91 / 110
番外編:女の猥談は意外にゲスい 5
「複数人は好き好きになるのかなー私は単体を仕留める方が性に合ってるかな」
「仕留める!?」
「そうなんだな。私も単体が好ましいとは思う。仕留めるとは勇ましいな」
「私も今ではバウデン単体をこれでもかとヤリ倒しているしね。飽きないあれは」
「そうか。バウデンが日々艷やかなのはスーランのおかげなんだな。最近見てて良く思う」
「そんな目で見ているのか…!」
テゼルは何だかとても突っ込みに忙しい。
「最近は…あ、最初からだった。ちょっと嫌がる振りするバウデンを捕食するのがマジ楽しい」
「捕食…!?」
「わかるー雄を屈服させて捕食とか最高」
「屈服…!?」
「女性優勢か、なるほど」
「納得している場合か…!内容を詳しく読み解け!我々雄の危機なんだぞ!」
「あはは!テゼルさんはそう言いながら最終的に屈服されて捕食される側かなー?」
スーランは耐性まではついていないが、まだわかる。
だが性交という言葉すら知りません的な清楚な見た目から繰り出されるシュナの言葉のえげつなさは何気にテゼルの心をじわじわと抉り削っていく。
その間にもとぽとぽと葡萄酒を注がれ、テゼルは自分を落ち着かせる為に水のように飲み干す。「お、良い飲みっぷりだねー男前ー」とスーランから持ち上げられ、「酒に溺れてやられる流れ似合いそー」とシュナから突き落とされる。
「でもほら。最近は進化バウデンがいるから油断していると仕返しがくるからさ」
「あーさっき言ってた逆襲ってやつね?でも両方愉しめてそれはそれで楽しいよね」
「する側とされる側か。両方制覇したら強くなれそうだな」
「「なれるなれる」」
「強さがどこに向かっているんだ!」
もうテゼルは限界だった。
誰もテゼル側が居ない。
この三対一は至上最高にきつい。
それでも捨て身の状態で対応していた時、救世主が現れた。
「珍しいな」
その声にテゼルは不覚にも涙が溢れそうになる。
「…総帥っ…!」
「……テゼル、夕方より窶れてるぞ」
そこに現れたのは漆黒のローブを着たバウデンだった。
「あーばうでんだー」
「コーネイン達と飲んでいたのか」
「たまたま私たちがここに来たらスーラン達がいて折角ならと」
「そうか。…いつも世話になっているな」
「こんばんは。こちらこそ香油の依頼いただいてとても助かってます」
「……総帥」
「テゼルは何でこんなに疲労感出てるんだ」
「本当だな。どうしたテゼル」
「コーネインは元気だな…!」
「ばうでんー」
「何だ」
「呼んだだけー」
「ふふ。多分私たちの猥談に少しだけ圧倒されてしまったかもしれません」
「もう駄目かと…!」
「あはは。テゼルさんが色々と解れたようで何よりでーす」
「…そうか」
強者三人を順に見た後にテゼルに視線を移したバウデンは何かを悟ったようだ。
「ばうでん、抱っこ」
そしてスーランの甘えが発動する。
ふふと微笑むシュナに「バウデンには素直だな」というコーネイン。そしてテゼルは目の前でバウデンが眉を僅かに下げつつも嫌がる素振り一つなく抱き上げるのを目を丸くしながらも、その中にもう嫌悪の視線は無い。
「そろそろ良い時間だろう」
「ばうでん、抱っこ」
「している」
「あれ。本当だ」
スーランはいつものようにバウデンの首に手を回して頭を肩に乗せる。
「じゃあスーラン、今日はここまでね。楽しかったー」
「うん。シュナ、今度は蒸留酒やっつけよう」
「良いね。ぐびぐび制覇しよう」
「うん。ぐびぐび空けよう」
「蒸留酒は味わうものなんだがな…」
コーネインとテゼルがそれぞれ酒代を出し女性の分もと払おうとするが、シュナはやはり「施しが苦手で。気持ちだけいただきますね。楽しい時間をありがとうございました」と言って自分の分の硬貨を出している。
スーランは相変わらず漢前だと思いながらも、自分もやるのだとごそごそ懐を探っている間にバウデンがさっさとスーランの分を出していた。
あなたにおすすめの小説
【完】麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
こころ ゆい
恋愛
※完結しました!皆様のおかげです!ありがとうございました!
※既に完結しておりますが、番外編②加筆しました!(2025/10/17)
狼獣人、リードネストの番(つがい)として隣国から攫われてきたモモネリア。
突然知らない場所に連れてこられた彼女は、ある事情で生きる気力も失っていた。
だが、リードネストの献身的な愛が、傷付いたモモネリアを包み込み、徐々に二人は心を通わせていく。
そんなとき、二人で訪れた旅先で小さなドワーフ、ローネルに出会う。
共に行くことになったローネルだが、何か秘密があるようで?
