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パパとママと一緒
しおりを挟むメイドの仕事へと戻り、ベッドのシーツをバルコニーに干したサブリナはフーッと息を吐きながら手の甲で額の汗を拭っていた…
「あっつ…」
その時、彼女の背後に人の気配がした…
「ああ…サブリナさん…ここにいたのね…」
「は、はい…」
廊下側の開いていたドアの隙間からサブリナの姿を見つけたプラティナは急いだ様子で彼女の元へと駆け寄ってきた。
「サブリナさん!!あなた…昨日の事、ダー…主人から聞いたわよ…」
「あっ…はい!!あの…すみませんでした!!
もう二度とあのような事は…
御勘弁頂けるとは思ってはいないですけど、私が王女様と優也様…ご家族に末永く幸せに過ごして頂きたいと思っている事は本当です!!」
「あなた…何言ってるの…」
プラティナは眉間にシワを浮かべながらサブリナの表情をジッと見つめていた…
…ダメだ…まぁ…そりゃそうか…
王女様の旦那様に手を出してしまったんだから…
クビで済めば良い方ね…
ちゃんと謝罪しないと投獄もありうるかもしれないってケリーが言ってたっけ…
…でも…好きになったんだから…しょうがないじゃない…
サブリナは目を伏せる…
自分の心に正直に『優也が大好き』だと大きな声で言いたい…
でも自分がその言葉を口にする事でどれだけの人が悲しい顔をするか…
その気持ちが彼女の表情をかつてない位に曇らせていた。
その場に立ちつくすサブリナにプラティナはゆっくりと歩み寄り…
彼女をギュッと抱きしめた…
「えっ…」
驚いたサブリナにプラティナは更に彼女を驚かせる話をし始めた。
「ありがとう…サブリナさん…優也さん…ううん…ダーリンから聞いたわ…
自分はジュエラを代表してソーディアへ出向いているのでこちらの都合で帰ると言いにくかった所にサブリナさんが声をかけてくれて席を立つ事が出来た…
お陰でギリギリだったけど、ジュエラへお越し頂いているお客様に私とダーリン、お父様で揃ってご挨拶をすることが出来て…本当に良かったとみんな…喜んでいるの…
それでね…私、あなたにどうしてもお礼がしたくて…
今度、あなたの都合の良い日に…
その…人間界のウチに遊びに来ない…?
…でも…遠い人間界だし…子供達もいるし…
あ、あなたさえ嫌じゃなかったら…だけど…」
…えっ…お、王女様は一体、何を言われてるの…?
私は優也様にあんな事をしたっていうのに…
「ど、どう…かな…?」
「い、良いんですか…私なんかがお邪魔しても…」
プラティナはフウッと大きく息を吐いて、
「当たり前じゃない…王宮で働いてくれる方はみんな私の家族みたいなものなんだから…
ただ…今の若い人は、自分のプライベートの時間は…大事にするって言うでしょ。
私が誘ったりすると重荷になるんじゃないかと心配だったの…あら…⁉︎」
抱きしめていた手を緩めて、今度は彼女の表情を見たプラティナの方が驚いた。
大きな瞳に涙を溜めて次々と溢れてくる涙は頰を伝ってポロポロと床へと落ちていく…
…良かった…またこれで王女様とも優也様とも一緒に居れるんだ…
まるでパパとママと一緒に居れる嬉しさを全身で表現しているようなサブリナだったが、二人との絆が更に深く自分の人生に影響してくるのをこの時の彼女はまだ知らなかった。
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