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AD1189
24話 ドッグファイト!
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「くっそ! 面倒な相手だ!」
三戸が駆るファントムとトンボ型魔物は壮絶な空中戦を演じていた。スピードはファントムが勝っている。しかし、トンボ型魔物は急制動、急加速、ホバリングなど、運動性能はファントムを遥かに凌駕しており、その動きもトリッキーだ。
ドッグファイトは相手の後ろを如何に取るかが重要になるが、トンボ型魔物のトリッキーな動きに三戸の操縦技術をもってしても大苦戦していた。
トンボ型魔物とファントムが交差する。複眼からの魔力ビームを躱しながら20mm機関砲を発射する三戸。
「しかも硬えんだよコイツ!」
しかもその外殻は20mm機関砲をも跳ね返す。命中させれば嫌がる素振りは見せる。しかしダメージという点では期待できない事は一目瞭然だった。トンボ型魔物の動きが全く衰えていないからだ。
しかしアドバンテージがないのかと言えばそうでもない。
まず一つ、ここまでの戦闘でアンジーが解析したところによれば、空対空ミサイル『スパロー』ならば、直撃すればダメージを与えられるだろうということ。
そしてもう一つ。敵は複眼からの魔力ビームしか攻撃手段がない事。つまり、頭がこちらに向いていない時は攻撃が来ないということだ。威力重視の収束ビームと、拡散させて範囲攻撃ができるスプレータイプのビームがあり、そこには注意を払う必要があるが、いずれにしても敵の正面にいなければいいのである。
また、敵に機首を向けていなければ攻撃出来ないのは三戸も同じだが、スパローは誘導兵器だ。僅かな隙を見てロックオンさえできれば、馬鹿正直に撃墜するまで敵を見ている必要はない。ヒットアンドアウェイだ。
しかし、それが難しい。
「ちっ、また外された!」
トンボ型魔物もファントムの動きを観察して解析していたのか、それとも本能で危険を察知するのか。いわゆる『狙いを定めている』のが分かっているらしく、ロックオンする瞬間にはそのトリッキーな動きで照準から外れてしまうのである。
「マスター! 後ろ取られました! 熱源、来ます!」
「おう!」
アンジー自身の魔改造によって格段に性能が上がっているファントムを持ってしても、優位に立てない状況に焦りを感じる三戸。しかしそれでも戦況を破綻させることなく常に隙を窺っている。
三戸はトンボ型魔物が発射した魔力ビームを避けつつ急降下した。あっという間に死海の水面が近付く。
「くっ!」
操縦桿を引き機首を引き上げ、水面スレスレで急上昇し、スロットルを開ける。盛大に上がる水飛沫。図らずも、それはトンボ型魔物の視界を奪う事になる。
トンボ型魔物も水面直前でなんとか減速し、ホバリングの状態で三戸を探していた。しかしその時すでに、三戸のファントムはトンボ型魔物の直上におり、ロックオンを終えている。
「おっしゃ! 喰らえ!」
機体下部より四発のスパローが発射される。次いでアンジーが装填したもう四発も発射。
白く尾を引く八発のミサイルがトンボ型魔物に肉薄する。
『ギギギギッ!』
上空からの攻撃に気付いたトンボ型魔物も回避行動を取るが、八発のミサイルを全て躱すのは不可能だった。翼に一発、背中に一発、二発の直撃を受ける。翼を一枚失い、身体にも大ダメージを負ったトンボ型魔物は揚力を維持できず、死海の水面へと不時着したような形になった。
こうなっては自慢の運動性も機動力も発揮できない。千載一遇のチャンスが巡ってきた。
「アンジー! ASM-2!」
「はいっ!」
水面でもがくトンボ型魔物も、この状態ではただの的だ。三戸は二発の対艦ミサイルを叩きこんだ。
軍艦をも沈める破壊力のミサイルが二発、トンボ型魔物に直撃。水面に巨大な火柱が上がった。
(これで終わってくれよ)
三戸は祈るような気持ちで上空を旋回しながら、魔物の様子を窺う。これでもダメならさらにミサイルをぶち込んでやるだけなのだが、まだ雑魚魔物は残っている。この大物との戦闘中は傍観していたが、また襲ってこないとも限らない。
「反応、消失。マスター、どうやら終わったようです」
「ああ」
アンジーの声に釣られるように、三戸は瘴気の穴の方向を見る。渦巻く瘴気は中心の方向へと加速していき、自ら収縮するように消えていった。同じように、残っていた雑魚魔物達も消失していく。
「お疲れ様でした、マスター」
