大好きな人に番が現れたので潔くセフレ離れします

きるる

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番外編:お泊まり会開催 5

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「フェリウス様とイアン様は最近特殊部隊で特に活躍されているようで」


ジュダの言葉にイアンは首を傾げながら「んーそうなのかな。それなりに働いてはいるけど…」と言うのに対してフェリウスは無言、即ち無視だ。


「イリエ様の出張販売にご同行させてもらってますが、色々耳に入ってきますよ」


イリエが特殊部隊内のみ限定でランチボックスを販売させてもらっている時は、いつも必ずジュダが共に付いてきてくれている。「とても盛況だって聞いてます。一度食べてみたくなります」とシュナから言われイリエはぴょいんっと嬉しくなる。


「あは。ジュダが色々聞き出しているんじゃなくて?」
「いえいえ。お二方の武勇伝を色々―――まあ、最近では最愛の方が出来て異名を返上され丸くなったとか、他には、…牙…はて、何でしたかな」


ここでイアンが「ん?」と微笑み首を傾げる。


「ジュダ、牙が何だって?」
「イアン。乗せられるな」
「フェリウス様も丸くなり、…骨抜…いえ」
「何?」
「フェリウスー乗ってる乗ってる」
「いざ最愛を守るべき時に牙やら骨やら…大丈夫なのかと些か…」
「「は?」」


綺麗に二人の言葉が重なる。
ジュダが言葉を濁すなんて珍しいとイリエは思いながらも事の流れを見守る。

―――実際濁す言葉はわざとであるのだが。


「ねぇ。ジュダはもう特殊部隊を退いて長いよね?」
「左様ですね。ですが日々最低限の鍛錬は続けております」
「でも実戦がやっぱものを言うっていうかさー」
「イアン。その辺にしておけ。父と同じでジュダももう年――――」
「若造が調子に乗る時は大抵年齢の話を良く出します。それがないと敵わないような言い分で些か浅慮としか…」
「「は?」」


またもや綺麗に重なった一文字の言葉。
何だろう。
晴れやかな気持ちの良いテラス席なのに何だか寒気がする。シュナを見ると首を傾げながらも腕を擦っておりイリエに気づき同じくといった感じで頷いた。

ジュダは嘆かわしいと言う風に首を振る。


「過信が過ぎるといざという時に大切な者を守れず愚かな結末になりかねません。…やれやれ。傲りというものはこうにも人を腑抜けにさせてしまうとは…」
「あは。何だろう、久々にイラッとした」


笑いながら答えるイアンの表情は既に好戦的になっている。


「…ジュダ、いい加減に――」
「そんな風にいつも逃げ腰でいらっしゃるから、私めは未だに坊っちゃまとお呼びしてしまうのですよ」
「おい!」
「ぶふっ―――」
「…坊っちゃま」


イリエは坊ちゃま耐性があるが、フェリウスは親友とその最愛の前で坊っちゃま呼ばわりされたことで憤り、イアンは自身を落ち着かせようとして紅茶を飲んでいたので綺な弧を描いて噴き出し、シュナは呟きながらあらまあ的な感じで口元に手を添え…流れでフェリウスに目を向けない彼女は流石漢前な対応だと思わずにはいられない。


「久々に稽古をつけてあげましょうか?…まあ、年だとか退いたとか御託を並べて最愛の奥方達の前で無様な醜態を晒したくないとおっしゃるなら、勿論無理にとはいいませんが…」


この時点で二人はお互いに口車に乗るなと諌めていた正しい選択を己の矜持の為に投げ捨てた。


「フェリウスー。軍服の替えある?動きやすいのでも良いよー」
「ある」


二人は同時に立ち上がる。

何だか物騒な話になってきたとイリエ達が目を丸くしていると、「ちょっと食後の運動してくるよ。そろそろ引導渡してあげないとかなー」とイアンはシュナの頬に口づけをしながら言い、フェリウスはイリエの頭に口を落とし「人前でのあの発言は許し難い」と坊ちゃま発言に甚くご立腹だった。

着替えをしに颯爽と二人が去るのをイリエとシュナは呆然と見送る。


「さて…そうは言ってもあれだけの手練。久々に本気で体を動かせそうです。レリエル様よりアフタヌーンティーのご用意を命ぜられているので、観覧しながらお楽しみください」


ジュダはそう言い残し一礼してから「燕尾服に埃が付いたら大変だ」と言いながら去っていく。


「…アフタヌーンティー?」
「今、食べ終えた、よね?…ですよね?」


シュナの言葉にイリエは瞬きしてシャッと視線を向けるとまるでしまったと言う風に口を覆った可愛らしいシュナの姿。イリエはこれに乗じてお願いしたかったことを告げる。


「あの…シュナさんさえ良ければ、普段通りに話してくれると物凄く嬉しいです」
「…え」
「私は元々仕事柄もあって、幼馴染以外には皆敬語なんです。最近ようやくフェスって呼べるようになったくらいで。敬語が通常仕様の私が言うのもなんですが、沢山お話出来ることを…とても楽しみにしていたので、もし差し支えなければシュナさんが話しやすいように…と我儘を言ってみたくなりました」


憧れのようなものもあるが、それ以上に魅力的なシュナともっと仲良くなりたいイリエはまるで告白の如く頬を染めながらお願いする。

するとシュナがほわりと微笑んだ。


「私もイアンの伴侶になったことで伯爵なんて大層なものになっちゃったけど、根が平民だから平民癖が抜けなくて。勿論お客様と他人にはしっかり敬語だけど、イリエさん…イリエちゃんで良い?敬語も取っちゃっておっけー?」


シュナの返しにイリエはパッと笑みが溢れ、手でペッと払う仕草をする。


「っ、はい!ちゃんでも呼び捨てでも何でも!敬語も是非捨ててください!」
「ふふ、良かったー。じゃあ、イリエちゃんも憧れとか言われると照れちゃうし、姉的な感じでよろしくね」


イリエは一人っ子なので更に嬉しくなる。


「はい!シュナ姉さんですね!」
「あはは。そんな風に言われたことないなぁ。楽しそう」


そんな会話をしていると給仕の人がアフタヌーンティーを運んできた。





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