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AD1855
87話 総攻撃
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黒翼の天使が両手から放つ赤い光線も、単眼から放つ赤い光線も、どちらも発射前に溜めの状態に入る。よって、注意深く見ていれば回避は可能。
アンジー、ジャンヌ、関羽の三人は、その光線を掻い潜りながら、どうにか黒翼にダメージを与えようと悪戦苦闘していた。しかも、前回の戦いでは空中に留まっていた黒翼の天使が、今回は自らも動く。頭部にある単眼の死角になるであろう、股下などの直下からの攻撃に対処するためか。
これにより、下方から超水圧弾を放っていたサラディンとジハードも、紙一重で光線を避けながらの際どい戦闘になっている。あくまでも浮上せずに地上から攻撃を続けているのは、重力操作で浮上するのはここ一番に取っておくつもりなのだろう。
しかし、四人による高機動攻撃に対し、黒翼の天使は明らかに対応出来ていなかった。迎撃出来るのは両手と頭部の単眼。三人までなら同時に対応できるが四人となるとどうしても手が足りない。
それに黒翼の天使も空中戦に対応して飛び回っているが、図体がデカい分運動性能で負けている。
「……後は火力か」
三戸が呟く。目下の所の最大火力はアンジーの対艦ミサイルだが、黒翼に阻まれるとノーダメージなのだ。しかも爆発の余波が大きいため、接近戦を狙うジャンヌや関羽がいてはおいそれとは撃てない。
「アンジー、聞こえるか? みんなと連携してヤツの動きを止められるか?」
一頻り思案したあと、三戸はアンジーに指示を出した。
「やってみます!」
そう返事をしたアンジーが、ジャンヌ、関羽、サラディンへと順に飛び回って行った。恐らく三戸の指示を伝えて回っているのだろう。
すると、ジハードを残してサラディンも浮上し、飛行ユニットが四人という編成になった。地上にいるジハードは本来のスキュラの姿となり、ここからは本気モードだという事をうかがわせる。
「はあぁぁっ!」
燃え盛る炎を翼をはためかせ、ジャンヌがブリューナクを突き出し突っ込んで行く。槍の穂先からは炎弾を連発しながらだ。黒翼の天使はそれを右手で迎え撃とうとする。
しかしその右手に向かってジハードが下から超水圧弾を放った。防御膜を突破するには至らないものの、黒翼の天使の右腕は大きく上に弾かれる。ジャンヌはその隙を突き、黒翼の天使の背後に取り着いた。
「マスターの指示ですからっ! 何が何でも頑張って撫でてもらうのですっ!」
同じタイミングで、異様に気合の入ったアンジーが、黒翼の天使の頭上から単眼目掛けて空対空ミサイルを放つ。直撃するが防御膜に阻まれダメージを負わす事は出来ない。しかし、発射直後から間合いを詰めていたアンジーは、20mm機関砲を乱射しながら頭部に接近する事に成功する。
超至近距離での20mm機関砲の乱射は徐々にだが防御膜を突破していき、単眼はついに瞼を閉じる。
さらに黒翼の天使の左腕にはサラディンが接近していた。左腕から発射される赤い光線は何故かサラディンの目の前に軌道を変えられてしまい、彼に当たる事はなかった。
「ふぉふぉふぉっ。お主を重力操作でどうにかするのは出来んようじゃが、発射されたものは大丈夫のようじゃのう?」
彼は浮力を得るための反重力とは別に、自らの全面にも反重力を展開していたらしい。それゆえ、赤い光線は全て弾かれ、サラディンは容易に接近する事に成功した。
「ここまでお膳立てされては、一撃で決めねば軍神の名が廃る! 参るぞ青龍!」
左右、そして上空、更には地上からの攻撃に対処するだけで精一杯の黒翼の天使の背後。まさにその黒翼に向かい関羽が飛ぶ。
「全力で行くぞ! 斬り裂け、青龍よ!」
左側の翼の根本に取り着いた関羽が、青龍偃月刀の刃を緑色に輝かせ。一気に振り下ろす。
「斬ッ!!」
万物を断つ関羽の属性『斬』。それは黒翼の天使の防御膜もろとも、まるで紙切れのように片翼を斬り落とした。
「ジャンヌ殿!」
「はいっ!」
続いて右側にいたジャンヌが、やはり右翼の根本へとブリューナクを突き入れた。
「焼き尽くして! ブリューナク!」
外からの炎弾が効かなければ内側から燃やしてしまえばいい。イフリートを倒した時と同じ理屈だ。ジャンヌと朱雀。共に火の属性を持つ二人の力が合わさった時、それはより強力な炎となって黒翼を焼き尽くした。
両翼を失った事で浮力を維持できなくなったのか、黒翼の天使がゆっくりと降下を始めた。
「こりゃ予想以上だ」
その様子を見ていた三戸がほくそ笑む。
「着地の瞬間を狙うぞ。リチャード、ダミーの弾幕を。ナイチンゲール、アドレナリンをたっぷり頼む」
ナイチンゲールが両手を開き、十本の注射器を三戸に向けて光を照射する。
「ではいくぞ!」
エクスカリバーに騎乗しているリチャードが、駆け出しながら一発パンツァーファウストを放つ。さらに続けざまに土から生み出した弾丸をこれでもかという程撃ち出した。
三戸はそれをスコープ越しにじっと見ていた。
黒翼の天使が両手をクロスしてガードする。そしてそのガードした両腕に食い込んでいくリチャードの弾丸を確認した。
「よし、やっぱ翼がないとバリアは生み出せないみたいだ」
――ジャキン!
