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バウデン 10
式典と隣国の不穏な動きに忙殺されていたバウデンは日々深夜近くまで帰れず若干どころかかなり苛ついていた。
最近スーランと性交していないどころかまともに会えていないし話してもいない。
その日も日付が変わる少し前に帰宅し、イーガンからスーランが少しぼーっとしていたとの報告を受け、寝る前に一目だけでも眠っているスーランを見ようと部屋に訪れた。
もう眠っているだろうとノックせずに部屋に入ると寝台の上で掛布を頭まで被っているスーラン。そしてもぞもぞと動きながらも時折艷やかな吐息と声が耳に届いた。
バウデンはまさかと掛布を捲ると。
下履きも下着も付けていない、上着も捲り形の良い胸が半分ほど見えていて。
そこから香る淫靡な匂いと汗ばんだスーランの肌。
彼女の手は脚の間に埋められており、眉を潜めながらも恐ろしく色香を放つ表情。
バウデンが恋しくて自慰をしていたスーラン。
その後の記憶はあまりない。
スーランを抱き上げ隣の夫婦の寝室に連れていき、ぐずぐずに蕩けた蜜壺はバウデンを想いながら弄っていたのだろう。
張形すら望むスーランのあまりにもいじらしい姿にバウデンは今までにないくらいの情欲、同時に獰猛で己の獲物を捕獲する鷹の本質が底から暴発する勢いに駆られた。
感じ過ぎてひっくひっくと啼きながらも中の蠢動はずっと動きバウデンを求めるスーランに嗜虐心が煽られずっと責め続けた。
三度目の白濁をスーランの最奥に放った時には、もう彼女の意識は途絶えていた。それでもバウデンの雄が萎える様子は無い。
「…もうすぐ四十になるんだがな…。今まで性欲が薄いと思っていたが…」
どうやらスーランに対しては尽きることがないらしい。
気を失っていても、口を縦横無尽に這い回ると拙い動きで返し、身体中隈無く触れるとぴくぴくと反応し甘い掠れ声が漏れ、納まらない屹立を蜜壺に埋めるとすんすん啼きながらも従順に収縮し蠢く。
バウデンはまるで鷹が獲物を捕食してゆっくりと味わうように明け方までスーランを貪り、初めてスーランの柔らかい髪に顔を埋め香りを堪能しながら、心地良い疲労感と共にスッと意識が落ちた。
欲を発散したこともあるが、スーランの滑らかな柔らかい身体を包みながら眠った後の朝の爽快さは格別だった。
その日からバウデンはスーランを抱き締めながら眠ることを習慣にし、疲れていてもぐっすり眠れることにとても満足した。
***********************
呪いの残滓が突然変異したことによる枯渇手前状態。
バウデンはそう報告を受けたホーイェンに抱きかかえられていたその状態すら許せずに、些か乱暴に奪い執務室奥の仮眠室にスーランを横たえた。
どれだけ魔力を奪われたのか。
バウデンはあまり濡れていないスーランの蜜口に舌を沿わせる。
脳髄に直撃するスーランの匂いとまるで甘露のような蜜液に頭がおかしくなりそうだったが、今はスーランを楽にさせなければと己の欲を無理矢理押し込めてしとどに濡れてきた蜜壺に張り詰めた剛直を挿入しすぐに果てた。
いつもスーランの破天荒な行動と、無意識に放つ壮絶な色香。快感を素直に追う彼女の仕草にいつもバウデンはあっという間に果てそうなのを、雄の意地で維持していたのを彼女は知らないだろう。
子供のように泣きじゃくるスーランをあやしつつ、何故そこまで謝るのか頭の片隅でずっと思いながらも、バウデンは魔力を補充するべくスーランの身体に刻んでいった。
後日ガブリアルノに報告するスーランの発言にバウデンは疑問を持った。
あの呪いの件より二日前にスーランと性交していた。例えそれから精製で魔力をそれなりに使っていたとはいえ、器の半分以下まで減るものか。
不意にスーランがずっと言葉にしている『半年間』に関係しているのではないかとバウデンは確信のような結論に至る。
そして決定打はガブリアルノがスーランから魔力量の話を聞いた時、ほんの僅かに眉を顰めたその表情だった。
確かめるべく、スーラン達が去ったあと残ったのはバウデンとガブリアルノ、ギュスターの三人だ。
「それでバウデンは何か話があるのかな?」
「ここからは国王と臣下でなく、盟友として尋ねる」
バウデンの言葉にガブリアルノがすっと表情を失くした。
「何?」
「スーランが半年間に拘った理由は何だ」
直球の質問にガブリアルノの表情は微動だにしない。ギュスターの表情も全く変わらない。それらを見てバウデンは確信する。
スーランが何某かの問題を抱えているのだと。
「…何故それを尋ねる?」
「私が――――俺がその先を望むからだ」
バウデンの真摯な表情と言葉にガブリアルノの表情が一瞬歪むがすぐに戻る。そして玉座の背凭れにゆっくりと背を置いた。
「褒章の誓約上、話すことは不可能。どうしても聞きたいならスーラン本人から聞くんだね」
「…」
ガブリアルノは何も発さずヒントすらない。逆にいうなら何も話せないくらいに大きな問題を抱えているということと同義になる。
バウデンの胸に重苦しく凝ったような不安が積み重なった。
スーランは何を隠しているのか。
スーランの身に何が起きているのか。
*************************
「スーラン…何を隠している?」
バウデンの質問に静謐な、そして虚ろな瞳で返すスーラン。綺麗な魔力を生み出す細い指がバウデンの唇に当たる。まるで『聞かないでくれ』とでも言うように。
庭に敷物を敷いて横たわり、二人でのんびりする時間が穏やかで尊くてずっとこのままが良い。だがそれはできないと断言するスーラン。
スーランの真っ直ぐに見つめる藍色の垂れ目は僅かにでも言う気配は無い。
それでもバウデンは必ず突き止める。数日後に期日を迎える限定婚姻を破棄させる為に。
ずっと共に、居るために。
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