トラウマ克服の為にクズに徹します

きるる

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イアン 1





「イアン…!私のことが好きでしょう…!?」


見た目は清楚な令嬢なのに、本来の化けの皮が剥がれた阿婆擦れが叫んでいるのを、イアンは貼り付けた笑みで返していた。


イアンの小さい頃は女の子にしか見えないくらいの整いすぎた甘めな顔と、ふさふさした長い睫毛。

孔雀族には珍しい色合いの朱色主体で毛先は桃色のグラデーションの髪ですら美し過ぎると評され、橙色のぱっちりと煌めく瞳。もうドレスを着たらその辺の令嬢より完璧な令嬢だと良く言われたくらいだ。

イアンは兄のように美しくも精悍さがある顔が良かったといつも思っていた。

そんなイアンだが、昔から頭の回転が早く動きも良かったので、能力的に特殊部隊に適してると家族からも言われ入隊出来る数年前からは伯爵家の者達と共に体を鍛えていた。



十五歳だったイアンは数日前、嫡男の兄ローアンの婚約者から睡眠薬を盛られて犯された。

イアンに忠実な専属メイドが助けに入ってくれはしたが、初めての射精は兄の婚約者であった雌の中にぶち撒けるという不名誉を受けた。

その雌はすぐに捕らえられイアンの傍から引き剥がされたが、事はそこそこ重大であることを股を開くことしか能のない雌の豆くらいの脳ではわからないのだろうか。


知らせを受けたローアンはすぐに戻りイアンに頭を下げたが、イアンはそこまでショックを受けていなかった。


「兄さんには悪いけど、あの雌の血がうちの家系に混ざらなくて良かったと思っちゃったくらい」


これは孔雀族特有の性質なのかもしれない。

己の不利益よりも、それ以上に得る成果があるならばそちらを優先させるくらい冷静で冷酷な部分をイアンは受け継いでいた。

そんなイアンにローアンは眉を寄せながらも抱きしめてくれ、領地へ行っていた両親も急いで戻りもみくちゃに抱き潰されて逆に笑ってしまうくらいだった。

皆が思うよりもイアンは気にしておらず、しかもあの雌だけにしか挿入してないことが逆に面白くないと思い、ローアンにお願いごとをすると目を見張ったローアンがへにょりと眉を下げながらも頷いてくれた。



数日後、元婚約者の雌とその両親が訪れた時の阿婆擦れの言葉に対してイアンは微笑みながら首を僅かに傾げ答えた。


「僕の初めてが気色悪い阿婆擦れだったからさ。次の日すぐに綺麗な高級娼婦のお姉さん数名に書き換えてもらった。とても清々しい気持ちで初めの悍ましさは消え失せたよ」


それを聞いた時の呆けた雌の顔は本当に嘲笑えた。

あの時のイアンの行動からどうしてそう思えたのか不思議でならない。よほど己の性交に自信があったのか知らないが。

阿呆で無謀な娘とその無能な両親。
イアンが阿婆擦れに寄り添うと勘違いし、のこのことやってきた彼らを待っていたのはピーフォック家専属の暗部の者達だ。

ローアンの婚約者としての立場は当然のこと、イアンを犯した時は既に純潔ではなかったことはイアンと傍にいたメイド始め数名の使用人が証人だ。一滴も血がなかったのだから。

ローアンは宰相経由で国王から一族末裔までの殲滅願いの許可を得ており、イアンとしても特殊部隊に入る前にピーフォック家の精鋭達と共に色々実技として学べそうだと楽しみにしていた。

泣き喚く阿婆擦れが自ら裏切ったローアンに媚び諂う姿を見ながらイアンは本当にわかってないなぁと嘲笑った。

外見から見るとローアンは真面目そうで堅物に見えるかもしれないが、実際の彼の冷酷さは歴代ピーフォック家の中でも上位に入る。

表側だけを見ていた哀れな雌は一瞥すらせずその辺のゴミ屑同等の扱いで淡々と処理を命じるローアンにさぞ驚愕したことだろう。


その後もイアンは性交への拒絶はなく、寧ろ率先して行い奔放になっていった。





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