「ふつう」じゃなくてごめんなさい

mogmog

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「あいつはふつうじゃない」

 僕は物心ついた頃からこの〝ふつう〟とかゆう言葉を聞くたびに、例えば胃の中に溶けない綿菓子が入っているような違和感を覚えてていた。

 普通ってなんだ。誰だ。

それが分かった時、僕の中のわたあめは溶けて無くなってくれるのだろうか。


この小説は、いや小説と言っていいのだろうか。
僕は一年間で10冊も本を読めた年があったとしたらそれは、握力13kgの僕がリンゴではなくスイカを片手で潰せるくらいに凄いことだ。
それくらい小説に縁もゆかりない17歳の僕が書く文章だからまあこのような程度である。が、この小説に僕は17年間の思いを全てさらけ出すつもりだし、全て本音で語ろうとしている。理解しなくていい。ただ、僕の叫びを聞いてほしい。
時間の許される限り、1ページでも1行でも1単語でも貴方の心に残る何かがあったのならそれでいい。

僕はこの小説を書いたのが僕であると知られた時、世間の目が怖くてたまらなくなるかもしれない。
なぜなら僕はふつうじゃないから。
 僕は病気だ。
それも一つじゃない。
 LGBT。
ADHD。
これを聞いてピンとくる人々は世界にどのくらいいるのだろうか。
 これを聞いた僕の友達はどのくらい僕の前から消えてしまうのだろう。

そして僕は女だ。だからLGBTなのだ。
LGBTとは、Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシャル、Tはトランジェスターの各単語の頭文字を組み合わせたものである。僕は多分Bにあたる。
女性も男性も好きになれる。
もう一度言うが、僕は女だ。
でも、今は僕を僕と呼びたい。
そういう気分なのだ。
別に、これを聞いてなんだこいつ気持ち悪いとか、マジ無理とか、いくらでもTwitterでもInstagramのストーリーにでもあげればいい。豆腐のメンタルをもつ僕はそれを見て枕を濡らすだけだ。

僕の初恋は、背の小さな女の子だった。
  高校の時、英語のスピーチの題材が「人生においての革新的人物」だった。
僕は、君について書こうかと血迷った。
他の人はナイチンゲールや野口英世を題材にしたが、僕にいたっては、坂本龍馬より、トーマスエジソンよりはるかに僕の中に革新を起こしたのは、君だった。
君は台風のように僕の住処をぐちゃぐちゃにして、ボロボロにしてあっけなく去っていた。君は強烈な風に耐えられるような場所も、溢れ出す川から避難する時間さえも与えてくれなかった。
 僕の中に強引に入ってきて、僕の中からあふれ出てきた思いを君は知るすべもないだろうが。
 だが、この強烈で強引な台風が過ぎ去った後、空は今までのことが嘘のように雲ひとつない快晴であったこともまた事実である。
 僕は多分、男が女をふつうに思うように、僕も君を思っていた。
ずっと触れていたかったし、君の側にいるのは僕だけでよかったし、何より笑った顔が可愛くて仕方がなかった。
それでも僕は中学校3年間、誰にも何も言わなかったし、言えずにいた。
僕が君に恋をすることは「ふつう」ではないから。
よく、こんな言葉を目にし、耳にする。
「偏見は良くないよ」
「色んな愛の形があるだろう」
だがこんなことを言ってくれている全ての人に僕は問いたい。
「本当に?」
もし例えばだ、想像して見てほしい。あなたの息子が突然家に帰ってきて
「こちら結婚を前提におつきあいさせていただいてるケンタさん」
などと言われたら、すぐさまあらまあハンサムなこねえ、などと言葉が出てくるだろうか。
極端な話だが、もしかしたら自分の息子の結婚式はウェディングドレスはどこにもなく、あるのは二つのタッキシードだけかもしれない。
孫の顔は多分一生見ることはできない。
それでもあなたは、子供が幸せならそれでいいと快く受けれることができるだろうか。
ほんの少し、こんな感情が嫌でも出てこないだろうか、
「ふつうであってほしい。」と。
ここでゆうふつうは多分息子が女の人に恋をする人であって、同性と恋に落ちることは「異質」であるのだ。
口でゆうのは簡単だ。
でもいざ自分の立場になって見てほしい。あなたはきっと僕らを拒む。

ウェディングドレス。タッキシード。女性専用車両。男子更衣室。袴。制服。リボン。カチューシャ。ピンク。青。蝶ネクタイ。

僕ら人間を二つに分けるものはこの世界にあらゆるとこに散りばめられていて、僕はそれによくと惑わされる。

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