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帝国の騎士 マガー・ラガー 4

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「ここを出て、アザトス、村を出たら、新しい町、シソンタウン、に向かう、だろうが、その道中、エルフを封じた、結界が、あるから、そこに行って、エルフの、保護を、頼む。俺様は、あいつらだけは、嫌いに、なれなくて、な。封じる、だけにしたんだ。多分、あの、姉ちゃん、なら、感じる、と思う、ぞ。たいした、情報を、教えられ、なくて、すま、ない」
「いいさ。たくさんの情報をくれたんだ。感謝している」
「最後に頼み、を。俺様、に変わって、アラクスウ、6世、様を、頼む。あの、方は、メギスの、やろう、どもに、あやつら、れているような、もんなんだ、だから、たの、む」

 マガーはそこまで言って最後に大量の血を吐くと首が下を向いたまま動かなくなった。

「いや、マガー・ラガー。敵である俺に情報を教えてくれてありがとう。お前メギスという帝国の悪、アラクスウ6世の傍にいる奴らを許せなかったんだろう。お前の最後の頼みは必ず成し遂げる。最優先は俺たちの、幻の大地に踏み入る敵の排除と俺たちを殺そうとするやつの抹殺だがな。ヨトリ。マガーの遺体の処理を頼む」

 俺はヨトリに言うとヨトリは

「は?私水魔法しか使えないからどうにもできないわよ?それにこいつあなた達には有益な情報をくれたけど私には何もなかったじゃない。得のない仕事はする気はないわ。だから、えーと。あんた名前は?」
「キナだよ。キナ・ドーマ」
「おけおけ。じゃキナ。処理頼んだわよ。私も都市とやらに馴染むようにするわ。少しの間だけでもね」

 ヨトリはそう言ってチドラ達が向かった方向に歩いて行き、俺はヨトリが行った後にマガーの体を土魔法で出して火魔法で遺体を燃やして幻の大地に埋めた。
 マガーの遺体の処理が終わると俺も亜人都市に向かう。亜人都市の入り口の門でヨトリとゴブゴブリンの門番が揉めていた。

「なんだ人間の女!ここは亜人の聖域!人間で入ってよいのはミワ様と我らの主人キナ様だけだ!」
「私はキナの客人よ。だから入れなさい。何度言わせるのよもう。あなた達は人間の言葉が理解できないのかしら?」

 ヨトリはゴブゴブリンに当てつけのように言うと門番の1人が剣を抜き

「貴様あ!それ以上の侮辱は許さんぞ!」
「待て!」

 俺はゴブゴブリンがヨトリに斬りかかろうとするのをとめる。

「こ、これは主人様!」
「この人は客人だ。しばらくは俺と行動を共にする。だから丁重に扱え。しかしこいつが余計なことをすれば斬ることをゆるす。だから今はその剣をおさめろ」

 俺が言うとゴブゴブリンの門番は剣を戻して亜人都市の門を開いた
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