、柔軟ってどうやったら上手になるの?」
「筋トレみたいに“回数”とか“重さ”じゃなくて、“時間”と“意識”が大事!」
そう言いながら、リンは部屋の一角からバランスバーとストレッチポールを取り出した。
「たとえば、こんなの!」
こうして、リンによる“柔軟トレーニング”が始まった。
⸻
リン流・毎日の柔軟メニュー:
• 開脚ストレッチ(左右・前屈 各30秒)
• ブリッジ(肩・背中の柔軟性アップ)
• I字バランスの壁サポート練習(左右交互)
• バレエ式足上げ(腰を開かず内ももを意識)
• ストレッチポールで股関節のリリース
⸻
リンがひとつずつ説明し、見本のフォームを見せるたびに、三人の目が丸くなる。
「うそ……! 体って、こんなに開くの……?」
「脚、まっすぐ頭の横まで上がってる……ほんとに人間?」
「これは……ちょっと感動する……」
しかし――
「さあ、やってみて!」
リンの合図とともに、三人が一斉に開脚を試みた。
その瞬間、部屋には悲鳴のような声が響いた。
「む、無理ぃ……!」
「太ももが引き裂かれるぅ……!」
「これ、“柔軟”っていうより“試練”だよね……!」
リンは、そんな三人の様子にくすっと笑いながら言った。
「でも、みんな体がかたいわけじゃないよ。筋肉が強いから、少しずつやれば絶対できる!」
「ほんと……?」
「ほんと!」
ユキが息を整えながら言った。
「じゃあ……水泳と筋トレだけじゃなく、柔軟も、メニューに入れようよ。今からやれば、中学の部活でも絶対に役立つよ」
「うん。目標、立てよう!」
さちがそう言うと、その日のホワイトボードに新しい欄が追加された。
⸻
《柔軟トレーニング目標》
• 6か月でI字バランス(片脚90度以上)
• 開脚前屈で肘がつく
• ブリッジで両腕をまっすぐ支える
⸻
「よし、これで目指すは“強くてしなやかなチーム”!」
「リンが来てくれて、本当に目が開いた気がする」
「ありがとう、リン!」
リンは少し照れたように笑って、言った。
「わたしもうれしいよ。みんなのなかに入れて。これから、もっともっといっしょにがんばろ!」
四人は、手を合わせて固く結んだ。
⸻
筋肉だけでは届かない強さ――
それは、しなやかさの中に、確かに宿っている。
筋トレ後のストレッチタイム。四人はマットに並んで座っていた。
「よし、今日も全力出し切ったー!」
「でもさ、いつも思うけど、リンってストレッチのとき動きが“別物”だよね……」
さちが、もも裏を伸ばす前屈の姿勢でつぶやくと、横でハルが笑った。
「そうそう。リンだけすごく自然に足がピタッと開くし、体もスーッと前に倒れるし」
ユキも頷きながら言った。
「私たち、水泳で肩の柔軟性はあるけど……開脚とかI字バランスは全然できないよね」
リンは、足をまっすぐ前後に開いて、片足を高く上げたI字バランスの姿勢のまま、にこっと笑った。
「これ、体操ではふつうだよ。でも、大事なのは“ゆっくり”やること。無理しないで、everyday stretch!」
「ねえリン、柔軟ってどうやったら上手になるの?」
「筋トレみたいに“回数”とか“重さ”じゃなくて、“時間”と“意識”が大事!」
そう言いながら、リンは部屋の一角からバランスバーとストレッチポールを取り出した。
「たとえば、こんなの!」
こうして、リンによる“柔軟トレーニング”が始まった。
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リン流・毎日の柔軟メニュー:
• 開脚ストレッチ(左右・前屈 各30秒)
• ブリッジ(肩・背中の柔軟性アップ)
• I字バランスの壁サポート練習(左右交互)
• バレエ式足上げ(腰を開かず内ももを意識)
• ストレッチポールで股関節のリリース
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リンがひとつずつ説明し、見本のフォームを見せるたびに、三人の目が丸くなる。
「うそ……! 体って、こんなに開くの……?」
「脚、まっすぐ頭の横まで上がってる……ほんとに人間?」
「これは……ちょっと感動する……」
しかし――
「さあ、やってみて!」
リンの合図とともに、三人が一斉に開脚を試みた。
その瞬間、部屋には悲鳴のような声が響いた。
「む、無理ぃ……!」
「太ももが引き裂かれるぅ……!」
「これ、“柔軟”っていうより“試練”だよね……!」
リンは、そんな三人の様子にくすっと笑いながら言った。
「でも、みんな体がかたいわけじゃないよ。筋肉が強いから、少しずつやれば絶対できる!」
「ほんと……?」
「ほんと!」
ユキが息を整えながら言った。
「じゃあ……水泳と筋トレだけじゃなく、柔軟も、メニューに入れようよ。今からやれば、中学の部活でも絶対に役立つよ」
「うん。目標、立てよう!」
さちがそう言うと、その日のホワイトボードに新しい欄が追加された。
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《柔軟トレーニング目標》
• 6か月でI字バランス(片脚90度以上)
• 開脚前屈で肘がつく
• ブリッジで両腕をまっすぐ支える
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「よし、これで目指すは“強くてしなやかなチーム”!」
「リンが来てくれて、本当に目が開いた気がする」
「ありがとう、リン!」
リンは少し照れたように笑って、言った。
「わたしもうれしいよ。みんなのなかに入れて。これから、もっともっといっしょにがんばろ!」
四人は、手を合わせて固く結んだ。
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筋肉だけでは届かない強さ――
それは、しなやかさの中に、確かに宿っている。
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