四人の関係

鳴神楓

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開発 2

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みんなでひとしきり笑った後、護が佳暁様に「このまま次いきますか?」と聞いた。
今まで四人でする時は、佳暁様は一度では満足出来ないので、相手を変えて二、三回、時にはそれ以上していた。
今日は聡は挿入を禁止されているし、オレも抱かれる方に変わってしまったので、必然的に二回目も護が、ということになるはずなのだが、佳暁様はなぜか少し考える様子を見せた。

「んー、今日はもう、いいかな……。
 お前達がそれでよければ、今日はもうこのまま眠りたい」
「よろしいのですか?」

聡の問いかけに、佳暁様がうなずく。

「うん、今日は一回しかしてないけど、もう眠れそうな気がする。
 健太がすごく可愛く乱れてくれたから、見ていて満足できたから」
「そ、それなら、よかったです……」

改めてそんな感想を言われると恥ずかしいけど、それでも佳暁様に満足してもらえたならうれしい。

「あ、最初だから寝る前にアナルプラグ抜いておいた方がいいね。
 もう少し慣れたら入れたまま寝てもいいけど。
 聡、抜いてあげて」
「あ、いえ、自分で抜けますから」

いったんはそう断ったのだが、聡がオレの耳に口を近づけて「それもプレイの一環だから、おとなしく抜かれろ」と囁かれて、仕方なく聡に身を任せた。

あんな小さなものを抜くだけだというのに、聡はやたらと時間をかけた。
その間、護はそれとなく目をそらしてくれていたけれど、当の聡はオレの姿を見て楽しんでいるかのように微かな笑みを浮かべていたし、佳暁様は佳暁様でそんなオレの姿に性的なものを感じているというよりは、まるで微笑ましいものを見るかのような表情で見ていて、何ともいたたまれなくなる。
時間をかけて、ようやくオレの中からアナルプラグを抜き終わった護をにらんでやると、護はそれを面白がるようににやっと笑った。
そんなオレたちを見た佳暁様が優しく微笑んでいるのが視界に入ってしまって、オレはなぜだか恥ずかしいような落ち着かない気分になってしまう。

「さあ、もう寝よう」

佳暁様がそうおっしゃったので、オレたち四人はベッドに横になった。
さっきセックスしていたのと同じように、佳暁様とオレが真ん中で向かい合わせになり、佳暁様の後ろに護が、オレの後ろには聡が横になる。
佳暁様はすぐ目の前のオレと目を合わせて少し微笑むと、目を閉じた。
そうすると寝付きが悪い佳暁様にしては珍しいことに、本当にすぐ、寝息が聞こえてきた。
驚いて思わず佳暁様の向こうにいる護を見ると、護もやはり驚いた顔になっていた。
それでも護はすぐに小さくうなずいたので、オレも佳暁様を起こさないように小さくうなずき返した。

驚きはしたけれども、佳暁様が眠れたのならそれでいい。
オレも初めてのことばかりで疲れたし、もう寝てしまおう。

そう思って目を閉じると、視覚を使わなくなった分、他の感覚が鋭くなったのか、後ろの聡の体温を強く意識するようになる。

あ、そういえば、結局聡だけ出してないけど大丈夫かな。

いつもは佳暁様を抱かない人間が出てしまった時は、佳暁様に手でしてもらったり、タイミングによっては後でトイレに行ったりしてたけど、今日はその暇もなかった。
聡は上半身はぴったりオレにくっつけていたけど、腰から下は離しているから、もしかしたらまだ勃ったままかもしれない。
何かしてあげた方がいいかなとは思ったが、そうやって考えているうちに眠気が強くなってきてしまって、申し訳ないと思いながらも、結局そのまま眠ってしまった。


―――――――――


翌日から、オレは普段の生活の中でも拡張を始めることにした。
刃物や火を使う調理中と壊れ物を持ったり力仕事をする時、それに外出する時は何かあるといけないから外していたが、それ以外の時は出来るだけ中にアナルピアスを入れたまま生活する。
サイズが小さいこともあって、入れたままでいても意外にその存在を意識することは少ない。
それでもふとした拍子に中に入っていることを意識してしまうことはあるし、何より自分の手で出し入れする時には自分がしている異常な行為を意識せざるを得ない。

佳暁様に勧められたことだから決して嫌ではないのだが、それでもやはり中にあんなものを入れていることを意識してしまうと恥ずかしくなる。
一人でも急に恥ずかしくなって顔を赤くしてしまうこともあるのだから、オレがそんなことをしていることを知っている他の三人と顔を合わせるときは、なおさらだ。

護はいつもと変わらない様子なので特に問題はないのだが、聡はオレを見る目つきがこうなる前とはあきらかに変わってしまっている。
いやらしい目つき……というのはたぶん、オレの被害妄想なのだろう。
それでも今までよりも熱い視線を向けられているのは確かで、正直困る。
別に性的な意味は無く、オレに告白したことで想いを隠す必要がなくなったからなのかもしれないが――もしそうなら、それはそれで困惑するのだが――自らの状態に後ろめたいところがあるオレとしては、どうしても聡の視線の意味を深読みしてしまって困る。
佳暁様は普段は何もおっしゃらないし、態度もいつも通りだからあまり気にならないのだが、その代わりに夜になると時々オレの中がうまく拡張できているか指を入れて確認したり、中がどんなふうになっているかオレに言葉で説明させたりするので、やっぱり困ることに変わりない。

まあ、そうは言っても夜にそうされるのはプレイの一環で、オレも恥ずかしいと思いつつも感じてしまうので、佳暁様に関しては本気で困っているとは言えないだろう。
佳暁様に中を触られたり言葉責めされた後に、再びアナルプラグを入れて聡に体中を触られ、その姿を佳暁様に見られているとひどく感じてしまう。

ある時など、佳暁様にうまく誘導されて、アナルプラグでは入り口だけなので奥がこすってもらえなくて物足りないと感じていることまで白状させられてしまった。
そうすると佳暁様はいつの間に用意してあったのか、自室から細身のディルドを持って来させて、それを使って聡にオレの中をさんざんこすらせたので、久しぶりに奥で感じたオレはさんざん乱れてしまった。

もしこのディルドを、アナルプラグと同じように入れたままで生活するように命じられたらどうしようかと思ったのだが、さすがに佳暁様はオレにそこまで求めることはなかった。
ほっとしたのと同時に、ちょっとだけ残念な気もしてしまい、思わず自分で頭を抱えてしまったのは秘密である。

そんなふうに普段からアナルプラグで拡張し、夜はそれに加えて佳暁様と聡の指やディルドでいじられ、オレの中は徐々に広がり、しかも最初よりも感じやすくなっていった。
そうして一番大きいサイズのアナルプラグを楽に入れられるようになってから何日かたったある日、オレは佳暁様から「そろそろまた本物を入れてみようか」と言われたのだった。
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