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友達

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「あなた凄いわね。2歳児なのに歳上の村の子供達をやっつけるなんて」

 ジュナは俺にいう。まぁそれについては俺も驚いている、というよりは男の弱点を蹴り上げてやれば問題はないだろう。

「キナ。お願いがあるんだけど」
「ん?なんですかジュナさん」
「ジュナでいいわよ。その。私、魔法の属性適性が2つあって村のみんなが不気味がって私を化け物とかいうの」
「へ、へー。そうなんですか」

 魔法適性の属性が2つあることは頭の中を見て知っているが知らないふりで返事をする。

「それでみんな私から離れていって友達がいなくなったの。だから、私と友達になってくれない?」
「俺は5歳年下ですけどいいんですか?それにそんなことをいうなら兄も俺のことを気持ち悪いと思っていますよ」

 俺がジュナに言うとジュナは笑顔で

「歳は気にしないしそれに私もアルバーラはあまり好きじゃないからいいの。俺がドーマ家の長男だー!とか言って女に自慢してるのきもいし」

 兄よ。そんなくだらないことをしていたのか・・・。弟は恥ずかしいです。

「それで友達になってくれる?」
「もちろん。俺も友達が欲しかったんです。ありがとう。ジュナ」

 俺は握手をするために手を出すと喜んでジュナは手を握ってくれた。ああ。女の手ってこんな柔らかいんだ。母の手とか生まれてから握ったことないからなぁ。
 そんなことを思いながら俺はジュナと友達になり、4歳児になるまで俺はジュナと村でたくさん2人で遊んだ。
 ジュナは2歳の俺にたくさんのことを教えてくれた。薬草のこと、回復魔法。そして火の魔法や水の魔法を見せてくれたりもした。現実にリアルで見た魔法は最高だなと思いながらジュナの魔法を見ていた。

「2年も経つのははやいね。私達特に変わった遊びとかもしてないのにね」
「そうだね。2人で勉強とか読書したりとか追いかけっことかそんなことしかしてないのにな」

 俺とジュナは本当に変わったことはしていない。それほどまでにジュナと会っての2年は凄く楽しかった。
 そんな俺たちにも最近悩みができていた。それはうちの妹、ミワだ。

「キナの妹のミワちゃんかな。あの娘も私達と遊びたがってるの?」
「そうなんだよ。兄さんと父さん達は俺に関わらせないようにしているんだけど・・・」

 4歳になった俺は兄を兄さん、父、母を父さん、母さんと呼ぶようになっていた。妹のミワは俺にかまいたがっているが兄さん達は俺をミワと関わらせないようにしていた。まぁ俺もミワのこと少し怖いから好都合なんだが。

「私は別にキナがミワちゃんを入れて私達と遊びたいなら私は気にはしないけど」

 ジュナは俺にいうが俺はそれはなーとうーむと考えていた。
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