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グレン、送りオオカミになる
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ううん。ぬくい。
いい匂い。グレン様の匂い?チチチチと
鳥の鳴き声とぶるぶると馬の鼻息。
うん?馬?
目を開けると目の前に、馬の顔。
「えっ?なんで?」
あれ?私?と混乱しているとお馬さんは
鼻先を私を抱き込んで寝ているグレン様に
押し付ける。
まるでいつまで寝てんだよ。
と言っているよう。
「ああ?コルト何だ。もう少し寝かせろ」
グレン様はそう、お馬さんに返事をすると
もう一度、私を抱きしめ直し、寝に入ろう
とする。
グレン様のお馬さん主人が寝てしまい放置
されて暇をもて余した感じ。
やっと起きたかという風情で歯を剥く。
いや、いやどういう状況?
ていうか、ここは王宮の女神像の庭だ。
女神像の手前にある四阿。
ベンチに二人で寝ているこの状況は何?
日が高い。
すでに正午頃?
朝靄の早朝から昼まで寝てた?
ええ!嘘でしょ?
グレン様、寝直すのやめて。
ありがとう。お馬さん。起こしてくれて!
「グレン様、グレン様。寝ないで下さいよ」
眠そうにグレン様が目を開ける。
寝ぼけまなこのグレン様はレア。尊いです。
「お前がそれを言うか?何をしても起き
なかったったクセに。
俺は女神像から先には行けないんだぞ。
どうすりゃいいんだ。
アニエスが起きて自分で王女宮に歩いて
行かなきゃならんのに起きない。
起きるのを待っていたら俺まで寝たぞ。
昨日は色々ありすぎて俺も寝ていなかった
のだから仕方ないだろう」
グレン様はちょっと責めるように言うと
首をコキコキさせる。
すみません。
ご迷惑をおかけしたようで。
王宮に着いても私が起きなくて仕方なく
四阿で休んでいたようです。
ホントごめんなさい。
でも、泣いてぐっすり寝たらすっきりした。
お腹はすいているけど、
だいぶ気分が良くなった。
「泣いたから目。腫れてしまったな」
グレン様は私の瞼をペロリと舐める。
ヒィィ~っ!なんで舐めるの?
「舐めないで下さいよ!」
「舐めなきゃ治らないだろう?実は俺は
治癒魔法が苦手でな。舐めないと治せない
んだよ。だから我慢な?アニエス」
グレン様が右手を胸に当て神妙な顔で言う。
「えっ?グレン様が舐めるのは治療のため
だったのですか?すみません。ただの変態
だと思ってました」
「はは!変態だと?ずいぶんだな。だいたい
俺が変態で国が滅ぶか?」
「イイエ。滅ビマセンガ……」
なんで?国が滅ぶ話になるの。グレン様の
謎の開き直りに頭が痛い。
でも、鏡を見なくても瞼が軽くなったのが
分かる。腫れが引いたみたい。
でも、舐めないと治せないなんて、不便
だなぁ。グレン様の治癒魔法。
でも、ありがとうございます。グレン様。
目を腫らして帰ったら姫様に心配かける
ところだった。
「ありがとうございました。 グレン様。
遅くなってしまいました。私、帰りますね」
立ち上がりグレン様に頭を下げて歩き出した
所で後ろから肩を掴まれる。
「待て。その足、どうした?」
足?ああ、昨日赤草を探して駆け回ったから
豆が潰れているんだった。
歩き方が変だった?
「ああ、足ですか。これ、豆が潰れてしま
ってちょっと痛くて。歩き方が変でした?」
「……見せてみろ」
「えっ!足をですか?ムリムリ。大した事
ないですよ。ありがとうございます。でも
大丈夫ですよ」
「……見せてみろ」
だから、グレン様に足を見せるなんて無理。
「大丈夫ですってば!」
断固拒否します。無理なものは無理。
グレン様がニヤリと笑う。
ひぃ~っ。何その笑い。
魔王が降臨した。
「……そんなにお仕置きされたいのか?
アニエス、今すぐ見せろ」
ひえっ。お仕置きってあのエロエロな
イロイロな事ですか?
