不良×平凡 オメガバース

おーか

文字の大きさ
132 / 137

131






俺にとって一番安心できる場所は秋夜の側で、彼のテリトリーの中だ。俺が帰りたいって言ったから秋夜は帰れるように手配してくれた。退院ってことにはなるけど、一応何かあったらということで、三野瀬さんが家に来てくれるらしい。

迷惑かけて申し訳ないけど、居てくれたほうが安心だ。三野瀬さんが来るのに伴って、咲人さんも一緒に来るって言ってた。秋夜としては会わせるつもりは無いらしいけど。

「秋夜、荷物の準備手伝うよ?」

「いいよ。座ってて。すぐ終わる。」

「んー…うん」

「香夜、飲み物買ってこようか?」

「ううん、家着いてからでいい」

「そう、じゃあもうちょっと待っててね」

「うん」

打撲だし、痛みはあっても歩くくらい出来るんだけど、秋夜はすごく心配みたいで…結局俺は折れることにして、大人しく抱き上げられる。まぁくっついてる方が落ち着くのは確かだし。

視線を感じるがそれはもう気にしない…。

車に乗っている時も密着するようにしてくれたので、不安になることもなかった。大分気遣ってもらってるなぁと思うけど、秋夜はなんだか嬉しそう?なのでお世話になることにする。

「あ、須藤さんよろしくお願いします」

「はい、安全運転で送らせてもらいます。どーぞ」

「ん、頼んだ」

「はい!任せてください!俺に出来るのはこのくらいっすけど」

前にも運転手してくれてた須藤さんが家まで送ってくれる。このあと両親を迎えに行ってくれるらしい。

「香夜、香夜の親御さんが来てくれることになってるから」

「そうなんだ。ありがと」

「ん、すごく心配してたから元気な顔見せてあげようね」

「うん」

色々なことがあったし、秋夜が側にいてくれるのが嬉しくて何も言わなかったけど、学校にも行ってないし大丈夫なのかな?もともとサボってて授業受けてなかったけどさ。家についたら聞いてみないと。

「ん、寝ていいよ。おやすみ」

「ん…」

対策しても攫われた…香夜のことを閉じ込めてしまいたい。そんな思いが強くなっている。けれどきっと香夜はそれを望まない。だから思いを押し殺してきた。

2度も攫われて…1度目は無事だったが、2度目は怪我を負った。今後はどうなるか分からない。腕の中で眠る香夜を抱きしめる。不安が拭いきれない。側から離れたくない。

この執着がいつか香夜を追い詰めてしまうのかもしれない…それでも抑えきれない。愛してる…ごめんね香夜。




俺が寝ている間に家に到着していたらしく、目覚めるとベッドに寝かされていた。部屋には秋夜は居なくて、なんだか不安になった俺は、秋夜を探すべくベッドを降りた。

「秋夜ー…秋夜ー…どこー?」

「香夜、起きたんだね。リビングだよ」

リビングに向かうと、両親を迎える準備をしていたみたいだ。お菓子なんかが机に準備してある。キッチンで作業している秋夜の背中に抱きつく。邪魔だろうなー…でもちょっとだけ。

「ふふっ香夜、どうした?」

「んー…なんか寂しかった」

「そっか、ごめんね。流石に香夜のご両親を迎えるのに何も準備しないのは嫌で…離れたくなかったんだけどさ」

「うん、ありがと秋夜。なんか手伝うよ」

「んー、もう終わるから大丈夫。それよりなんか飲む?」

「そう?んー…ココアがいい」

「分かった。ちょっとソファで待っててね」

「うん」

渋々秋夜の背中から離れて、ソファへ向かおうとすると後ろから秋夜に抱き締められた。

「わっ!」

「香夜、大好き」

「ん、俺も」

少しの触れ合いだったけど、暖かい気持ちになった。秋夜は俺の気持ちに敏感で察してくれることも多いから、離れるの寂しいって思ったの分かったんだろうな。





あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

αが離してくれない

雪兎
BL
運命の番じゃないのに、αの彼は僕を離さない――。 Ωとして生まれた僕は、発情期を抑える薬を使いながら、普通の生活を目指していた。 でもある日、隣の席の無口なαが、僕の香りに気づいてしまって……。 これは、番じゃないふたりの、近すぎる距離で始まる、運命から少しはずれた恋の話。

塩対応の同室αが実は俺の番を狙っていた

雪兎
BL
あらすじ 全寮制の名門学園に入学したΩの俺は、入寮初日から最悪の同室相手に当たった。 相手は学年でも有名な優等生α。 成績優秀、運動もできる、顔もいい。なのに—— めちゃくちゃ塩対応。 挨拶しても「……ああ」。 話しかけても「別に」。 距離も近づけないし、なぜか妙に警戒されている気がする。 (俺、そんなに嫌われてる……?) 同室なのに会話は最低限。 むしろ避けられている気さえある。 けれどある日、発情期トラブルで倒れた俺を助けてくれたのは、 その塩対応αだった。 しかも普段とは違い、必死な顔で言われる。 「……他のαに近づくな」 「お前は俺の……」 そこで言葉を飲み込む彼。 それ以来、少しずつ態度が変わり始める。 距離は相変わらず近くない。 口数も少ない。 だけど―― 他のαが近づくと、さりげなく間に入る。 発情期が近いと察すると、さりげなく世話を焼く。 そして時々、独占欲を隠しきれない視線。 実は彼はずっと前から知っていた。 俺が、 自分の運命の番かもしれないΩだということを。 だからこそ距離を取っていた。 触れたら、もう止まれなくなるから。 だけど同室生活の中で、 少しずつ、確実に距離は変わっていく。 塩対応の裏に隠されていたのは―― 重すぎるほどの独占欲だった。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

大好きな婚約者を僕から自由にしてあげようと思った

こたま
BL
オメガの岡山智晴(ちはる)には婚約者がいる。祖父が友人同士であるアルファの香川大輝(だいき)だ。格好良くて優しい大輝には祖父同士が勝手に決めた相手より、自らで選んだ人と幸せになって欲しい。自分との婚約から解放して自由にしてあげようと思ったのだが…。ハッピーエンドオメガバースBLです。最後におじいさまの番外編を追加しました。

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。 完結しました!ありがとうございました。

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース