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136話 地上での見えない攻防
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三戸によって傷つけられ、ルシフェルの表情から余裕の笑みが消える。
「なんだい? そんなの、僕は知らないんだけど?」
「ふん」
やや機嫌が悪くなった。そんな表情のルシフェルを見て、三戸は口端を吊り上げた。
(どうやらヤツは、アンジーの能力だけは再現できないらしいな。ただ、物理ダメージが通りにくいのには変わりない。油断は禁物だ)
そしてルシフェルをよく見ると、シューシューと煙を立てながら、傷付けたはずの部分が再生していた。
「元々大したダメージじゃねえと思ってたけど、防御が固い上に再生能力とか反則だろ」
「そうです! 反則ですっ!」
げんなりした表情に変わった三戸が憎まれ口を叩くと、三戸の隣に移動してきたアンジーも口を尖らせる。
「反則は貴様らだろうがッ!!」
豹変と言っていいだろう。今までは比較的穏やかな雰囲気を纏っていたルシフェルの口調が、急に狂暴なものに変わる。
手にしていた瘴気の偃月刀は消え去り、魔物が持っているようなトライデントを手の中に出現させた。そしてそのまま三戸に向かって斬り付ける。
「こちらの防御をすり抜けるのなら、こちらの攻撃も受ける事は出来ないだろッ!」
なるほど、道理だ。
三戸のサムライブレードは刃が質量を持たない故に、敵の物理的防御はすり抜ける。しかしそのサムライブレードで敵の攻撃を受けようとしても、それは無理な話だった。
「仰る通りだ堕天使。だがな……」
「マスターはやらせませんっ!」
三戸の前に躍り出たアンジーが、両手に持ったコンバットナイフでルシフェルのトライデントで受けきった。
「なっ!? そんなオモチャのようなもので!?」
ルシフェルから見れば、確かにそれはオモチャ同然のナイフに見えたかも知れない。しかしアンジーの持つそれは、グリップも刃も全て漆黒。金属で作ったようには見えない艶消しの黒。
地上からその様子を見ていたリチャードが笑う。
「ふん、漸く活躍しおったか」
タネを明かせば簡単だ。アンジーの持つコンバットナイフは、リチャードが圧縮して作った超超超硬度を誇るナイフなのである。なにせ隕石が地表に衝突した際に出来上がるレア物質を固めたものだ。地球の自然界には本来存在しない硬度を誇る。
これはかつて、空中から偵察している際に発見したクレーターからアンジーが回収していたものだ。ごく少量しか採取出来なかったため、コンバットナイフ二本を作るのが精一杯だったのである。
「あ奴にバレんうちに勝負を決めたいところじゃのう……」
その横でサラディンも空を見上げていた。
この二人は直接戦闘には参加していないが、額に汗を滴らせている。隙あらばアダムとエヴァを狙おうとするルシフェルから二人を守りつつ、ルシフェルが使う能力を必死に相殺していたからだ。
目には見えない攻防を繰り広げている二人は空を見上げながら戦慄する。
自分達二人とこれだけの攻防を繰り広げていながら、空中ではさらに肉弾戦をやってのけているルシフェルに。
「そうだな。余の能力によるものだとバレてしまえば、お嬢の使うナイフは砂のように崩れ落ちる」
やや間を置いてリチャードが答える。
リチャードの能力で作りあげたものならば、リチャードの能力を使えるルシフェルが無効化する事もできる訳だ。
「ぬ?」
こうしている間にも、リチャードはエヴァの足下に異変を感じた。そこに向かって手を翳し、盛り上がろうとする地面を鎮静化する。さらにふわりと浮き上がろうとしたアダムを、サラディンが重力を調整して地面へと落ち着かせた。
万事この調子で、この二人は戦闘に参加できなくなっているのである。
丁度そこへ、藤井、中谷、岡本の三人が戻ってきた。ライトニングⅡから辛くも脱出し、顔は煤だらけだが大きな怪我はないようだ。その姿を見てナイチンゲールがホッとした表情を見せる。
「一応検査します」
それでも万全を期すためか、彼女は三人に杖を向けた。聴診器型のそれでスキャンしている、そんな感じである。
「はい、異常はないようですね。ご無事で何よりです」
「面目ない」
不甲斐ない自分達を情けなく思ったのか、藤井が頭を下げた。そこにふぁむちゃんがふよふよと飛んで来て、藤井の頭をなでなでする。次いで中谷の肩をぽんぽんと叩き、岡本の頭にはハリセンの一撃をお見舞いした。
「なんで!? いや、ハリセンどこから!?」
岡本だけには絶対にデレないふぁむちゃんの態度に、周囲から思わず笑いが零れる。
そしてそのふぁむちゃんが、ビシッとハリセンを向ける。その方向には、三機のアパッチ・ロングボウが出現していた。