いや、いやどっちもムリ。
思わず後ろに後退る。
すると植物の蔦蔓が地面から、生えてきて
私に絡みつく。
えっ?植物魔法?
両手を後ろに絡め捕られ拘束され、
グレン様の方へ引き寄せられる。
「何、魔法を使ってるんですか。離して!」
「燃やしても無駄だぞ?じっとしてろよ」
ベンチに、座らされ靴を脱がされる。
スカートの中に手を入れガーターベルトを
外し、靴下を剥ぎ取られる。何するの~!
何?この状況。
「やだ、やめてってば」
「どこが大した事ないだ。結構ひどいぞ」
まあ、分かってますって。新しい靴だった
から豆だけでなく靴擦れもできている。
ちょっと靴は支給品はやめた方がいいかも。
長く走るとこれだもの。
「靴が合ってないんじゃないか?靴もボロ
ボロだし、近いうちに買いに行くか。
身体強化を多用するから普通の靴じゃ駄目
だろう。お前だと魔道具クラスの物にしな
いと足も靴ももたないぞ」
えっ?そうなの。だからすぐに靴が駄目にな
るんだ。本宮の侍女頭に頻回に支給申請する
から嫌がられているもん。
目からウロコ。
グレン様は私の足首を持っておもむろに私の
足を舐め初めた。慌てる私。
「いやいや、何で舐めるの~!グレン様、
汚ないです。汚いってば!なんの拷問?!」
「拷問?治療だろ」
「うそ、うそ!拷問でしょ~!!」
「痛みが引いてきたはずだぞ。黙ってじっと
しいてろ。すぐに済む」
と、舌を出しながら器用に話すグレン様。
確かに痛みは引いたけど
なんか手つきがあやしい。
「せめて、蔦蔓をとって下さいよぅ」
「……」
もはや無言。
ペロペロと舐められる度に痛みが引いて
いく。うっ、痛い方がマシ。
汚ないのに、汚ないのに。
舐められちゃった。
くすぐったいし、恥ずかしくて居たたまれ
ない。ぞくぞくと甘い痺れが舐められる度に
体に走る。うっかりへんな声が出そう。
両手を拘束されているので口をおさえる
事もできない。
やっぱり拷問なんじゃ。
羞恥や甘い刺激で全身真っ赤に染まる頃
には息も絶え絶えだった。
殺される。魔王に殺される。
その魔王は丁寧に私の両足を舐め終わると
片方の足首を掴みしげしげと足を観察する。
やめて、足を高く挙げたらスカートの中が
見えちゃう。
「……ん、治ったな」
治った?終わったの?助かった。
もう、これ以上ムリ。
「……グ、グレンさま。はなして?」
とりあえず嘆願してみる。ベンチに座る私の
前に跪くグレン様が私の足首を持ったまま
チロリと上目遣いで私を見る。
金色の瞳と目線が合う。
ヤバい。食われる。捕食者の顔だ。
グレン様の口角上がる。
「アニエス、ちょっと補充させろ」
同時に私の足にグレン様の手が這う。
や、何?スカートをめくらないでぇ~。
補充って何?
ひゃ~っ。撫で回す手が段々上に上がって
くる。や・や・やん。ムリ~!!
ジタバタするが、どうにもならない。
「やん。やぁん。グレン様、や~」
「いい声だな。もっと啼かすか?」
何言ってるんですか、この魔王。
これ以上何かしたら私、死んじゃう。
グレン様は私の足の間に顔を埋める。
何すんのこの変態!
