虐げられて右腕を失った仮面の王子 天才幼女に機械の右腕をもらってたくさんの異世界(宇宙、現代、ファンタジー世界など)で不幸な者たちを救う

渡 歩駆

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第3の異世界ー死にたい魔王

第40話 よくわからないけど勝つ

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「えっ? なに?」

 わなわなと震えて退くシノンダートを、俺は訝し気に見つめる。

「ミ、ミステリアス……。なんてミステリアスっ! ああ……」

 頭上の数字が変化し、やがて結果が表示される。

「あ、俺が100だ」

 なんかわからんけど勝ったようだ。

「腕がはずれるなんてミステリアスで素敵ーっ!」
「探求心がくすぐられるぅーっ」
「てかミステリアスとかどうでもよくなるくらいちょーイケメン。はぁ……」

 な、なるほど。

 腕がはずれるからミステリアス。ツクナが右腕をはずように言った意味を理解した俺は納得して頷く。

「あああああっ! ミステリアスっ!」

 走り出したシノンダートが崖下へと飛び込んで行った。

 これで2人。あと3人だ。

 はずした腕を元に戻しながら俺は残りの3人を見上げた。

「まさかシノンダートまでもが従者ごときにやられてしまうとは。情けない」
「いや、従者ではないのだが……」
「なかなかのイケメン度を持った男のようだ。しかしハイパーサタン様に仕える我らイケメン5人衆が負けるわけにはいかん。ベッツダイン、ボランノ、今度は貴様ら2人で行け」
「おっけー」
「わかったよリーダー」

 今度は2人の男が舞台へと降り立つ。

「に、2対1か」

 数の有利はほぼ無いのに意味はあるんだろうか?

 男ら2人は黒衣を脱ぎ捨て姿を現す。

「ふむ」

 ひとりはなんかすでに裸の若い男だ。身に着けているのはパンツだけ。たぶん変態だろう。
 もうひとりは少年だ。当たり前だが背も筋肉も俺より劣っている。

「あたしはハイパーサタン様に使えるイケメン5人衆の中でもっとも美しく色気のある男、イケメン・ザ・セクシーことベッツダインよ」
「僕はハイパーサタン様に使えるイケメン5人衆の中でもっとも幼くかわいい男、イケメン・ザ・キューティーことボランノだよ」

 名乗りと同時にそれぞれがポーズを取る。

「うふふ、あたしの色気に気圧されているようね」
「いや、まあ、なんか恐れてはいる」

 パンツ1枚で現れた女みたいなしゃべりかたの変態だし。

「違うよ。僕のかわいさに照れてるんだよ」
「意味がわからない……」

 男をかわいいと思うわけないだろ。

「あなた、なかなか良い男みたいだけど、色気が足りないわ」
「かわいさもね」
「そ、それはイケメン度に関係あるのか?」
「あるわ。色気があったほうがセクシーだもの」
「かわいいほうがキューティーだよ」
「あ、そう……」

 色気とかかわいさって女の魅力ではないのか? よくわからないが、しかしイケメン度に関係があるとしたら、自分に色気やかわいさなんてあるわけがない。

 今回こそは負けるかも……。

 だが負けるわけにはいかないと、俺が勝つ方法を思案していると、

「エキトっ!」
「えっ? うわっ!?」

 リュアンの声と同時に頭上から降ってきた水を浴びてびしょ濡れになる。

「な、なに?」
「わたしの魔法ですっ」
「なぜ俺をびしょ濡れに……?」
「ツクナちゃんの指示で」
「ツ、ツクナ?」

 見上げた先ではツクナが親指を咥える動作をしている。

「今度は親指を咥えろって? なんで? いや、まあいいか」

 指示された通り、俺はずぶ濡れで親指を咥える。

「な、な……」
「えっ?」
「なんてセクシなのーっ! 全身が濡れているっ! それだけでなんて色気を放つのこの男っ! ああ……」

 パンツ1枚男ベッツダインが身体をくねらせて退く。

「キュ、キュートっ!」
「なにが?」
「親指を咥えるっ! それだけでなんてかわいさを出すんだーっ! うあーっ!」

 少年ボランノが頭を抱えて蹲る。
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