「これでもう一度戦ってこいって事か」
「確かに滑走路無くなっちまったからなぁ」
「それじゃ、いっちょリベンジしてきますか!」
こうして、三機の戦闘ヘリが三人の戦士を乗せて戦線へと復帰した。
「なんだい? そんなの、僕は知らないんだけど?」
「ふん」
やや機嫌が悪くなった。そんな表情のルシフェルを見て、三戸は口端を吊り上げた。
(どうやらヤツは、アンジーの能力だけは再現できないらしいな。ただ、物理ダメージが通りにくいのには変わりない。油断は禁物だ)
そしてルシフェルをよく見ると、シューシューと煙を立てながら、傷付けたはずの部分が再生していた。
「元々大したダメージじゃねえと思ってたけど、防御が固い上に再生能力とか反則だろ」
「そうです! 反則ですっ!」
げんなりした表情に変わった三戸が憎まれ口を叩くと、三戸の隣に移動してきたアンジーも口を尖らせる。
「反則は貴様らだろうがッ!!」
豹変と言っていいだろう。今までは比較的穏やかな雰囲気を纏っていたルシフェルの口調が、急に狂暴なものに変わる。
手にしていた瘴気の偃月刀は消え去り、魔物が持っているようなトライデントを手の中に出現させた。そしてそのまま三戸に向かって斬り付ける。
「こちらの防御をすり抜けるのなら、こちらの攻撃も受ける事は出来ないだろッ!」
なるほど、道理だ。
三戸のサムライブレードは刃が質量を持たない故に、敵の物理的防御はすり抜ける。しかしそのサムライブレードで敵の攻撃を受けようとしても、それは無理な話だった。
「仰る通りだ堕天使。だがな……」
「マスターはやらせませんっ!」
三戸の前に躍り出たアンジーが、両手に持ったコンバットナイフでルシフェルのトライデントで受けきった。
「なっ!? そんなオモチャのようなもので!?」
ルシフェルから見れば、確かにそれはオモチャ同然のナイフに見えたかも知れない。しかしアンジーの持つそれは、グリップも刃も全て漆黒。金属で作ったようには見えない艶消しの黒。
地上からその様子を見ていたリチャードが笑う。
「ふん、漸く活躍しおったか」
タネを明かせば簡単だ。アンジーの持つコンバットナイフは、リチャードが圧縮して作った超超超硬度を誇るナイフなのである。なにせ隕石が地表に衝突した際に出来上がるレア物質を固めたものだ。地球の自然界には本来存在しない硬度を誇る。
これはかつて、空中から偵察している際に発見したクレーターからアンジーが回収していたものだ。ごく少量しか採取出来なかったため、コンバットナイフ二本を作るのが精一杯だったのである。
「あ奴にバレんうちに勝負を決めたいところじゃのう……」
その横でサラディンも空を見上げていた。
この二人は直接戦闘には参加していないが、額に汗を滴らせている。隙あらばアダムとエヴァを狙おうとするルシフェルから二人を守りつつ、ルシフェルが使う能力を必死に相殺していたからだ。
目には見えない攻防を繰り広げている二人は空を見上げながら戦慄する。
自分達二人とこれだけの攻防を繰り広げていながら、空中ではさらに肉弾戦をやってのけているルシフェルに。
「そうだな。余の能力によるものだとバレてしまえば、お嬢の使うナイフは砂のように崩れ落ちる」
やや間を置いてリチャードが答える。
リチャードの能力で作りあげたものならば、リチャードの能力を使えるルシフェルが無効化する事もできる訳だ。
「ぬ?」
こうしている間にも、リチャードはエヴァの足下に異変を感じた。そこに向かって手を翳し、盛り上がろうとする地面を鎮静化する。さらにふわりと浮き上がろうとしたアダムを、サラディンが重力を調整して地面へと落ち着かせた。
万事この調子で、この二人は戦闘に参加できなくなっているのである。
丁度そこへ、藤井、中谷、岡本の三人が戻ってきた。ライトニングⅡから辛くも脱出し、顔は煤だらけだが大きな怪我はないようだ。その姿を見てナイチンゲールがホッとした表情を見せる。
「一応検査します」
それでも万全を期すためか、彼女は三人に杖を向けた。聴診器型のそれでスキャンしている、そんな感じである。
「はい、異常はないようですね。ご無事で何よりです」
「面目ない」
不甲斐ない自分達を情けなく思ったのか、藤井が頭を下げた。そこにふぁむちゃんがふよふよと飛んで来て、藤井の頭をなでなでする。次いで中谷の肩をぽんぽんと叩き、岡本の頭にはハリセンの一撃をお見舞いした。
「なんで!? いや、ハリセンどこから!?」
岡本だけには絶対にデレないふぁむちゃんの態度に、周囲から思わず笑いが零れる。
そしてそのふぁむちゃんが、ビシッとハリセンを向ける。その方向には、三機のアパッチ・ロングボウが出現していた。
「これでもう一度戦ってこいって事か」
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