内腿に唇を寄せる。そんなとこにキスしな
いで。チリっとした痛みが走る。
何ヵ所かキスすると満足顔で顔を上げる。
「ん、堪能した。これでしばらく頑張れる」
やっと拘束を解いてくれた。
グレン様の馬鹿。
何て事するんですか。
「綺麗に赤く染まったものだな。タコみたい
だぞ?アニエス」
「もう、タコって何?グレン様の馬鹿」
グレン様の胸をポカスカ叩く。
もう、もう。
「ははは!タコが怒ったな」
「タコじゃないですぅ!」
「ははは!」
「ずいぶん楽しそうですな。グレン様」
じゃれ合う私達の後ろから、冷ややかな
声がかかる。オーウェン様がグレン様のお
馬さんを撫でながら立っていた。
「まっ昼間から屋外で何をしているの
でしょう。女性のスカートの中に頭を突っ
込んで……ふふふ、グレン様?順序を守れと
言ったはずですが。……死にたいか?小僧」
笑いながら怒るオーウェン義父様。
グレン様も驚いている。
「のぞきか?オーウェン。いい趣味だな」
「少し黙りましょうか。燃やされたくは
ないでしょう?
アルフォンスからは早朝に侯爵邸を出たと
聞いたのに、なかなか戻ってこないと思えば
……こんな所でうちの可愛い義娘に何をして
いるのです?この送りオオカミが!」
「ああ、休憩だな。良く寝たし、アニエスを
補充した。うん、満足だ」
「御前会議があります。早く戻って下さい」
「やっとか。遅いな対応が。アルバートの
怒りが目に見えるようだ」
グレン様は私をまた引き寄せると頬に
そっと口付けた。
「またな?アニエス。俺は行く。お前も戻れ」
御前会議『穴』からワイバーンの件だよね。
ギュッとグレン様の上着を引っ張り、背伸び
をして私もグレン様の頬に口付けた。
「行ってらっしゃいませ」
ニッコリ笑うと驚いた顔のグレン様が
破顔する。
「悪くないな。行ってくる」
くしゃくしゃと私の頭を撫でて
グレン様は離れて行った。
「アニエス、後で話がある」
遠慮がちにオーウェン様が声をかけてくる。
「はい、私も聞きたい事があります」
「そうだろうね。いずれ近い内に必ず話す。
ああ、ゴドフリーの事。ありがとう。
本当にありがとう。今は急ぐからまたね」
グレン様とオーウェン様はそのまま立ち
去った。
二人を見送ると私も王女宮に戻る。
長い道草をしてしまった。
やっと帰る。
主の元に。
私は首を振ると女神像目指し歩き出した。
いい匂い。グレン様の匂い?チチチチと
鳥の鳴き声とぶるぶると馬の鼻息。
うん?馬?
目を開けると目の前に、馬の顔。
「えっ?なんで?」
あれ?私?と混乱しているとお馬さんは
鼻先を私を抱き込んで寝ているグレン様に
押し付ける。
まるでいつまで寝てんだよ。
と言っているよう。
「ああ?コルト何だ。もう少し寝かせろ」
グレン様はそう、お馬さんに返事をすると
もう一度、私を抱きしめ直し、寝に入ろう
とする。
グレン様のお馬さん主人が寝てしまい放置
されて暇をもて余した感じ。
やっと起きたかという風情で歯を剥く。
いや、いやどういう状況?
ていうか、ここは王宮の女神像の庭だ。
女神像の手前にある四阿。
ベンチに二人で寝ているこの状況は何?
日が高い。
すでに正午頃?
朝靄の早朝から昼まで寝てた?
ええ!嘘でしょ?
グレン様、寝直すのやめて。
ありがとう。お馬さん。起こしてくれて!
「グレン様、グレン様。寝ないで下さいよ」
眠そうにグレン様が目を開ける。
寝ぼけまなこのグレン様はレア。尊いです。
「お前がそれを言うか?何をしても起き
なかったったクセに。
俺は女神像から先には行けないんだぞ。
どうすりゃいいんだ。
アニエスが起きて自分で王女宮に歩いて
行かなきゃならんのに起きない。
起きるのを待っていたら俺まで寝たぞ。
昨日は色々ありすぎて俺も寝ていなかった
のだから仕方ないだろう」
グレン様はちょっと責めるように言うと
首をコキコキさせる。
すみません。
ご迷惑をおかけしたようで。
王宮に着いても私が起きなくて仕方なく
四阿で休んでいたようです。
ホントごめんなさい。
でも、泣いてぐっすり寝たらすっきりした。
お腹はすいているけど、
だいぶ気分が良くなった。
「泣いたから目。腫れてしまったな」
グレン様は私の瞼をペロリと舐める。
ヒィィ~っ!なんで舐めるの?