――ダーン!
ボルトを引き、トリガーを引く。繰り返す事五回。
三戸は装填していた五発の特製弾を全て撃ち込んだ。
アンジー、ジャンヌ、関羽の三人は、その光線を掻い潜りながら、どうにか黒翼にダメージを与えようと悪戦苦闘していた。しかも、前回の戦いでは空中に留まっていた黒翼の天使が、今回は自らも動く。頭部にある単眼の死角になるであろう、股下などの直下からの攻撃に対処するためか。
これにより、下方から超水圧弾を放っていたサラディンとジハードも、紙一重で光線を避けながらの際どい戦闘になっている。あくまでも浮上せずに地上から攻撃を続けているのは、重力操作で浮上するのはここ一番に取っておくつもりなのだろう。
しかし、四人による高機動攻撃に対し、黒翼の天使は明らかに対応出来ていなかった。迎撃出来るのは両手と頭部の単眼。三人までなら同時に対応できるが四人となるとどうしても手が足りない。
それに黒翼の天使も空中戦に対応して飛び回っているが、図体がデカい分運動性能で負けている。
「……後は火力か」
三戸が呟く。目下の所の最大火力はアンジーの対艦ミサイルだが、黒翼に阻まれるとノーダメージなのだ。しかも爆発の余波が大きいため、接近戦を狙うジャンヌや関羽がいてはおいそれとは撃てない。
「アンジー、聞こえるか? みんなと連携してヤツの動きを止められるか?」
一頻り思案したあと、三戸はアンジーに指示を出した。
「やってみます!」
そう返事をしたアンジーが、ジャンヌ、関羽、サラディンへと順に飛び回って行った。恐らく三戸の指示を伝えて回っているのだろう。
すると、ジハードを残してサラディンも浮上し、飛行ユニットが四人という編成になった。地上にいるジハードは本来のスキュラの姿となり、ここからは本気モードだという事をうかがわせる。
「はあぁぁっ!」
燃え盛る炎を翼をはためかせ、ジャンヌがブリューナクを突き出し突っ込んで行く。槍の穂先からは炎弾を連発しながらだ。黒翼の天使はそれを右手で迎え撃とうとする。
しかしその右手に向かってジハードが下から超水圧弾を放った。防御膜を突破するには至らないものの、黒翼の天使の右腕は大きく上に弾かれる。ジャンヌはその隙を突き、黒翼の天使の背後に取り着いた。
「マスターの指示ですからっ! 何が何でも頑張って撫でてもらうのですっ!」
同じタイミングで、異様に気合の入ったアンジーが、黒翼の天使の頭上から単眼目掛けて空対空ミサイルを放つ。直撃するが防御膜に阻まれダメージを負わす事は出来ない。しかし、発射直後から間合いを詰めていたアンジーは、20mm機関砲を乱射しながら頭部に接近する事に成功する。
超至近距離での20mm機関砲の乱射は徐々にだが防御膜を突破していき、単眼はついに瞼を閉じる。
さらに黒翼の天使の左腕にはサラディンが接近していた。左腕から発射される赤い光線は何故かサラディンの目の前に軌道を変えられてしまい、彼に当たる事はなかった。
「ふぉふぉふぉっ。お主を重力操作でどうにかするのは出来んようじゃが、発射されたものは大丈夫のようじゃのう?」
彼は浮力を得るための反重力とは別に、自らの全面にも反重力を展開していたらしい。それゆえ、赤い光線は全て弾かれ、サラディンは容易に接近する事に成功した。
「ここまでお膳立てされては、一撃で決めねば軍神の名が廃る! 参るぞ青龍!」
左右、そして上空、更には地上からの攻撃に対処するだけで精一杯の黒翼の天使の背後。まさにその黒翼に向かい関羽が飛ぶ。
「全力で行くぞ! 斬り裂け、青龍よ!」
左側の翼の根本に取り着いた関羽が、青龍偃月刀の刃を緑色に輝かせ。一気に振り下ろす。
「斬ッ!!」
万物を断つ関羽の属性『斬』。それは黒翼の天使の防御膜もろとも、まるで紙切れのように片翼を斬り落とした。
「ジャンヌ殿!」
「はいっ!」
続いて右側にいたジャンヌが、やはり右翼の根本へとブリューナクを突き入れた。
「焼き尽くして! ブリューナク!」
外からの炎弾が効かなければ内側から燃やしてしまえばいい。イフリートを倒した時と同じ理屈だ。ジャンヌと朱雀。共に火の属性を持つ二人の力が合わさった時、それはより強力な炎となって黒翼を焼き尽くした。
両翼を失った事で浮力を維持できなくなったのか、黒翼の天使がゆっくりと降下を始めた。
「こりゃ予想以上だ」
その様子を見ていた三戸がほくそ笑む。
「着地の瞬間を狙うぞ。リチャード、ダミーの弾幕を。ナイチンゲール、アドレナリンをたっぷり頼む」
ナイチンゲールが両手を開き、十本の注射器を三戸に向けて光を照射する。
「ではいくぞ!」
エクスカリバーに騎乗しているリチャードが、駆け出しながら一発パンツァーファウストを放つ。さらに続けざまに土から生み出した弾丸をこれでもかという程撃ち出した。
三戸はそれをスコープ越しにじっと見ていた。
黒翼の天使が両手をクロスしてガードする。そしてそのガードした両腕に食い込んでいくリチャードの弾丸を確認した。
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