不良×平凡 オメガバース

おーか

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結局、あの告白の日以降も何事もなかったかのように生活している。とはいえ、秋夜さんからの思いを知ったからには、一応他の人への接し方については気をつけているんだけど。αとは二人きりで話したりはしないようにしている。まぁ知っているαの人なんて数える程だ。

そして今日は遂にグランピングへ行く日だ。特に準備などもないが、一応持ち物は確認していたので、忘れ物もないと思う。バスでグランピング場へ向かう。校庭にはバスがズラリと並んでいて、綺麗にrionとGRACEの半々くらいのようだ。

途中、rionの人とすれ違ったのだけど…その中に秋夜さんにそっくり瓜ふたつな人が見えた気がした。びっくりして振り返ったけど…振り返ってももうその人を見つけることは出来なかった…。なんだったんだろう…。

「香夜?どうした?」

「あ…いえ…なんだか秋夜さんに似た人を見た気がして…」

「そう…でも俺に似ていたとしても絶対にソイツには近づかないで、いいね?」

「あ、はい」
 
近づかないで…ってことは、本当にいたってことか。秋夜さんそっくりの人が。とはいえ、秋夜さんがわざわざ念押しするくらいだ。近づかないに越したことはない。忘れよう。

大勢の人混みの中から無事に同じ班になった面々と合流し、バスに乗り込む。しかし憂鬱だ…。楽しみだけど、バスは確定で酔うんだよなぁ。車だと大丈夫なのにな。

「香夜、バス酔う?」

「はい…酔います…」

「酔い止め飲んだ?」

「俺、酔い止め駄目なんですよね。頭ふわふわしちゃって…」

「そっか…じゃあ着くまで寝てな。肩貸すから」

「でも…いいんですか?」

「もちろん。ほら…いいよ。」

察してくれたらしい秋夜さんに肩を借りて、寝るつもりはなかったものの、普段から嗅いでいる秋夜さんの匂いに安心したからか、自然と眠ってしまっていた。肩を揺すられて、起きたときにはすでに到着していて、みんなバスを降りたあとだった。

「あ、起きた。眠り姫にでもなったのかと思って、今キスで起こしてあげようとしてたのに。」

「き…だ…ば…」

「ふふふ…あはははは!!もう…ふは…どうしたの…あははっ…」

「笑いすぎです…」

「ふふ…うん…ごめん…キス、駄目、バカ…とか?言いたかったんでしょ?」

「正解です…わかってるんじゃないですか!ってなんでわかるんですか!?」

「あははは!もう…香夜…笑わせないでよ…疲れた…」

「ええっ!!俺のせいですか?ひどい言いがかりです!!」

「うん香夜のせい。香夜が俺を笑顔にした。」

「…良いことですね?」

「そうだね…っとそろそろ行こうか。」

一頻り笑った秋夜さんに手を引かれ、ようやくバスを降りる。
ちなみに大笑いする秋夜さんもカッコ良かった。イケメンっていつでもイケメンだよな。ホントズルい。

目の前はグランピング場で、もうすでにみんなバーベキューの準備などに取り掛かっているらしかった。俺達の班はもう少し先に行ったところなんだって。行けばテキパキと藍くんが一通りの準備を済ませて、肉を焼き始めていた。

「あ!かぐちゃんやっと来た!!ほらここ座りなよ!」

「あ、鳴海ごめん寝てて。」

「いいよ!」

「俺自分達の分のご飯作らなきゃだから、また作ったら戻ってくる。」

「えー!一緒に食べれると思ったのに!」

「ごめんって」

「まぁいいや。後で遊ぼうね!」

「うん」








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