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第3の異世界ー死にたい魔王
第32話 我に返る勇者
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「ぼ、僕は一体……? 今までなにを……?」
「えっ?」
あれ? この人、自分のことを僕なんて言ってたっけ?
起き上がったデムーロニーは困惑した表情で周囲を見回す。
「デニー、もしかして頭をぶつけて記憶を失った? あたしたちのことわかる?」
「君はレフだろう。あとライとセッタ」
「あれ? あたしたちのことは覚えてる。じゃあ記憶はあるのかな? 自分の名前はわかる?」
「デムーロニーだけど……」
「自分が何者かは?」
「僕は勇者だ。弱き人々を魔物の恐怖から救うため、魔王を倒す旅をしている」
「あ、うん。そうだね。うん。その通り……なんだけど」
デムーロニーの様子に、仲間の女は戸惑っているようだ。
俺もなにか変だと思う。
まるで人が変わってしまったようだと。
「君は?」
「えっ? あ、俺はハバン・ニー・ローマンド……です」
「僕はデムーロニー・セイルダンだ。親しい者はデニーと呼ぶ。よろしく」
「よ、よろしく……」
手を出されたので、握手をする。
さっきまでは邪悪な目をしていたデムーロニーが、今は無垢な少年のようにキラキラした眼差しをしていることに俺も困惑した。
「どうやら額を強打した衝撃で、はずれていたネジが締め直ったというところかの」
パソコンのキーをポチポチ叩いてツクナは言う。
「ど、どういうこと?」
「うむ。ちょっと調べたんじゃが、この男は以前に戦いで頭を強打しての。そのとき頭をおかしくして性格が捻じ曲がってしまっていたようじゃ」
「そんなことあるんだ……」
つまりさっきまでのは別人で、今が本来の性格ということか。
「あーそういえば確か前に魔物との戦いで頭を強くぶつけてましたわ。それから性格が少し荒っぽくなったかなーとは思っていましたけれど、なるほどそういうことでしたのね」
「いや、少し荒っぽくどころか、かなり凶悪になってたと思うけど……。気付かなかったの?」
「ぜんぜん」
3人は声を揃えてそう答えた。
ここまで性格が変わっていたら普通おかしいと気付くだろう。なんていうか、この女の子たちは勇者の外見にしか興味がなかったってことなのかな。
「あの、これはどういう状況なんだい? よければ教えてもらいたいのだが」
「あーえっと……その」
じっと見られた俺は、ここであったことを話す。
「……ぼ、僕は……なんてことを」
話を聞いたデムーロニーは頭を抱えてガックリと膝をつく。
「ほ、本当なのか? 僕がそんな横暴な行為をしたというのは?」
周囲に問うも、否定の言葉が返ってくるはずもない。
事実なのだから当然だ。
「いくら頭を強打して我を失っていたからといって、そのような悪逆非道な行いをしていたなんて……。ああ……僕には勇者として……いや、生きる資格すらないっ!」
「えっ? あっ!? ちょっとっ!?」
不意に自分の首元へ剣の白刃を当てたデムーロニーの腕を俺は慌てて掴む。
「は、離してくれっ! 僕は大罪を犯したっ! 死んで償うしかないんだっ!」
「お前が死んでどうなるっ! お前が死んだって、誰も救われないだろうっ!」
「けれどっ!」
「罪を償いたいなら生きて償えっ! お前にしかできない、お前だからできる償いがあるだろうっ!」
「僕にしかできない償い……はっ」
なにかに気付いたように首を上げたデムーロニーが、俺の目を見つめる。
「新たに現れた魔王を倒すこと……。それが僕にしかできない償い」
「そうだ。お前はここで死んじゃいけない。償いたいなら、新たな魔王を倒すんだ。それがここに住む人たちへの救いになり、お前の償いにもなる」
「ハ、ハバン君……。そうだ。その通りだ」
立ち上がったデムーロニーは拳を握り、強い意志の篭った目で部屋の天井を仰ぐ。
「僕は新たに現れた新魔王であるハイパーサタンを倒す。それが大勢の人を救うことになり、僕の償いにもなるのだ」
「うん。その通りだ」
新魔王を彼の力で倒せるかはわからない。しかし勇者にここで死なれては目的が達成できなくなって困るため、自害を止めることができて俺はホッとしていた。
まあそうでなくても、目の前で自害しようとするのを黙って見ているわけにもいかないけど。
「はあ」
ことの収まりに安堵し、やれやれと俺はため息を吐いた。
「えっ?」
あれ? この人、自分のことを僕なんて言ってたっけ?
