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私の夢は

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「ダーリン…明日は早速空中庭園へ…と言いたい所だけど…一応明日からお仕事じゃないの?」

「あっ!本当だね。ウチにも帰らないとね…」

「ミスとリルを呼んでくるわ…お母様の所にいるから…お母様ぁ~!」



「優也よ…ダイナ達に命じてこの神殿のある部屋とジュエラ、ソーディア、ミラールの各王宮の部屋とを鏡の空間で結んである…今後は自在に行き来出来るぞ…

ただ…安全上、各国の王女達だけが使えるようになっておる…良いな?

わらわは…もう少しダイナ達と調べ物をするから帰る時はテレパシーで呼ぶのじゃぞ…」

「うん…分かった!ありがとう…

僕もパーティーのお食事をお相伴に預かったら一旦家に帰るよ…

それまでにジーニャさんにも説明しとかなくちゃね!おーい!ジーニャさん!」

彼女は名前を呼んだ僕に気付いてこちらにゆっくりと歩み寄って来てくださった…

ドキッ…!

彼女はさっきのお風呂から着替えたのかセクシーなアラビア風のドレスを着ている…

それにこうやって落ち着いてゆっくりと彼女の顔を見るのが初めてな僕は改めて彼女の美しさに戸惑ってしまった。

ジーニャさんをじっと見つめる僕…

「あの…私の顔に何か付いてますか?」

「い、いえ…そ、そうだ…伝えなきゃいけない事があるんです…」

僕はジーニャさんに仕事の為に数日、人間界に帰る事…今後はジュエラや他の国に移動が可能な件、文献から空中庭園にランプが隠されている可能性がある事などを話した…


「分かりました…優也様…今回は本当にありがとうございました…数々の非礼を改めてお詫び致しますわ…本当に申し訳ありませんでした。」


「いえ…直ぐにお手伝い出来なくてすみません…
一週間後、時間を作ってまた来ますね…

ジーニャさん達はもう召し上がられました?
せっかくだから美味しそうなパーティーのお食事を頂きますね…」



ジーニャは少し戸惑ってギュッと拳を握り締めて自分の心を決めた…

「あの…優也様…帰られる前に少しだけお話が
あるのですが…宜しいでしょうか?」

「僕に?良いですよ…どうしました…?」

「はい…あ、あの…」

ジーニャに微笑みかける優也の表情に今度は彼女がドキドキした気持ちを抑えきれない…

「す、少し込み入った話ですので…わ、私の部屋に来て頂けませんか…?」

「ジーニャさんの部屋に…良いのですか…?」

「勿論です。さあ…こちらへ…」

「あ、そうだ…ちょっと待ってください…ティナ達に話してきます…」

優也はジーニャの元からプラティナの元へと駆けて行った…ジーニャは彼の後ろ姿を目で追いかける…


ミスを抱き上げて笑い合う優也と、リルと寄り添うプラティナを見て…彼女は自分とシャブリヤールの姿に重ね合わせた…


「私の夢はあんな風に…」
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