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秋夜さんの部屋で、料理を作りすすめる。18時に藍くんたちを呼んだので、それに合わせて温かいものを出せるようにしたい。ちなみに、何を作るかは、秋夜さんのリクエストをもとに決めた。
なんかパーティーって感じの料理でもないけど…ケーキあるし!
「秋夜さん、二人って秋夜さんの部屋の場所知ってるんですか?」
「知ってるよ」
「じゃあ大丈夫ですね!」
「料理終わったの?」
「はい!あとは来たら温めて出します!」
「そっか。ならこっち」
「なんですか?」
「んー香夜の匂い嗅ぎたい」
「ええ…」
なんとも変態のような言葉だ…。結局捕まって後ろから抱きしめるように首筋に顔を埋められた。無心…無心になろう。というか秋夜さんが近くて、秋夜さんのフェロモン?の匂いがして…だめかも…
ピンポーン
はっ!二人が来たのか!ナイスタイミング!危なかった!
「秋夜さん、俺出てきますね!」
「ん」
ドアを開けて、そこにいた人は俺の思っていた人物ではなかった…。秋夜さんが呼んだ人とか?背が高くて、格好良い。おそらくαだろう。少し威圧感がある。
「ええと…」
「誰だ?」
「えっと…俺は如月って言います」
「おう、秋夜いるか?」
「いますけど…」
「入るからどいてくれ」
「ええ…約束とかしてます?」
「いや?してねぇ。それが何か問題あんのか?」
威嚇のフェロモンをぶつけられ、身体が震え始める。初めての感覚だったけど、これがそうなんだろう。従わなくてはと思わされる。それでも、違うことは違うと言う。
「えっと…あると思うんですけど…」
「ふーん、まぁいいや。じゃあ秋夜呼んで」
「はい」
部屋の前で待ってもらって、一旦部屋の中に戻る。
「秋夜さん、誰か来てます」
「ん?…は?アイツか…香夜おいで?」
「ん、はい」
秋夜さんに正面から抱き締められる。秋夜さんの匂いに包まれると安心する。さっきの人にフェロモンをぶつけられてから始まった、身体の震えが止まる。
「ん、怖かったね」
「はい…」
「ねぇ、匂いつけていい?」
「えっと…はい」
「ん、じゃあもうすこしこのままね」
「はい」
匂いつけるとかよくわからなかったけど、秋夜さんがしたいならいいかとそのまま身を任せる。暫くそのままでいると、秋夜さんは満足したようで離れてくれた。
ピンポーン、ピンポーンピンポーン
「わわ!秋夜さん玄関行きましょ?」
「いいよ、相手はわかってるし、用件も知ってるから。」
「でも俺、秋夜さんのこと呼ぶって言っちゃいました。」
「はぁ…しょうがないか…」
けたたましくなり続けるインターホンに、流石に諦めたらしい。秋夜さんが玄関に向かう。
「おっせぇよ!!秋夜!お前今日はGRACEの会議だろうが。さぼんな、来い!」
「いやだ」
「はぁ?ワガママ言うな!」
「うるさい。俺の大事な子に威嚇フェロモンぶつけるような奴の言うことは聞かない。」
「大事な子ってなんだ…?聞いてねぇぞ」
「言ってないからな。でもカラーは渡してるから気づけたはずだ。お前が悪い。」
「そうかよ…わかった。後で報告に来る」
「来るな。お前に合わせたくない。」
「そういうなってちゃんと紹介されてたらそんなことしなかったのによ…」
「うるさい、さっさと帰れ」
「はぁ…わかった…後で連絡するから目通しとけ」
「…」
ガチャ
リビングで待っていたけど、声は聞こえてきた。どうやら追い返してしまったらしい。良かったんだろうか?
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