「アンジーもな。さあ、ジャンヌ達のところへ合流しよう」
「はい!」
モニターに映るアンジーの快活な笑顔に笑みを返しながら、三戸は機首をエルサレムの方向へ向けて飛び去った。
三戸が駆るファントムとトンボ型魔物は壮絶な空中戦を演じていた。スピードはファントムが勝っている。しかし、トンボ型魔物は急制動、急加速、ホバリングなど、運動性能はファントムを遥かに凌駕しており、その動きもトリッキーだ。
ドッグファイトは相手の後ろを如何に取るかが重要になるが、トンボ型魔物のトリッキーな動きに三戸の操縦技術をもってしても大苦戦していた。
トンボ型魔物とファントムが交差する。複眼からの魔力ビームを躱しながら20mm機関砲を発射する三戸。
「しかも硬えんだよコイツ!」
しかもその外殻は20mm機関砲をも跳ね返す。命中させれば嫌がる素振りは見せる。しかしダメージという点では期待できない事は一目瞭然だった。トンボ型魔物の動きが全く衰えていないからだ。
しかしアドバンテージがないのかと言えばそうでもない。
まず一つ、ここまでの戦闘でアンジーが解析したところによれば、空対空ミサイル『スパロー』ならば、直撃すればダメージを与えられるだろうということ。
そしてもう一つ。敵は複眼からの魔力ビームしか攻撃手段がない事。つまり、頭がこちらに向いていない時は攻撃が来ないということだ。威力重視の収束ビームと、拡散させて範囲攻撃ができるスプレータイプのビームがあり、そこには注意を払う必要があるが、いずれにしても敵の正面にいなければいいのである。
また、敵に機首を向けていなければ攻撃出来ないのは三戸も同じだが、スパローは誘導兵器だ。僅かな隙を見てロックオンさえできれば、馬鹿正直に撃墜するまで敵を見ている必要はない。ヒットアンドアウェイだ。
しかし、それが難しい。
「ちっ、また外された!」
トンボ型魔物もファントムの動きを観察して解析していたのか、それとも本能で危険を察知するのか。いわゆる『狙いを定めている』のが分かっているらしく、ロックオンする瞬間にはそのトリッキーな動きで照準から外れてしまうのである。
「マスター! 後ろ取られました! 熱源、来ます!」
「おう!」
アンジー自身の魔改造によって格段に性能が上がっているファントムを持ってしても、優位に立てない状況に焦りを感じる三戸。しかしそれでも戦況を破綻させることなく常に隙を窺っている。
三戸はトンボ型魔物が発射した魔力ビームを避けつつ急降下した。あっという間に死海の水面が近付く。
「くっ!」
操縦桿を引き機首を引き上げ、水面スレスレで急上昇し、スロットルを開ける。盛大に上がる水飛沫。図らずも、それはトンボ型魔物の視界を奪う事になる。
トンボ型魔物も水面直前でなんとか減速し、ホバリングの状態で三戸を探していた。しかしその時すでに、三戸のファントムはトンボ型魔物の直上におり、ロックオンを終えている。
「おっしゃ! 喰らえ!」
機体下部より四発のスパローが発射される。次いでアンジーが装填したもう四発も発射。
白く尾を引く八発のミサイルがトンボ型魔物に肉薄する。
『ギギギギッ!』
上空からの攻撃に気付いたトンボ型魔物も回避行動を取るが、八発のミサイルを全て躱すのは不可能だった。翼に一発、背中に一発、二発の直撃を受ける。翼を一枚失い、身体にも大ダメージを負ったトンボ型魔物は揚力を維持できず、死海の水面へと不時着したような形になった。
こうなっては自慢の運動性も機動力も発揮できない。千載一遇のチャンスが巡ってきた。
「アンジー! ASM-2!」
「はいっ!」
水面でもがくトンボ型魔物も、この状態ではただの的だ。三戸は二発の対艦ミサイルを叩きこんだ。
軍艦をも沈める破壊力のミサイルが二発、トンボ型魔物に直撃。水面に巨大な火柱が上がった。
(これで終わってくれよ)
三戸は祈るような気持ちで上空を旋回しながら、魔物の様子を窺う。これでもダメならさらにミサイルをぶち込んでやるだけなのだが、まだ雑魚魔物は残っている。この大物との戦闘中は傍観していたが、また襲ってこないとも限らない。
「反応、消失。マスター、どうやら終わったようです」
「ああ」
アンジーの声に釣られるように、三戸は瘴気の穴の方向を見る。渦巻く瘴気は中心の方向へと加速していき、自ら収縮するように消えていった。同じように、残っていた雑魚魔物達も消失していく。
「お疲れ様でした、マスター」
「アンジーもな。さあ、ジャンヌ達のところへ合流しよう」
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