「舐めないで下さいよ!」
「舐めなきゃ治らないだろう?実は俺は
治癒魔法が苦手でな。舐めないと治せない
んだよ。だから我慢な?アニエス」
グレン様が右手を胸に当て神妙な顔で言う。
「えっ?グレン様が舐めるのは治療のため
だったのですか?すみません。ただの変態
だと思ってました」
「はは!変態だと?ずいぶんだな。だいたい
俺が変態で国が滅ぶか?」
「イイエ。滅ビマセンガ……」
なんで?国が滅ぶ話になるの。グレン様の
謎の開き直りに頭が痛い。
でも、鏡を見なくても瞼が軽くなったのが
分かる。腫れが引いたみたい。
でも、舐めないと治せないなんて、不便
だなぁ。グレン様の治癒魔法。
でも、ありがとうございます。グレン様。
目を腫らして帰ったら姫様に心配かける
ところだった。
「ありがとうございました。 グレン様。
遅くなってしまいました。私、帰りますね」
立ち上がりグレン様に頭を下げて歩き出した
所で後ろから肩を掴まれる。
「待て。その足、どうした?」
足?ああ、昨日赤草を探して駆け回ったから
豆が潰れているんだった。
歩き方が変だった?
「ああ、足ですか。これ、豆が潰れてしま
ってちょっと痛くて。歩き方が変でした?」
「……見せてみろ」
「えっ!足をですか?ムリムリ。大した事
ないですよ。ありがとうございます。でも
大丈夫ですよ」
「……見せてみろ」
だから、グレン様に足を見せるなんて無理。
「大丈夫ですってば!」
断固拒否します。無理なものは無理。
グレン様がニヤリと笑う。
ひぃ~っ。何その笑い。
魔王が降臨した。
「……そんなにお仕置きされたいのか?
アニエス、今すぐ見せろ」
ひえっ。お仕置きってあのエロエロな
イロイロな事ですか?
いや、いやどっちもムリ。
思わず後ろに後退る。
すると植物の蔦蔓が地面から、生えてきて
私に絡みつく。
えっ?植物魔法?
両手を後ろに絡め捕られ拘束され、
グレン様の方へ引き寄せられる。
「何、魔法を使ってるんですか。離して!」
「燃やしても無駄だぞ?じっとしてろよ」
ベンチに、座らされ靴を脱がされる。
スカートの中に手を入れガーターベルトを
外し、靴下を剥ぎ取られる。何するの~!
何?この状況。
「やだ、やめてってば」
「どこが大した事ないだ。結構ひどいぞ」
まあ、分かってますって。新しい靴だった
から豆だけでなく靴擦れもできている。
ちょっと靴は支給品はやめた方がいいかも。
長く走るとこれだもの。
「靴が合ってないんじゃないか?靴もボロ
ボロだし、近いうちに買いに行くか。
身体強化を多用するから普通の靴じゃ駄目
だろう。お前だと魔道具クラスの物にしな
いと足も靴ももたないぞ」
えっ?そうなの。だからすぐに靴が駄目にな
るんだ。本宮の侍女頭に頻回に支給申請する
から嫌がられているもん。
目からウロコ。
グレン様は私の足首を持っておもむろに私の
足を舐め初めた。慌てる私。
「いやいや、何で舐めるの~!グレン様、
汚ないです。汚いってば!なんの拷問?!」
「拷問?治療だろ」
「うそ、うそ!拷問でしょ~!!」
「痛みが引いてきたはずだぞ。黙ってじっと
しいてろ。すぐに済む」
と、舌を出しながら器用に話すグレン様。
確かに痛みは引いたけど
なんか手つきがあやしい。
「せめて、蔦蔓をとって下さいよぅ」
「……」
もはや無言。
ペロペロと舐められる度に痛みが引いて
いく。うっ、痛い方がマシ。
汚ないのに、汚ないのに。
舐められちゃった。
くすぐったいし、恥ずかしくて居たたまれ
ない。ぞくぞくと甘い痺れが舐められる度に
体に走る。うっかりへんな声が出そう。
両手を拘束されているので口をおさえる
事もできない。
やっぱり拷問なんじゃ。
羞恥や甘い刺激で全身真っ赤に染まる頃
には息も絶え絶えだった。
殺される。魔王に殺される。
その魔王は丁寧に私の両足を舐め終わると
片方の足首を掴みしげしげと足を観察する。
やめて、足を高く挙げたらスカートの中が
見えちゃう。
「……ん、治ったな」
治った?終わったの?助かった。
もう、これ以上ムリ。
「……グ、グレンさま。はなして?」
とりあえず嘆願してみる。ベンチに座る私の
前に跪くグレン様が私の足首を持ったまま
チロリと上目遣いで私を見る。
金色の瞳と目線が合う。
ヤバい。食われる。捕食者の顔だ。
グレン様の口角上がる。
「アニエス、ちょっと補充させろ」
同時に私の足にグレン様の手が這う。
や、何?スカートをめくらないでぇ~。
補充って何?
