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しおりを挟むハイキングコースって言うから甘く見てた…。思ったよりもガッツリ山道だ。山道だし疲れるし、坂がヤバイ!道は整備されてても、キツイもんだな。長さはないみたいだから多分耐えられるけど。
みんなと歩いてるけど、みんな平気そうなんだもんなー…体力あるんだな。
「大丈夫か?香夜」
「ふぅ…はい…大丈夫…です…」
「そうは見えないけど…もっとゆっくり歩く?」
「えっと…はい…」
「最悪俺がおぶってあげるから」
「それは大丈夫です…」
「かぐちゃん体力ないね?」
「鳴海は…平気そうだね…」
「このくらいは僕も鍛えてるからね!」
小さくて、体力なさ気な鳴海でさえ、スタスタ歩いてる。すげぇ…。一人だけ苦しそうな人発見!茜くんだ。仲間だ!
「マジかぁ…あ!仲間!」
「茜は喘息持ちだからね。」
「はぁ…はっ…はぁ…」
「茜、無理するなよ。」
「はぁ…うるせぇ…藍…はっ…」
「……俺だけぇ?こんなに体力ないの…」
「茜が無理そうなら連れ帰れよ。藍。」
「はい。ほら、三野瀬さんもこう言ってるし、茜、そろそろ限界でしょ」
「はぁ…おう……無理…」
「はい、おんぶね。帰るよ」
茜くんは、喘息持ちなのか…。あ、三野瀬さんに注意されて、茜くんは藍くんにおんぶされてる。来た道を引き返す方が早いらしく、道を引き返して行った。
「茜、大丈夫?」
「んー…藍…わりぃ…」
「いいよ。…でも…無理は駄目って言ったよね?」
「ん、まだいけると思ったんだよ…」
「もー…まぁいいけどさ。俺がいない時は勘弁してね。俺が側にいる時ならお前のこと見ててやれるからいいけどさ。」
「お前、大抵俺の側にいるだろ」
「まぁね」
「じゃあいいじゃねぇか…。」
「全く…茜は………って寝たの?」
おぶっていたが、肩にかかる重みが変わる。どうやらおぶっている間に、茜が眠ってしまったらしい。無理してたから疲れたんだろうな。俺に頼ってくれる分にはいいんだけど…。
「澄人さん!オレもおんぶされたい!」
「…お前は平気だろうが。ケロッとしてるくせに。」
「えー!いいじゃん!オレも怪我とかする?」
「馬鹿なことを言うな。」
「それじゃあ、おんぶしてもらえないじゃん!」
「一緒に歩くのもいいだろう?上条。」
「うぅ…澄人さんってズルい!!じゃあ手繋いでよ!」
「…まぁいいか。ここには、知り合いしかいないしな。」
「やった!」
ずるいよなぁ。澄人さん。一緒に歩くのもいいだろう?って、好きな人に微笑まれたら、そんなの断れないよねぇ?珍しく手は繋いでくれるみたいだから、いいんだけどさ。澄人さんってガード硬いからなぁ。オレこんなにアピールしてんのに、全ッ然なびいてくれないし…。
澄人さんの手、大っきくて…安心する。まぁ、20分くらいしか繋げないけど、繋いでくれるだけ進歩したかな。オレのことさっさと番にしてくれないかなぁ…?
みんなイチャイチャしてるー!ラブラブだなぁ。
「俺達も手繋ぐ?」
「え?ええと…」
「いや?」
「いや…では…」
「じゃあ、ハイ」
「はい…」
「ちょっと!僕の前でイチャつかないでよね!まだ認めてないんだから!」
「ふっ…邪魔するなよ。お前はただの友達だろ?」
「むうぅ…!そうだけど!!」
言い争ってるけど、もう繋いじゃってるんだよね、手。差し出されたからつい、手を取っちゃったし。
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