不良×平凡 オメガバース

おーか

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香夜にΩの匂いがついてるって言われた。最近帰ってくると香夜が辛そうにするから、どうしたのかと思ってた。嫌われたかなーって気にしてたけど、好かれてるみたいで良かった。

嫉妬してくれてるのかな。ふふっそれもいいけど…これ以上香夜に悲しい思いさせる訳にはいかないな。面倒だからって放置しすぎたな。Ωに反応を示す方が面倒なことになる場合が多いからな。

スマホを手に取る。情報を引き出すには便利だったけど…もういらない。最近調子に乗って、自分が特別だって思ってるみたいだし。

「もしもし、春夜。あのΩ、制裁する。」

「んー?了解。なんで突然そんな気になったの?」

「香夜が…嫌な思いをしてる。」

「なるほどねぇ。準備しておくねぇ。」

「ああ、頼んだ。」

「あ!あとねぇ、シオンがそっちの部屋に遊びに行きたいって言ってるんだけどぉ…やっぱり嫌だよねぇ?」

「…嫌だ…けど、いいよ。香夜も寂しそうにしてる。仕方がない。」

「ほんと?じゃあ明日、シオン送っていくねぇ。」

「ああ」

「じゃあねぇ」

プツリと連絡を切る。
はぁ…まだやることあるけど、今日はもういいや。香夜とイチャイチャして寝よ…最近香夜と触れ合えてないしね。

コンコンコン

香夜の部屋のドアをノックする。今も勉強頑張ってるみたいだね。

「はい!」

「香夜、今からイチャイチャしよ?」

「え?うん!えへへ!」

イチャイチャしよって言ったら、一瞬驚いた顔をしてすぐに、満面の笑みを浮かべた香夜。可愛いねぇ。呼んだら出て来てくれた。香夜を連れ出して、それから香夜と抱きしめ合ったり、キスしたり…撫でたり、膝枕したり、そんな緩やかな時間を過ごした。

久しぶりに香夜といられて、幸せだったな。けどすぐに朝が来て、また次の日だ。はぁ…癒やしの時間は終わり。さて、頑張りますかね。香夜を守るために。幸せにするために。

「香夜、行ってくるね。」

「うん…行ってらっしゃい。秋夜」

「あ、あとで春夜が番を連れてくるって。香夜も一人きりだと寂しいだろうし。この部屋に入らせることにした。」

「やった!ありがとう秋夜」

「ん、じゃあ、早めに帰ってくるから」

「待ってる!」

秋夜が出ていって、暫くしてから部屋のインターホンが鳴る。春夜さんがシオンさんを連れてくるって言っていたから、安易にドアを開けてしまった…。今は警戒しないといけないときだって分かっていたのに…。

ドアの向こう側にいたのは、知らないΩ…いや、匂いだけなら知ってる。秋夜が帰ってくるときにつけてくる匂い…。

すぐにドアを閉じようとする。けれど、Ωの傍らにいたαにドアを掴まれてどうにもならなくなる。

「……なんの用?」

「佐久間秋夜様とさっさと番解除して離れていれば、こんな目に合わなくて済んだのにねぇ?忠告だってしてあげたのに。お前が悪いんだよ。」

そう言って、Ωがαに合図を出す。逃げようとしたけれど…逃げ場なんて…俺には残されていなかった。






    

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