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私を捨て妹に走った婚約者が、彼女の姿に幻滅し別れるからと言って復縁を迫って来ました。
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私には婚約者が居るが…家同士の約束で結ばれた為か、彼の私への愛情は薄かった。
そしてそんな彼は…私の妹を気に入り、溺愛して居た。
と言うのも、妹は大層可愛らしい容姿をして居て…そして、性格も愛嬌があって可愛らしかったからだ。
そして妹も、美形で明るい彼が気に入ったらしく、二人はとても仲が良かった。
そんなある日…彼が、私に大事な話があると言って来た。
「俺の心は、完全に妹の虜となった。だから、お前との婚約は破棄する。」
それを聞いた私は、特別驚く事は無く…やはりそんな事だろうと思った。
と言うのも…妹から、一刻も早く彼と別れてくれと言われて居たからだ。
「そうは言いますが…あなたはまだ、妹の全てを知りません。それでも、妹を選びますか?」
「当然だ。愛する彼女の事なら、何でも受け入れて見せる!」
そう言って力強く頷く彼に ならば仕方ないと私は別れを受け入れたのだった─。
その後…妹と婚約する為に彼がこの家に来ると言うので、私は家を出る事を決めた。
私には魔力があるし…これを生かせる仕事は、王都には沢山あるもの。
それに、コツコツお金も貯めて居たし…仕事にすぐに就けなくても、暫く生活できるわ─。
そして、私は王都へ旅立ち…その後魔道具を売るお店に就職し、平穏な日々を送って居た。
すると、そんな私の元に元婚約者がやって来て…私に復縁を迫って来たのだ。
「…では、妹はどうするのです?あの子を捨てるのですか?」
「あぁ。でも仕方ないだろう?あの可愛い顔が、作り物だと知ってしまったのだから─。」
妹と暮らす様になり、彼女がどんな時も化粧を落とさない事が気になった彼は…まだ部屋に入って来るなと言う妹の声を無視し、部屋に乗り込み…化粧の途中だった彼女の素顔を見てしまったのだ。
そしてそこに居たのは…いつもの可愛い妹ではなく、顔のパーツが歪み、とんでもなく醜い女だった─。
「あいつは、自身の魔力を化粧道具に宿し…魅了魔法の効果がある化粧法を独自に編み出し、自身を美しく見せて居たそうだ。でも、本当はあんなにも不細工で…もうあいつには幻滅したよ!そして、俺はすっかりあいつを愛せなくなった。それに引き換え、お前は化粧をしなくても見れた顔だった。それを思い出したら…もう居ても立っても居られず─」
「それで、私を訪ねて来たと─。」
「お前だって、いつまでもこんな店で働き通しの人生は嫌だろう?俺は金持ちだから、お前に良い暮らしをさせてやれるぞ?」
そう言って、彼は私に手を伸ばしてきたが…私はその手を避け、こう言った。
「私は、好きでこのお店で働いて居るの。それに、ただの従業員ではなく…私はもうすぐ、ここの店主と結婚する事になって居るのよ。」
そして私は、店の奥に居る愛する彼を呼んだ。
「俺の妻となる彼女に、一体何の用だ?」
自分よりも上背があり、逞しい身体をした強面の彼に…元婚約者は怖気づいたのか、何も言えずに震えた。
「この人、私の元婚約者なのだけれど…一方的に私を捨て妹に走った癖に、今更私が欲しくなったんですって。」
「…おい、それは本当か?」
「いや、あの…出来たら、そうしたいなと─。」
そのハッキリしない態度が逆に気に障ったのか…更に怒った彼は、元婚約者にもう返れと怒鳴り付け…そして、自身の魔力を体から放出。
その魔力の余りの強さに…元婚約者は、逃げる様に去って行った─。
この人、元は城付きの魔術師だった人だから…そんな人にこんな事をされては、もう二度とあの男はここには現れないでしょう─。
その後、私の家に逃げ帰った元婚約者は…素顔を見られた事に怒った妹に散々お仕置きをされ、そして自分の元から逃げられないよう、魔法陣の描かれた部屋に閉じ込められてしまったそうだ。
