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第4の異世界ーはるか遠くの銀河で戦う少年
第90話 ナインレフの正体
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「知り合いかな?」
「違うじゃろ」
確かにどこかよそよそしい雰囲気があった。
「なんかあの場所は他と違うね」
ルカとその誰かが立っている場所は壁際にあり、他よりも多くスペースを取っているように見えた。
「壁サークルというやつじゃ。人気があるからスペースを広く取っておる」
「そうなんだ」
そこでルカはなにをしているんだろうと思いつつ、俺はツクナを連れてその壁サークルとやらに向かう。
「ルカ君」
「えっ? あ、す、すいませんっ。勝手に離れてしまって……」
「いや、大丈夫だよ。彼……いや、彼、女? は知り合いかな?」
猫の頭をしたものを被っているその者は外見から性別を見分けるのは難しかった。
「いえ、知り合いでは……。あの、この方はスリーナイトウォーズを執筆されている漫画家のナインレフ先生です」
「ああ」
確かルカが好きなマンガだったか。
「あ、あの先生っ。この方たちもヨトゥナのナイトで、サミオンのツクナ様とサンパーのハバンさんです」
「……ど、どうも」
ナインレフ先生は篭ったような声であいさつをする。
「あ、はい。どうも」
あいさつを返しつつ、俺は彼女の声をどこかで聞いたような気がしていた。
「今回のスペースコミットではなんとナインレフ先生ご自身が、スリーナイトウォーズのヒロインであるシルセノンちゃんがの同人誌を描いてくださったんですよ。すごいですよね」
「すごいの?」
「すごいですよっ! 普通は同人誌と言ったらプロではない作家さんがプロの描かれた作品を利用して2次創作として作品を描かれるのですけど、今回ナインレフ先生はご自分の作品を利用して2次創作作品を描かれたのですっ。すごいことですよこれはっ!」
「そ、そう。すごいね。うん」
よくわからないが、きっとすごいのだろう。
「あ、あの、まだ開催時間じゃないんですけど、1冊売っていただいてよろしいでしょうか?」
「あ、はい。構いませんよ」
箱から本を取り出したナインレフ先生からルカは薄い書物を受け取る。
「うわーっ! 先生から直接、本を売っていただくなんて感激ですっ! 宝物にしますっ!」
「そ、そんな大袈裟な。ははは……」
さっきからやたら篭った声で話して聞き取りにくいが、この声ってもしかして。
「どんなマンガを買ったの?」
「えっ? あ、いやそれはその……」
気まずそうに目を逸らすルカ君。
どうしたんだろうと俺は首を傾げた。
「エッチな漫画じゃろ」
「エッチなマンガ? それって他のマンガと違うの?」
「目的がの。ほれ」
「あっ!?」
ツクナが人差し指をクイと引くと、薄い書物はルカ君の手を離れて宙を浮いて俺の目前で開く。
「……ふーん。エッチなマンガか」
しばらく見ていた俺は書物を閉じてルカへと手渡す。
「あ、あのその……」
「どうしたの?」
「いえその……わ、私は先に行ってますねっ。警備室はあの通路の先ですからっ」
そう言い残してルカは駆け出し、通路の先へと消えて行った。
「どうしんだろう? ねえテンライトさん?」
「はい。えっ? あ、あの……」
「いやごめん。声と小柄な背格好が似てたし、もしかしてって思って」
戸惑いを見せるナインレフだが、やがて大きく息を吐いて猫の頭を取る。と、中からは以前に書店で会ったテンライトという少女の顔が姿を現した。
「ああ、やっぱり。けどなんで正体を偽っていたんだい?」
「それは……その、身バレを防ぐためにで……」
「ミバレ?」
「プロの漫画家は有名人じゃから、顔を知られると普段の生活に支障が出るということじゃ」
「なるほど」
それなら正体を隠しているのも納得できる。
「……」
「あ、じゃあ俺たちも行くから」
無言で俯くテンライトに背を向けてルカのあとを追おうとすると、
