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167.魔術学園1年生3
しおりを挟む初回の授業ではダンジョンの危険性について学んだということを移動中にククルが教えてくれた。ウェネルは気怠げに歩くだけで喋ってくれなかったけど…それでも一緒に居てくれるから少しは距離縮まってるよね。
「ダンジョン学を担当するのはミミス先生なんだよね?」
「ああ、そうだな。」
「そっか、なら安心だね。」
「ん?なにがだ?」
「え、だって実際にダンジョンに行ったことないような先生から習っても身にならなさそうじゃない?その点、ミミス先生って強いみたいだし、絶対大丈夫だと思うんだよね!」
俺の中でミミス先生への信頼は厚い。誠実そうだし、対応もちゃんとしてるし!ちゃんとした大人って感じがする。前世含め、色々な人を見てきたから、人を見る目はそれなりだと思うんだ。
「ふむ、たしかにそうだな。」
「でしょ?そういえばククルとウェネルは2学年からのダンジョン実習受ける?」
「もちろんだ。」
「…ん、受ける」
「そっか、俺も受けるから。まだ気が早いかもだけどさ、二人と班一緒に組みたい!」
「いいぞ。お前たちとなら深くまで潜れそうだな。」
「…まぁいいけど」
「やったー!楽しみになった!」
ダンジョン実習は、班を組んで行うんだよね。基本的には学園生二人から三人に冒険者を加えて四人組か五人組を作る。学園生だけでは危険なので、ダンジョンに潜り慣れている冒険者に協力を要請する。
まぁ…学園生はなんていうか…エリート気質なので冒険者を下に見ている傾向がある。そのため冒険者には嫌われていたりするらしい。それで問題も度々起こしているみたいだしね。ククルやウェネルとなら冒険者とも問題無くやれそうだし!うんうん、凄く良い!
ミミス先生の体験談を交えてのダンジョン学はとても分かりやすかった。今日は低層階のダンジョンの傾向についてだった。
例えば、一層にはスライムが出る。倒すためには核を破壊するのが有効だけれど、魔法では威力が強く、スライムが弾け飛ぶので、スライムの体液塗れになる失敗をしたことがある、とかね。スライムを倒すのは、ロッドのようなもので物理攻撃する方がいいってことだね。剣でもいいけど、学園生は剣の扱い下手くそな人が多いからね。
先生はとても冷静に語っているけれど、冒険談なんてワクワクしちゃう。面白かった!
それからも順調に授業を受けて、お昼休み。ククルと寝ようとするウェネルを捕まえて、一緒にご飯を食べる。
「ところで…なんでそんなニヤけてんの?」
「ん?にやけてた?」
「ああ、嬉しいことでもあったのか?」
「んふふ、聞いてくれるの?」
「いや…やっぱり聞きたくない」
「…これは失敗したか…?」
「あのねあのね!番が出来たの!!ずっと好きだった人で!もう格好良くて!嬉しくて」
二人がきちんと聞いていたかはさておき、昼休みの間中惚気を話し続けた。もう勘弁してくれ…と思いながらも口を挟む暇も与えないナルアの語り口に仕方無しに二人してだんまりを決め込んだ。
ククルとウェネルは今回のことを教訓に、ナルアにはもう番についての話は振るまい、と決意を固めたのだった。
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