ひゃ~っ。撫で回す手が段々上に上がって
くる。や・や・やん。ムリ~!!
ジタバタするが、どうにもならない。
「やん。やぁん。グレン様、や~」
「いい声だな。もっと啼かすか?」
何言ってるんですか、この魔王。
これ以上何かしたら私、死んじゃう。
グレン様は私の足の間に顔を埋める。
何すんのこの変態!
内腿に唇を寄せる。そんなとこにキスしな
いで。チリっとした痛みが走る。
何ヵ所かキスすると満足顔で顔を上げる。
「ん、堪能した。これでしばらく頑張れる」
やっと拘束を解いてくれた。
グレン様の馬鹿。
何て事するんですか。
「綺麗に赤く染まったものだな。タコみたい
だぞ?アニエス」
「もう、タコって何?グレン様の馬鹿」
グレン様の胸をポカスカ叩く。
もう、もう。
「ははは!タコが怒ったな」
「タコじゃないですぅ!」
「ははは!」
「ずいぶん楽しそうですな。グレン様」
じゃれ合う私達の後ろから、冷ややかな
声がかかる。オーウェン様がグレン様のお
馬さんを撫でながら立っていた。
「まっ昼間から屋外で何をしているの
でしょう。女性のスカートの中に頭を突っ
込んで……ふふふ、グレン様?順序を守れと
言ったはずですが。……死にたいか?小僧」
笑いながら怒るオーウェン義父様。
グレン様も驚いている。
「のぞきか?オーウェン。いい趣味だな」
「少し黙りましょうか。燃やされたくは
ないでしょう?
アルフォンスからは早朝に侯爵邸を出たと
聞いたのに、なかなか戻ってこないと思えば
……こんな所でうちの可愛い義娘に何をして
いるのです?この送りオオカミが!」
「ああ、休憩だな。良く寝たし、アニエスを
補充した。うん、満足だ」
「御前会議があります。早く戻って下さい」
「やっとか。遅いな対応が。アルバートの
怒りが目に見えるようだ」
グレン様は私をまた引き寄せると頬に
そっと口付けた。
「またな?アニエス。俺は行く。お前も戻れ」
御前会議『穴』からワイバーンの件だよね。
ギュッとグレン様の上着を引っ張り、背伸び
をして私もグレン様の頬に口付けた。
「行ってらっしゃいませ」
ニッコリ笑うと驚いた顔のグレン様が
破顔する。
「悪くないな。行ってくる」
くしゃくしゃと私の頭を撫でて
グレン様は離れて行った。
「アニエス、後で話がある」
遠慮がちにオーウェン様が声をかけてくる。
「はい、私も聞きたい事があります」
「そうだろうね。いずれ近い内に必ず話す。
ああ、ゴドフリーの事。ありがとう。
本当にありがとう。今は急ぐからまたね」
グレン様とオーウェン様はそのまま立ち
去った。
二人を見送ると私も王女宮に戻る。
長い道草をしてしまった。
やっと帰る。
主の元に。
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