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酸の魔法

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「こん、のクソ!クソ害虫がぁぁぁぁぁ!よくも!よくもよくもよくも!この私の顔に傷をぉぉぉぉ!」

 アドンは激怒し背中に装備していた大鎌を抜く。鎌の先端からピタピタと液体が垂れており垂れた液体は地面をと化し続けていた。

「害虫。いやキナ・ドーマ。私にこれを抜かせた事を褒めてやる。これからは貴様は害虫ではなくキナと呼んでやろう」
「そうかい。別にあんたに覚えられようが覚えられまいが気にはしないが。アルフレ。あの鎌には気をつけろ」

 俺はアルフレに言うとアルフレはうなづき

「本来ならこいつを使う気はなかったし戦いもする気はなかったんだがなぁ。貴様はやばいと私の中の何かが言うからなぁ。ここで始末してやるよ。キナ!女神様はかなり痛めつけた後にビーナ様に献上してやるよ!」

 アドンは鎌を振るい、俺とアルフレは攻撃を避けたがアドンの鎌の液体が俺の服に当たり、当たった部分が溶ける。

「俺の鎌には強力な酸が塗ってあってなぁ。1度でも人体に触れればその部分は完全に溶かすぜぇ。こういう風によぉ!」

 アドンは見せしめでカーネスの体に鎌の液体を垂らしまくるとカーネスの体は数分で骨も残らず溶けていた。

「きぃやあああはっ!最高だな!人を溶かすってのはマジで最高だぜ!なぁ!そうだろ!キナァ!」
「わかんないな。お前のその変態的な趣味は!」

 俺はアドンに近づかないよう魔法で攻撃し、アルフレも俺と同じように攻撃する。

「きゃっは!どこの奴らとも同じ戦い方で笑えるぜ!対策は既にできてんだよ!くらえ!鎌の酸撃!」

 アドンは鎌から斬撃のように酸を飛ばしてくる。

「土壁!」

 俺は土壁で防ごうとしたが

「ダメ!キナ!避けて!」

 俺はアルフレの言葉で反射的に避ける。危なかった。俺の土壁はアドンの攻撃を防ぐどころか土壁ごと溶かして斬撃が飛んできていた。

「ちっ。女神様。余計なことは言うことじゃありませんよ」
「あら。味方に助言するのは当たり前のことです。それにあなたの攻撃はどれも危ないですからね」

 アルフレはアドンに言うとアドンは

「仕方ありません。あなたは邪魔ですから先に消してしまいましょう。では溶けてお亡くなりになってください。私の魔法、闇属性魔法の酸にて。これはもはや闇属性ではないですがね。規格外の魔法は闇属性魔法と言われてきましたが私の酸はもうその域を超えている。もはや外道魔法ですね!」

 アドンは手を出すとアルフレに向けて

「酸・シャワー!」

 強力な酸の液体をアルフレに飛ばす。アルフレはブライト・アローで応戦したが全てをはじくことはできず数滴当たりそうになる。俺はもちろん加勢に行こうとしたが、アドンは魔法をアルフレに放った後また鎌で俺に攻撃してきて俺はアルフレに加勢できなかった。

「アルフレー!」

 俺が叫ぶとアルフレの前に大量の水魔法が放たれてアドンの魔法は全て撃ち落とされた。
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