起き上がったデムーロニーは困惑した表情で周囲を見回す。
「デニー、もしかして頭をぶつけて記憶を失った? あたしたちのことわかる?」
「君はレフだろう。あとライとセッタ」
「あれ? あたしたちのことは覚えてる。じゃあ記憶はあるのかな? 自分の名前はわかる?」
「デムーロニーだけど……」
「自分が何者かは?」
「僕は勇者だ。弱き人々を魔物の恐怖から救うため、魔王を倒す旅をしている」
「あ、うん。そうだね。うん。その通り……なんだけど」
デムーロニーの様子に、仲間の女は戸惑っているようだ。
俺もなにか変だと思う。
まるで人が変わってしまったようだと。
「君は?」
「えっ? あ、俺はハバン・ニー・ローマンド……です」
「僕はデムーロニー・セイルダンだ。親しい者はデニーと呼ぶ。よろしく」
「よ、よろしく……」
手を出されたので、握手をする。
さっきまでは邪悪な目をしていたデムーロニーが、今は無垢な少年のようにキラキラした眼差しをしていることに俺も困惑した。
「どうやら額を強打した衝撃で、はずれていたネジが締め直ったというところかの」
パソコンのキーをポチポチ叩いてツクナは言う。
「ど、どういうこと?」
「うむ。ちょっと調べたんじゃが、この男は以前に戦いで頭を強打しての。そのとき頭をおかしくして性格が捻じ曲がってしまっていたようじゃ」
「そんなことあるんだ……」
つまりさっきまでのは別人で、今が本来の性格ということか。
「あーそういえば確か前に魔物との戦いで頭を強くぶつけてましたわ。それから性格が少し荒っぽくなったかなーとは思っていましたけれど、なるほどそういうことでしたのね」
「いや、少し荒っぽくどころか、かなり凶悪になってたと思うけど……。気付かなかったの?」
「ぜんぜん」
3人は声を揃えてそう答えた。
ここまで性格が変わっていたら普通おかしいと気付くだろう。なんていうか、この女の子たちは勇者の外見にしか興味がなかったってことなのかな。
「あの、これはどういう状況なんだい? よければ教えてもらいたいのだが」
「あーえっと……その」
じっと見られた俺は、ここであったことを話す。
「……ぼ、僕は……なんてことを」
話を聞いたデムーロニーは頭を抱えてガックリと膝をつく。
「ほ、本当なのか? 僕がそんな横暴な行為をしたというのは?」
周囲に問うも、否定の言葉が返ってくるはずもない。
事実なのだから当然だ。
「いくら頭を強打して我を失っていたからといって、そのような悪逆非道な行いをしていたなんて……。ああ……僕には勇者として……いや、生きる資格すらないっ!」
「えっ? あっ!? ちょっとっ!?」
不意に自分の首元へ剣の白刃を当てたデムーロニーの腕を俺は慌てて掴む。
「は、離してくれっ! 僕は大罪を犯したっ! 死んで償うしかないんだっ!」
「お前が死んでどうなるっ! お前が死んだって、誰も救われないだろうっ!」
「けれどっ!」
「罪を償いたいなら生きて償えっ! お前にしかできない、お前だからできる償いがあるだろうっ!」
「僕にしかできない償い……はっ」
なにかに気付いたように首を上げたデムーロニーが、俺の目を見つめる。
「新たに現れた魔王を倒すこと……。それが僕にしかできない償い」
「そうだ。お前はここで死んじゃいけない。償いたいなら、新たな魔王を倒すんだ。それがここに住む人たちへの救いになり、お前の償いにもなる」
「ハ、ハバン君……。そうだ。その通りだ」
立ち上がったデムーロニーは拳を握り、強い意志の篭った目で部屋の天井を仰ぐ。
「僕は新たに現れた新魔王であるハイパーサタンを倒す。それが大勢の人を救うことになり、僕の償いにもなるのだ」
「うん。その通りだ」
新魔王を彼の力で倒せるかはわからない。しかし勇者にここで死なれては目的が達成できなくなって困るため、自害を止めることができて俺はホッとしていた。
まあそうでなくても、目の前で自害しようとするのを黙って見ているわけにもいかないけど。
「はあ」
ことの収まりに安堵し、やれやれと俺はため息を吐いた。
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