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204.魔術学園2年生18
特に何事もなく1層を抜けて、2層に入る。見晴らしの良い草原だ。けれど見回しても人だらけ。視界に入るだけでも5グループほどいる。人気のダンジョンだから仕方ないけどね。
2層までの魔物はスライムなどで、鍛えていない人でも倒すことが出来るからね。とはいえこの都市自体への立ち入りもダンジョンへの立ち入りも難しい筈なんだけど、一般の人たちも浅い階層限定で冒険者に同伴してもらえば入れるからね。
一応リポップの可能性があるし、流れ弾も危険なので、警戒は解かないまま進む。
「2層でも駄目そうだな。さっさと行くぞ」
「うん」
「「「はい」」」
人が多いとトラブルの危険性も高いし、さっさと人の密集してない階層まで行くのが良いだろう。さくさく歩いて行けば、下の階層へ降りる階段を発見した。
だけど…そこで揉めている人達がいる。揉め事には極力関わらない方針なので、少し遠くから観察していた。階段の前で堰き止めているグループと下の階層へ降りたいグループで揉めてるみたいだ。
「だーかーら!下の階層に異常があるから待てって言ってんだよ!死にたいのかお前ら!」
「関係ねぇだろ!さっさとどけよ」
「リーダーもう辞めなよ。放っておこう。警告はしたんだ、これ以上は自己責任!」
「だけどよぉ…」
「仲間にも言われてんじゃねぇか。ダンジョン内では自己責任。常識だろ。俺達の行動を制限される言われわねぇ。行くぞお前ら!」
「「「おう!」」」
結局、止めてくれていたグループを押しのけて下の階層へと降りていった。止めていた側のリーダーもちょっとしょげてる。尻尾がへにょってして、耳も倒れてる。止められなかった責任を感じてるのかもしれない。親切っぽい。
それにしても下の階層での異常か、話を聞いておいたほうが良さそうだな。
「テスラさん、何があったんでしょうね?」
「ああ、情報を聞いておこう。」
階段へ近づいて行けば、俺達に気付いて顔を上げる。
「おう、あんたら下へ行くつもりか?」
「ああ、そのつもりだったが、何があった?」
「ん?ああ、それが3層で徘徊ボスが出てな。かなり強力なようなんだ。」
「…そうか、その徘徊ボスは何だ?」
「ああ、ミノタウロスだな。変異種みてぇでよ…俺達では敵わねぇし…注意を促してるんだが。だからあんたらもさっさと街に…」
「そうか、問題ないな。ウェネル、ククルお前たちで倒してみせろ。」
「「はい」」
「お、おいおい!言ったそばから何でそうなんだよ!?まだ若いし危ねぇよ!」
「問題ない。そうだろう?お前たち」
「「はい」」「うん」「はい」
「忠告ありがとう。行くぞ」
「おいおいおーい!!……くそっ…誰も聞きゃしねぇ…もう知らねぇ。さっさと街戻るぞ」
「そうしよ。リーダーは悪くないよ」「そうそう!」「冒険者なんてみんな人の言うこと聞かない奴らの集まりだもんよ」
せっかくの忠告を無視してちょっと申し訳無いけど、仕方ないよね。俺達はテスラさんの判断に従うし、俺達の実力的にミノタウロスくらいなら倒せる筈だ。
3層への階段を降りる。ここは綺麗に整った石造り。俺のイメージの中にあった迷宮って感じだ。少し薄暗いが、松明で照らされているから大丈夫だと思う。
「ナルア、ノエルを」
「ん?うん、ノエルおいで」
「きたよー」
「ノエル、夜目の魔法を」
「りょーかい」
影から出てきたノエルが俺達全員に魔法をかけてくれる。影を操れるシャドウエレメントだけあって、そういった魔法は得意分野だ。
「すごく見やすくなった。凄いねノエルは!」
「ふふっノエル、ありがとう。僕は夜目が効く方だけど見やすくなったよ。」
「うん、ご主人。魔力ちょーだい」
「どーぞ」
褒められて嬉しそうで可愛い。照れ隠しに魔力を強請ってくる。右手で魔力をあげつつ、左手で撫で撫でする。
「ノエルは魔法も得意なんだね。」
「うん!自慢の従魔なんだ!」
「僕も従魔が欲しくなったよ」
「冒険者ギルドで適性検査をやっているから受けてみればいい。」
「なるほど、今度試してみます。」
「ノエル、徘徊ボスがどこにいるか教えてくれる?」
「んー、さがしてくる」
ノエルが見つけてくるまで、3層のセーフティエリアで休憩になった。お昼には少し早いが、お弁当を開いてみんなで食事を取った。
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