虐げられて右腕を失った仮面の王子 天才幼女に機械の右腕をもらってたくさんの異世界(宇宙、現代、ファンタジー世界など)で不幸な者たちを救う

渡 歩駆

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第4の異世界ーはるか遠くの銀河で戦う少年

第100話 ヴァルキラスの剣レプニール・リーリックラン

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「これは……」

 護衛は失敗。つまりロキシニアス連合の首脳がすべて殺されたというのか。

「そ、そんな馬鹿なっ! 護衛が失敗しただとっ? 20人のサミオンが敗北したと言うのかっ!?」
「わからない。とりあえず行ってみるしか」
「ま、待て。もしもサミオン20人を倒せるような奴がいるとしたら、私たちがそんなところに行っても犬死だ。ここはもう撤退するしか……」
「ルカ君が先に行っているし、そういうわけにもいかない。撤退するにしても、ルカ君を連れ戻してからじゃないと」

 この世界へ来た目的はルカの不幸な人生を修正にするためだ。
 彼を死なせるわけにはいかない。というのもあるが、個人的にも彼のような男は死なせたくないという思いがあった。

「ルカ君を? し、しかし危険だぞ?」
「わかっている。けれど俺は彼の師匠でもあるからね。見捨てることはできない」
「わ、私は……」
「危険なのは事実だ。無理について来なくていい。先に撤退をしていてくれ」

 俯くペイナーを残し、俺はルカの走って行った方角へ目を向けると、その場から駆け出し、

「うわっ!?」

 駆けていたルカの目前までほぼ一瞬で移動した。

「ひとりでは危険だ。一緒に行こう」
「は、はいっ」

 安堵の表情を浮かべたルカを連れ、やがて建物の前に着いてメインホールへ向かう中、俺は違和感に気付く。

 妙だな。

 見回りへ出る前に会場内の地図を確認したので、この先が会場のメインホールという場所なのは間違いない。そこには多くの人たちがいるはずで、それならばイベントスタッフに誘導されて大勢が避難をしてくるはずなのに、向かいから誰かがこちらへ来る様子が無い。

「誰も避難をして来る様子がありませんね。すでに避難したのでしょうか?」
「うん」

 ルカの言う通りすでに避難が完了しているのだろうか? そうでないとしたら、全員が殺されてしまったのか……。

 ともかく現場に行ってみなければわからない。
 駆け続けた俺がメインホールへ着くと、そこには異様な光景があった。

「な、なんだ……?」

 広大な空間に多くの人たちが立っている。
 その人たちはなにをするでもなく、ただ呆然と立ち尽くしているように見えた。

「ここに敵がいるんじゃないのか……?」

 ここがメインホールには違いない。ならば敵はどこにいるのか?

「壇上に誰かが……」
「……む」

 中心の舞台に誰かいる。
 赤い髪の女が足を組んで悠然とイスに座っていた。

「よお、待ってたよハバン・ニー・ローマンド」
「お前は……」

 トイレを出たときに話したナイトの女。
 その女が舞台の上で嘲るような笑顔でこちらを見ていた。

「だが遅かったな。すべて終わった」

 女は足元にあるなにかをこちらへ向かって蹴り飛ばす。

「……っ」

 眼下に転がったそれは誰かの死体。
 ナイトの服装を着た男性のものだった。

「こ、この方は……っ!」

 驚くルカの表情から、この人物が何者かを察する。

「お望みなら他のサミオンや首脳たちの死体もお見せしようか?」
「いや結構」

 女を睨み据えた俺はレヴァンソードを構える。

「お前がヴァルキラスの剣だったのか」
「そうだ。あたしはヴァルキラスの剣のひとり、レプニール・リーリックラン。任務を受けてロキシニアス連合の首脳どもを殺しに来た」
「ならばなぜまだここにいる?」

 首脳たちは全員が殺された。ならば奴がここに留まっている理由などないはず。

「お前を殺すことも任務に含まれているんだよ」
「仲間を殺されたことへの報復か?」
「それもある。あれでもあいつはあたしと同じ立場だ。それが殺されたってなると、あたしの評価もみくびられる。舐められるってのは不愉快だからね」
「俺はそれほど苦も無くあのデズター・デルガモットという男を殺した。同じ立場のお前が俺を殺せると思うのか?」
「同じ立場でも、あたしはあの男ほど馬鹿ではない。それを今から証明してやろう」
「……」

 来るか。

 身構えるも、しかしレプニールは動かない。
 変わらずイスの上で足を組んで座っていた。

「ヨトゥナと戦うとき、もっとも効率的な方法がある。それがなにかわかるか?」
「いや……」
「こういうことだ」

 レプニールの視線が右を向く。と、誰かが壇上へと飛び乗る。

「あれは……」

 壇上に飛び乗ったのは頭に被り物をした女性。ルカの友人であるテンライトだ。
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