上 下
174 / 206

惨状

しおりを挟む
「ジョー!」

 俺がジョーに駆け寄るとジョーは目を覚まして

「こ、これはキナ、殿。お身を苦しい、ところを、お見せ、して、申し訳、ない」
「そんなことは構わん!それより手当てを」

 俺がジョーの手当てをしようとするとジョーは俺の手を掴んで

「キナ、殿。女神、様、ジュナ、様、ミワ様、は避難が、すんで、いますから、大丈夫、です。私がしんがりを、つとめ、ましたから。生きて、おり、ます。マムラ、殿がジゴウ、村に、連れて行って、くれま、した。ヨトリ殿、も、護衛、で一緒に行ってもらい、ました」
「わかった。ありがとう。だからもう話すな!」

 やばい。出血の量がすごすぎる。このままじゃ死んでしまう。こんな時にミワほど回復魔法のエキスパートがいれば。俺の手当てでは間に合わない!

「ふ、ふふ。キナ殿、そんな顔を、せずとも、自分がもう、ダメなことくらいは、わかってらいます。オズは、クロカゲ、という奴らを手下に、襲ってきました。どう、やらゴートの処置に不満だったテゴウ村の、村人、がそそのかれたらしく」

 ごほっごほっと血を吐きながらもジョーはいうとジョーの目はだんだん虚になっていき

「あ、ああ。女神様、おむかえに、きてくれ、たんです、ね。今、いきます、から」

 ジョーはおもむろにてをのばし俺は

「待て!ジョー!お前は助かる!まだいくな!」
「・・・ふ、ふふ。あり、がとう、ござい、ます。キナ、殿。どうか、女神様、アルフレ、様をよろし」

 ジョーは俺にアルフレのことを頼むとそこで息絶えた。

「あら?その人死にはりましたん?いやはやしぶとかったですわ。もう1人も豆鉄砲みたいな攻撃をなんかいもしはりましてうざいですわー」

 オズが笑いながら俺に言うと俺の代わりに攻撃してくれていたチドラと俺は代わり

「おいチドラ。こいつは俺がやる。チドラ達はクロカゲとかいうよくわからんこいつらの手下をやってくれ。多分ゴートのやつがおうせんしてるからな」
「・・・任せていいのか主人?」
「ああ。安心しろ。こいつは責任を持って俺が殺す」

 俺があの時、なりふり構わずオズを殺しておけばジョーは死なずにすんだ。だからこそ責任を持ってこいつは

「俺が殺す」

 俺はオズに言うとオズは

「は、はは。あっしはあんさんとやるほどバカじゃありまへん。残念ですけど逃げさせてもらいますわ。こんくらいボコっておけば変な気をおこそうとはおもいはらんやろうしな」

 オズが逃げようとしたところに俺は先回りしてまずはオズの片腕を斬り落とした。
しおりを挟む

処理中です...