「ま、待ってくださいっ!」
「えっ?」
呼び止められて俺は振り返る。
「違うじゃろ」
確かにどこかよそよそしい雰囲気があった。
「なんかあの場所は他と違うね」
ルカとその誰かが立っている場所は壁際にあり、他よりも多くスペースを取っているように見えた。
「壁サークルというやつじゃ。人気があるからスペースを広く取っておる」
「そうなんだ」
そこでルカはなにをしているんだろうと思いつつ、俺はツクナを連れてその壁サークルとやらに向かう。
「ルカ君」
「えっ? あ、す、すいませんっ。勝手に離れてしまって……」
「いや、大丈夫だよ。彼……いや、彼、女? は知り合いかな?」
猫の頭をしたものを被っているその者は外見から性別を見分けるのは難しかった。
「いえ、知り合いでは……。あの、この方はスリーナイトウォーズを執筆されている漫画家のナインレフ先生です」
「ああ」
確かルカが好きなマンガだったか。
「あ、あの先生っ。この方たちもヨトゥナのナイトで、サミオンのツクナ様とサンパーのハバンさんです」
「……ど、どうも」
ナインレフ先生は篭ったような声であいさつをする。
「あ、はい。どうも」
あいさつを返しつつ、俺は彼女の声をどこかで聞いたような気がしていた。
「今回のスペースコミットではなんとナインレフ先生ご自身が、スリーナイトウォーズのヒロインであるシルセノンちゃんがの同人誌を描いてくださったんですよ。すごいですよね」
「すごいの?」
「すごいですよっ! 普通は同人誌と言ったらプロではない作家さんがプロの描かれた作品を利用して2次創作として作品を描かれるのですけど、今回ナインレフ先生はご自分の作品を利用して2次創作作品を描かれたのですっ。すごいことですよこれはっ!」
「そ、そう。すごいね。うん」
よくわからないが、きっとすごいのだろう。
「あ、あの、まだ開催時間じゃないんですけど、1冊売っていただいてよろしいでしょうか?」
「あ、はい。構いませんよ」
箱から本を取り出したナインレフ先生からルカは薄い書物を受け取る。
「うわーっ! 先生から直接、本を売っていただくなんて感激ですっ! 宝物にしますっ!」
「そ、そんな大袈裟な。ははは……」
さっきからやたら篭った声で話して聞き取りにくいが、この声ってもしかして。
「どんなマンガを買ったの?」
「えっ? あ、いやそれはその……」
気まずそうに目を逸らすルカ君。
どうしたんだろうと俺は首を傾げた。
「エッチな漫画じゃろ」
「エッチなマンガ? それって他のマンガと違うの?」
「目的がの。ほれ」
「あっ!?」
ツクナが人差し指をクイと引くと、薄い書物はルカ君の手を離れて宙を浮いて俺の目前で開く。
「……ふーん。エッチなマンガか」
しばらく見ていた俺は書物を閉じてルカへと手渡す。
「あ、あのその……」
「どうしたの?」
「いえその……わ、私は先に行ってますねっ。警備室はあの通路の先ですからっ」
そう言い残してルカは駆け出し、通路の先へと消えて行った。
「どうしんだろう? ねえテンライトさん?」
「はい。えっ? あ、あの……」
「いやごめん。声と小柄な背格好が似てたし、もしかしてって思って」
戸惑いを見せるナインレフだが、やがて大きく息を吐いて猫の頭を取る。と、中からは以前に書店で会ったテンライトという少女の顔が姿を現した。
「ああ、やっぱり。けどなんで正体を偽っていたんだい?」
「それは……その、身バレを防ぐためにで……」
「ミバレ?」
「プロの漫画家は有名人じゃから、顔を知られると普段の生活に支障が出るということじゃ」
「なるほど」
それなら正体を隠しているのも納得できる。
「……」
「あ、じゃあ俺たちも行くから」
無言で俯くテンライトに背を向けてルカのあとを追おうとすると、
「ま、待ってくださいっ!」
「えっ?」
呼び止められて俺は振り返る。
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