余命の残りを大切な人にくれてやります

きるる

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胸がしくしく、あれはじくじく 3※






がちゃんと扉が閉まる音と、程なくして座っている場所が揺れだしたことにスーランは薄っすらと意識を戻すと、バウデンに抱っこされたままで馬車に乗っていた。


「…あれ。ここは―――ってそーすいだ」
「馬車の中。友人は繰り出すとか言って出てったな」
「…なるほど。捕食しに行ったか」
「…捕食?」
「あの子マジ最強。私と同じで奔放系だけど筋通っているし実はめちゃ純粋な部分もある。人は見かけに寄らない良い例」
「…そうか」


何が奔放なのかはもう先ほどのシュナの話しで理解していたバウデンは何も聞かずにスーランを隣に下ろそうとした。


「ちょっと何で下ろすんですか」
「目が覚めたなら座れるだろう」
「酔ってるからぐらぐら揺れて頭ぶつけちゃいますよ。迎えに来たのなら最後まで責任とって抱っこしてくださいよ、そーすい」


いつも以上にのんびり口調で舌っ足らずな酔っ払いスーランに、バウデンは溜息をつきながらもそのまま抱っこを継続させる。

そんなことお構い無しなスーランは首に手を回し、バウデンの首元に顔を埋め匂いを嗅ぎ始める。


「…、おい」
「んー良い匂い」
「そんな訳あるか。仕事後だぞ」
「そーすいの匂い」
「…もう総帥ではない」


そう言われ、スーランは首元から顔を離して最近冷たく見えないレモン色の瞳を見つめ首を傾げた。


「ばう、でん?」
「っ…」
「ばうでーん」


そして頬を包んでスーランの元に引き寄せてちゅっと口づけをする。


「っ…、スーラン…」
「んん、ちぅ」


何度も軽い口づけをし、ぺろりとバウデンの唇を舐める。


「口を開け給え」
「お前相当酔っているだろう」
「シュナも酒豪でね。酔っぱらいの口づけは酒臭くて駄目ですかね」
「…いや」
「なら口を開け給え」


バウデンの眉が少し下がり彼の口が少しだけ口を開くのを見逃さずに、スーランはちゅるんと自分の舌を入れて中を掻き回す。少しスーランより冷えている彼の口の中がとてつもなく気持ちが良い。

ぴちゃり、くちゅっと音を立てながら、次第にバウデンの舌も動き始め、馬車内には水音と馬車の揺れる音だけが響く。


「んん、…あーばうでんの匂い嗅いで口づけしたら無理だこりゃ」
「…何がだ?」
「こういう時支給されたワンピースにすれば良かったと心底思った。―――ローブは後ろに捲れば問題なしだな」
「…は?」


一人で何かに納得したスーランがのそのそと狭い馬車の中で動き始め、バウデンに跨がって腰を上げ、おもむろに自分の下履きを脱ぎ始めた。


「!スーラン、何―――ん、」


スーランは黙り給えとばかりに口づけで覆い、酔っぱらいとは思えない器用な動きで膝下近くまで下履きと下着をずり下げた。下げた下着は既にぐっしょりと濡れている。

そして漆黒のローブは流石に汚しちゃまずいと前の留め具を外して後ろに流してからバウデンの下履きに手を伸ばした。


「っ、スーランっまさか…」
「ご名答。もうじくじくして漏らしそう」
「ちょ、止め―――、」


止めようとするバウデンの口を塞ぎながら、バウデンの魔術服の上から雄に触れるとしっかりと形を変えて主張していたので、それをんしょんしょと取り出した。

少し尖端も濡れ始めていたバウデンの雄を撫で上げるとすぐにぐいんと上に向く。


「っ…!」
「ばうでんのこれちょうだい」


スーランは耳元で囁きながら口づけに戻り、しとどに濡れた蜜口の入口にバウデンの剛直を充てがった直後、ずぶぶっと一気に腰を下に下ろした。


「んんぅぅぅ…!!」
「っっ!く、はっ…」


口づけをしたまま勢い良くバウデンの剛直がスーランの泥濘に呑み込まれる。馬車の中、酩酊状態、バウデンの荒い吐息が合わさって興奮は最高潮になり凄まじい快感となって一気に噴出したようにスーランの頭と身体を支配する。


「…っ、く、また…解してないだろうが…」
「よゆー。伸縮自在。じくじくして家まで無理。もたない」


スーランはそれだけ言うと、また口づけをしながら腰を上下に動かし始める。

馬車の揺れが継続的に振動を与え、都度腰を震わせスーランはバウデンの口も雄も犯しながら甘い溜息を吐く。


「ばうでんの本当に気持ち良い…これ、私の…」
「っは…お前…、な…」
「腰持って、動かして…ぁ、ぁ、…」


いつの間にか服の中に手を忍ばせ胸に触れていたバウデンが、ゆっくりと腰に手を回し掴んだ直後に強烈な一突きが蜜壺の最奥までのめり込み、スーランは馬車の中なのに嬌声をあげてしまう。


「きゃぅっ…!ぁ、ぁあ…、ん!」
「…スーラン、スーラン…ああ、くそ…こんなことで…」


バウデンが珍しく汚い言葉を溢したと思ったら、スーランの腰を上げ下から激しく何度も突き上げてきた。


「ぁあ!…ん、ふ、ゃ、…っ!」


突如始まった速い律動にスーランはあっという間に快楽に溺れ、身体中から痙攣が蔓延るように全体を震わせて果てた。


「ぁ、ぁ、あ、んー!!…ん、んぅ、はっ…」
「スーラン…はっ…スーラ―――――っっく!」


とどめに下からの強い一撃の後、どくりどくりとスーランの蜜壺の一番奥にバウデンの飛沫が撒き散らされる。

スーランは息が続かずに口を離し、腰が震えて体勢が保てずバウデンの首元に顔をぽてりと倒す。はぁはぁと息を吐いていると、後頭部が大きな手で覆われ優しく撫でられ、頭に熱が落ちてきた。

バウデンのその行為がとても嬉しいなと心が温かくなって。
酒のせいもあるが、スーランはらしくなく目頭が熱くなった。




程なくして、馬車が止まり外からそれはそれは恐縮そうにコツコツとノックが鳴ってから「…公爵邸に着きましたが…」と馬丁の窺う声が聞こえた。

バウデンは果ててそのまま気を失っているスーランを見つめ口元を緩ませながら、「イーガンに大きめのローブを持って来いと言え」と伝える。これでイーガンにはわかるだろう。

主の命令に屋敷へ走っていく馬丁のカイザが「娼館行く時間あるかな…」とぼやいたのは冷えた夜風に流されていった。





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