自分に向けられる、獣人の深い愛情に翻弄される番を描いた、とろ甘溺愛ラブストーリー。
年下で可愛い旦那様は、実は独占欲強めでした
由香
恋愛
政略結婚で嫁いだ相手は――
年下で、可愛くて、なぜか距離が近すぎる旦那様でした。
「ねえ、奥さん。もうちょっと近く来て?」
人懐っこく甘えてくるくせに、他の男が話しかけただけで不機嫌になる彼。
最初は“かわいい弟みたい”と思っていたのに――
「俺、もう子供じゃないよ。……ちゃんと男として見て」
不意に見せる大人の顔と、独占欲に心が揺れていく。
これは、年下旦那様にじわじわ包囲されて、気づいたら溺愛されていた話。
もう長くは生きられないので好きに行動したら、大好きな公爵令息に溺愛されました
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユリアは、8歳の時に両親を亡くして以降、叔父に引き取られたものの、厄介者として虐げられて生きてきた。さらにこの世界では命を削る魔法と言われている、治癒魔法も長年強要され続けてきた。
そのせいで体はボロボロ、髪も真っ白になり、老婆の様な見た目になってしまったユリア。家の外にも出してもらえず、メイド以下の生活を強いられてきた。まさに、この世の地獄を味わっているユリアだが、“どんな時でも笑顔を忘れないで”という亡き母の言葉を胸に、どんなに辛くても笑顔を絶やすことはない。
そんな辛い生活の中、15歳になったユリアは貴族学院に入学する日を心待ちにしていた。なぜなら、昔自分を助けてくれた公爵令息、ブラックに会えるからだ。
「どうせもう私は長くは生きられない。それなら、ブラック様との思い出を作りたい」
そんな思いで、意気揚々と貴族学院の入学式に向かったユリア。そこで久しぶりに、ブラックとの再会を果たした。相変わらず自分に優しくしてくれるブラックに、ユリアはどんどん惹かれていく。
かつての友人達とも再開し、楽しい学院生活をスタートさせたかのように見えたのだが…
※虐げられてきたユリアが、幸せを掴むまでのお話しです。
ザ・王道シンデレラストーリーが書きたくて書いてみました。
よろしくお願いしますm(__)m
【R18】熱い夜の相手は王太子!? ~婚約者だと告げられましたが、記憶がございません~
世界のボボブラ汁(エロル)
恋愛
激しい夜を過ごしたあと、私は気づいてしまった。
──え……この方、誰?
相手は王太子で、しかも私の婚約者だという。
けれど私は、自分の名前すら思い出せない。
訳も分からず散った純潔、家族や自分の姿への違和感──混乱する私に追い打ちをかけるように、親友(?)が告げた。
「あなた、わたくしのお兄様と恋人同士だったのよ」
……え、私、恋人がいたのに王太子とベッドを共に!?
しかも王太子も恋人も、社交界を騒がすモテ男子。
もしかして、そのせいで私は命を狙われている?
公爵令嬢ベアトリス(?)が記憶を取り戻した先に待つのは── 愛か、陰謀か、それとも破滅か。
全米がハラハラする宮廷恋愛ストーリー……になっていてほしいですね!
※本作品はR18表現があります、ご注意ください。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
好きな人が嬢を身請けするのが辛くて逃げたら捕まりました~黒服の私は執着騎士に囲われる~
こじまき
恋愛
騎士が集う高級酒場「夜香楼」で女性黒服として働くソフィアは、客である寡黙な騎士ゼインに恋していた。けれど彼が指名するのはいつも人気花嬢イサナで、身請けも近いと予想されていた。
ソフィアは、叶わない想いにと嫉妬に耐えきれず、衝動的に店を去る。
もう二度と会うことはないはずだったのに、身請けした嬢と幸せに暮らしているはずの彼が追ってきて――
「お前への愛は焼き印のように刻まれていて、もう消えない」
――失恋したと思い込んで逃げた黒服が、執着系騎士様に捕まって囲われる話。
※小説家になろうにも投稿しています
ずっと好きだった獣人のあなたに別れを告げて
木佐木りの
恋愛
女性騎士イヴリンは、騎士団団長で黒豹の獣人アーサーに密かに想いを寄せてきた。しかし獣人には番という運命の相手がいることを知る彼女は想いを伝えることなく、自身の除隊と実家から届いた縁談の話をきっかけに、アーサーとの別れを決意する。
前半は回想多めです。恋愛っぽい話が出てくるのは後半の方です。よくある話&書きたいことだけ詰まっているので設定も話もゆるゆるです(-人-)
ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
五珠 izumi
恋愛
城の下働きとして働いていた私。
ある日、開かれた姫様達のお見合いパーティー会場に何故か魔獣が現れて、運悪く通りかかった私は切られてしまった。
ああ、死んだな、そう思った私の目に見えるのは、私を助けようと手を伸ばす銀髪の美少年だった。
竜獣人の美少年に溺愛されるちょっと不運な女の子のお話。
*魔獣、獣人、魔法など、何でもありの世界です。
*お気に入り登録、しおり等、ありがとうございます。
*本編は完結しています。
番外編は不定期になります。
次話を投稿する迄、完結設定にさせていただきます。