そして、全く好きでは無くなった妹にひたすら尽くす、地獄の様な日々を送って居ると聞くが…でも全ては自分が選んだ結果なのだから、それも仕方ない事よね─。
そしてそんな彼は…私の妹を気に入り、溺愛して居た。
と言うのも、妹は大層可愛らしい容姿をして居て…そして、性格も愛嬌があって可愛らしかったからだ。
そして妹も、美形で明るい彼が気に入ったらしく、二人はとても仲が良かった。
そんなある日…彼が、私に大事な話があると言って来た。
「俺の心は、完全に妹の虜となった。だから、お前との婚約は破棄する。」
それを聞いた私は、特別驚く事は無く…やはりそんな事だろうと思った。
と言うのも…妹から、一刻も早く彼と別れてくれと言われて居たからだ。
「そうは言いますが…あなたはまだ、妹の全てを知りません。それでも、妹を選びますか?」
「当然だ。愛する彼女の事なら、何でも受け入れて見せる!」
そう言って力強く頷く彼に ならば仕方ないと私は別れを受け入れたのだった─。
その後…妹と婚約する為に彼がこの家に来ると言うので、私は家を出る事を決めた。
私には魔力があるし…これを生かせる仕事は、王都には沢山あるもの。
それに、コツコツお金も貯めて居たし…仕事にすぐに就けなくても、暫く生活できるわ─。
そして、私は王都へ旅立ち…その後魔道具を売るお店に就職し、平穏な日々を送って居た。
すると、そんな私の元に元婚約者がやって来て…私に復縁を迫って来たのだ。
「…では、妹はどうするのです?あの子を捨てるのですか?」
「あぁ。でも仕方ないだろう?あの可愛い顔が、作り物だと知ってしまったのだから─。」
妹と暮らす様になり、彼女がどんな時も化粧を落とさない事が気になった彼は…まだ部屋に入って来るなと言う妹の声を無視し、部屋に乗り込み…化粧の途中だった彼女の素顔を見てしまったのだ。
そしてそこに居たのは…いつもの可愛い妹ではなく、顔のパーツが歪み、とんでもなく醜い女だった─。
「あいつは、自身の魔力を化粧道具に宿し…魅了魔法の効果がある化粧法を独自に編み出し、自身を美しく見せて居たそうだ。でも、本当はあんなにも不細工で…もうあいつには幻滅したよ!そして、俺はすっかりあいつを愛せなくなった。それに引き換え、お前は化粧をしなくても見れた顔だった。それを思い出したら…もう居ても立っても居られず─」
「それで、私を訪ねて来たと─。」
「お前だって、いつまでもこんな店で働き通しの人生は嫌だろう?俺は金持ちだから、お前に良い暮らしをさせてやれるぞ?」
そう言って、彼は私に手を伸ばしてきたが…私はその手を避け、こう言った。
「私は、好きでこのお店で働いて居るの。それに、ただの従業員ではなく…私はもうすぐ、ここの店主と結婚する事になって居るのよ。」
そして私は、店の奥に居る愛する彼を呼んだ。
「俺の妻となる彼女に、一体何の用だ?」
自分よりも上背があり、逞しい身体をした強面の彼に…元婚約者は怖気づいたのか、何も言えずに震えた。
「この人、私の元婚約者なのだけれど…一方的に私を捨て妹に走った癖に、今更私が欲しくなったんですって。」
「…おい、それは本当か?」
「いや、あの…出来たら、そうしたいなと─。」
そのハッキリしない態度が逆に気に障ったのか…更に怒った彼は、元婚約者にもう返れと怒鳴り付け…そして、自身の魔力を体から放出。
その魔力の余りの強さに…元婚約者は、逃げる様に去って行った─。
この人、元は城付きの魔術師だった人だから…そんな人にこんな事をされては、もう二度とあの男はここには現れないでしょう─。
その後、私の家に逃げ帰った元婚約者は…素顔を見られた事に怒った妹に散々お仕置きをされ、そして自分の元から逃げられないよう、魔法陣の描かれた部屋に閉じ込められてしまったそうだ。
そして、全く好きでは無くなった妹にひたすら尽くす、地獄の様な日々を送って居ると聞くが…でも全ては自分が選んだ結果なのだから、それも仕方ない事よね─。
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