上 下
189 / 206

ザオーガの固有能力

しおりを挟む
「せい!」

 ホワッツは鬼剣を大振りで振り下ろすと、ベルガルフじいは受け止めずに避ける。

「どうしたんじゃ。さきほどみたく受け止めればよいではないか」
「・・・わしはそんな馬鹿じゃない。今のを受けとめれば、武器ごと片腕をやられていた」
「ほう。よくわかったのう。しかしそれはやってみなければわからんではないか。わしの剣の強度にもよるんじゃからのう!」

 ホワッツはベルガルフじいを薙ぎ払ったりすると薙ぎ払った斬撃が遠くに離れていた俺たちのところにまでくる。

「あ、あぶない!ロック・ウォール!」

 俺は咄嗟に岩の壁を張ってとんできた斬撃を防ぐ。あいつ!好きにやりすぎだろ!

「おい!シュラ!」
「だめだぞ主人。あれはもう俺にもとめられん。あれは師匠の完全な鬼人モードだ」

 鬼人モード?なんだそれ?そんなのザオーガにあるなんて聞いてないぞ。

「鬼人モードはそれぞれで違うし呼び方も異なる。ザオーガにのみ使える固有の能力みたいなものだ。ちなみに使用している間は理性がほとんどなくただ戦闘を楽しむだけの鬼になる。だからさっき師匠は言ったんだよ。巻き込まれてもしらんとな」

 シュラはホワッツの今の状態を説明し、俺はホワッツの鬼人モードの戦闘を見るともはや圧勝としかいえないレベルの戦いだった。

「それそれ。わしを楽しませてくれるんじゃないのか?まだまだできるじゃろ?もったいぶらずに本気でやってよいのじゃぞ?」
「ちっ!」

 ホワッツは攻撃しつつベルガルフじいも風魔法?かはわからないが風の刃でホワッツの肌をきりつけていくがホワッツはそんなことは気にせずどんどん斬りまくる。

「それそーれ!」
「うっぐ!わしの斬撃を受けながら攻撃するなど。この化け物め!」
「褒め言葉としてしか受けとらんぞその言葉は。さっさと死んでしまえ」

 ホワッツの攻撃をベルガルフじいは何度も避けていたが攻撃しつつ避けていたので疲れがではじめたのかバランスを崩し、ベルガルフじいは体を横に倒してしまう。

「・・・しまった」
「終わりじゃ。鬼剣・白の斬撃」

 ホワッツはベルガルフじいの上半身と下半身を一閃しベルガルフじいは上半身と下半身がわかれて即死した。ホワッツはかえり血をあびて

「これじゃこれ!血じゃ!濃ゆいのう濃ゆいのう!もっとわしに血を見せてくれんかのう!」

 ホワッツはベルガルフじいの死体をみるかげもなくなるくらいに細かく刻み、ベルガルフじいだった人の体がなくなると鬼人モードとやらは落ちついた。
しおりを挟む

処理中です...