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バウデン 6
しおりを挟む「お前さ。何の権限があってスーランに物申してる?どんな理由だとしても彼女は現状公爵夫人だよ」
胡散臭い笑みでない、素の悪辣な微笑みを浮かべているリグリアーノがテゼルを問い詰める。
少し遅れて休憩を取ったバウデンはテゼルと共に食堂へ向かうと人はまばらであったが奥の席だけが異様に賑やかだった。
そこにはスーランとキリウの他に珍しくリグリアーノとコーネインも居たのでそこへ向かう。
バウデン達が話している最中に寝てしまったスーランを起こすと、薄化粧をしたスーランがとろりとした表情で口を開ける姿に、あまりに無防備な表情と昨日の口淫のことを思い出してしまい、思わず手を離してしまった。
その後キリウに給餌してもらう姿を見たテゼルが怒鳴った声に耳を塞ぎ、眠そうな表情で去っていったスーラン。
直後リグリアーノがテゼルを攻撃し始めたのだ。
「しかも褒賞とはいえ、バウデン本人が承諾している。なのに何で全く関係無いお前がピーチクパーチク囀る?何様だ?」
「っ、それは――」
「バウデン。お前こそこの無作法者をしっかり教育しろよ」
「なっ…!」
リグリアーノは失笑し、コーネインは一礼してその場から去った。
「…総帥。申し訳ありませんでした」
「褒賞とはいえ、私は納得して承諾している。お前が憂うことではない」
「…!」
それだけ言ってランチを取りに向かった。
*****************************
それから定期的にイーガンからスーランの状況が報告されてくる。
本当に自分では何も出来ず世話をされているが、やれる範囲でよろしくーと言うだけで、屋敷の使用人にあれこれ命令口調も偉ぶる様子も一切なく、終わった後は必ず礼を言うのだという。
しかも恐縮しようものなら「私が言いたいから好きにさせて。これ命令だから」と返すそうだ。
公爵家では特にそうだが、基本屋敷の使用人に都度礼を言うことはない。
それが当然のことでありそれだけの高額な給料を払っている。そして彼らも公爵家に従事するくらい精鋭揃いで当たり前のことだと認識しているからだ。
それでもお礼を言われて嫌な者は殆ど居ない。
貴族だから当たり前であり言うなというのはスーランには通用しないだろう。使用人が調子に乗らない限りそこは好きにすれば良いとバウデンは考えていた。
「キリウ様があれだけ懐いているのがスーラン様が怠惰なだけでは無いある意味証拠となるかと」
イーガンの言う通り、キリウは公爵家嫡男で整った顔立ちをしているのでそれなりに人気もあるようだが、同時に爵位共に下劣な輩からも狙われやすくなる。
バウデンも何度か排除したことがあったが、キリウ自身が学び今では殆どが自分で手を下しているようだ。
それから数日後、バウデンは書類関係が溜まりその日は特に職場に居なければならない仕事がなかった為、早めに戻り屋敷で捌こうと帰って来たのだが。
ボーグが用意した薬草の区画の近くで敷物を敷き昼寝しているスーランを発見した。
主の帰りに気付いたグェンとドリスがバウデンに近づいてきた。
「お帰りなさいませ」
「あれは何だ」
「ふふ。昼過ぎから薬草をご自分で植えられ、陽の暖かさで眠られてしまったようです。少し風が出てきたのでブランケットを」
「…」
曲がりなりにも限定とは言え公爵夫人であるのだが、どう見ても庭師が着る作業着を自分の手足の長さに合わせて捲り、髪は整えられていたが今は関係なく敷物に横たわっていた。
「公爵夫人らしくありません」
「そうだな」
「でもスーラン様らしい」
「…そうだな」
「そろそろ起こしましょうか?」
「…いや、私が起こす」
そう言ってスーランに近づくと、まあそれは気持ち良さそうにすやすやと眠っていた。
いい気なものだなと思いつつも暫くその寝顔を見る。少し口が開いていてもう少しで涎が垂れそうだ。仕方なく起こすと両手を差し出して抱っこしろという。
そんなことを言われたのはキリウが小さい時以来だ。
まさか成人女性に言われると思わなかったバウデンは目を丸くしていると、スーランは固まっているバウデンに興味を失くし、ボーグに運んでもらうとぼやいて二度寝に突入しようとしていた。
不意にボーグに抱えられるスーランを想像し何故か不愉快になり、バウデンはスーランを子供のように抱き上げた。
所謂お姫さま抱っこではない子供抱っこなのだが、スーランは気にすることもなく無邪気に首に手を回していて肩に頭を凭れてきた。
何だかそれがスーランが言っていた猫のようで。
寝てばかりのふてぶてしい猫が気紛れにくっついて甘えるような自由気ままなスーラン。
バウデンは思わず口元が僅かに緩んだ。
だがしかし。
スーランはスーランであった。
今思えば公爵夫人としてあれこれと今考えれば有り得ない言葉を並べバウデンの部屋に入ったスーランは、バウデンを寝台に突き飛ばし魔力関係なくただヤりたくなったと跨りながら堂々と宣ってきたのだ。
その時のスーランの顔はにっこりとそれはもう嬉しそうで、バウデンはそんな表情とできるのかと驚く。
感情が希薄だと言われる彼女の初めて見る姿に何故か胸がどくりと高鳴る。
湯にも浴びていないバウデンの雄を咥えるつもりだったスーランをひっくり返し初めての口づけをすると、スーランの口腔内が凄まじく気持ち良くてバウデンは激しく掻き回し小さな舌を絡め唾液を啜った。
こんなに口づけは心地良いものなのかと夢中になっていると、緩慢な動きが通常のスーランが素早く動きバウデンの滾った雄を取り出して今回もほぼ前戯なく、彼女の蜜壺で捕食してきたのだ。
頭が茹だりそうな快感にバウデンは必死に腰を動かしスーランの蜜壺の最奥に白濁を押し流す。
気持ちの良い口づけを続けていると、あっという間に硬さを取り戻した雄がもっと動かせと命令するように滾り、バウデンは書類を捌く時間を計算しながら腰をゆっくりと律動し始めた。
性交は子作りの為の営みの為、時たま緊急で溜まった時に発散するものと認識していたバウデンは、こんなに快感に溺れるものなのだなと陶酔しながら滑らかなスーランの肌に触れ蜜壺の蠢動を堪能した。
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